ちょっとした親切
思い出すたびに、心あたたまるエピソード、
持っていませんか？
私は、あります。
昔、小雨が降る中を
すぐ近くだからと傘も持たずに
近所のコンビニに行った帰り道、
横断歩道で信号が変わるのを待っていたら、
同じく信号待ちをしていた見ず知らずのおばあさんが
「あらあら、濡れてるわよ」と、傘に入れてくれました。
横断歩道を渡ったあとは、行く道がそれぞれ違ったので
「ほんのちょっとの間だけど」とおばあさんは微笑んで、
「ありがとうございます」と私も笑顔になり、
二人で信号が青になるのを待ちました。
ほんの数分の出来事です。
私は１０年以上経った今でも、
このことを思い出すと幸せな気分になります。
おばあさんが、私が濡れないようにと傾けてくれた傘は
私の心も温めてくれたのです。
私もそんな素敵なことをしたい！と思っていますが、
見ず知らずの人を傘にいれる勇気は
今の私にはまだありません・・・。
でも、ちょっとの親切で誰かがちょっと心温まったら、
みんながそんな想いで生きていたら
素敵だなと思うのです。
だからほんのちょっとの親切、
たとえば、
ドアを通ったあとに後ろから来る人のためにドアを開けておいてあげるとか
道に困っている人に案内してあげるとか
電車の中でちょっと詰めてスペースをあけてあげるとか
借りたものを返すときに素敵な袋に入れて返すだとか
目が合った赤ちゃんに微笑むだとか
並ぶタイミングが同じになってしまったときには
ゆずるだとか
店員さんの目を見て笑顔で御礼を言うだとか、
そんなことを日々してみるのです。
無意味のように思えることも
どこかで誰かが嬉しいかもしれないから。
そして誰かに何かをしてもらったときには
笑顔でありがとうと伝えたい。
あなたの心が届いてますよ、と。
そうやって親切や好意の輪が広がったら
あの傘に入れてくれたおばあさんの
優しさを他の人にバトンタッチできるような気がするのです。
あなたは誰かからバトンをもらいましたか？
文：Sachi
代表：椎名 あつ子
2015.10.20