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黒い心と白い心

約一年前、とても痛ましい事件が起こりました。
まるでドラマや映画や小説の中のお話かのような
現実感のない、
残酷で、心を深くえぐられるような、
そんな事件でした。

人を援助する立場として働いていた人が、
援助していた相手の命を
たくさん奪う事件でした。

事件の当事者ではない私でも
大きな大きな衝撃を受けて深く傷つき、
いろいろなことを考えさせられました。

どうしてこんな事件が?
と誰もが思ったのではないでしょうか。
けれど、実際に、現実に、
私たちの住む日本で、
ある日、
そんな事件が起きたのです。

事件が起きる前に、どうにかできなかったのか、
と多くの人が思ったことでしょう。
加害者と同じあるいは似た職業の人々も
大きな大きなショックを受け、
人の助けを借りながら日々を過ごしている多くの人が
自分の存在について考え、苦しみ、
そして、悲しんでいることでしょう。

私は、この事件において語られなくてはならないのは、
心の邪悪な部分についてだと思っています。
誰しも、心の中には真っ白な部分や黒い部分やグレーの部分など
さまざまな部分があります。
多くの人は、どちらかというと白が多いのではないでしょうか。
けれど、黒い部分が多かったり、
黒い部分がとても濃くなっている人も、
少なからずいるのです。
この邪悪とも言える真っ黒な部分が
少しでも少なく、目立たなくなって、
その人の行動の原理が白い部分であるように、
そう育っていくためには、
何が必要なのか。

黒があってはいけない、わけではありません。
黒を持っていない人はいません。
同時に、白を持っていない人もいません。

私が思うには、
まずはじめに
自分の中にも黒があることを認めることが
大切です。
黒があってはならないと思って
真っ白にしようとすると、
返って黒は黒くなってしまうのです。
黒がどんどん広がったり濃くなったりしないためには、
白を育てることだと、私は思っています。

白を育てることとは、
ハッピーな体験を増やすこと。
おいしいものを食べたり
楽しいことをしたり
笑ったり
大切にされていると実感したり
誰かを愛したり
認めてもらったり
やりがいや生きがいを持ったり
綺麗なものを見て癒されたり
感動する映画で心が動いたり
そんな体験です。
そして、さらに大切なのは、
大切な誰かに大事にされること。
多くの人は、家族からそうされていることでしょう。
けれど、悲しいことに、
そういった体験をできていない人も
世の中にはたくさんたくさんいます。
そういった人は、
家族でなくても良いのです。
友人や恩師や恋人や仲間や
なじみのお店のマスター、
誰でも良いのです。
誰か大切な人に出会い、
その人に大切に思ってもらうこと、
そして、自分が自分のことを大切に思えること。
心からそういう体験ができた時、
人は何か黒い気持ちに支配されて行動しそうになってしまった時、
その人たちを裏切り傷つけ悲しませ
そして自分を見捨てられるのではないかと
立ち止まる力になるのではないかと思います。
そうすれば、
人は人の命を奪うことはできなくなるのではないかと
私は思います。

あの事件が起きたときに、
私が一番心配したのは、
あの加害者と似たような気持を持っている人が
この世の中には少なからず居て、
事件によって
これまでふたをしていた黒い気持ちが
刺激されて大きくなってしまうことでした。
育ってしまった黒い気持ちは
なかなか拭い去ることができません。
黒い気持ちに支配されている時には
白い気持ちを育てることも
とても難しくなります。
グレーを増やしていくことで
黒を薄めていくようなイメージかもしれません。

けれど、
どんなに黒い気持ちに支配されてしまっても、
その人にも白い気持ちも必ずあって
その人も生きている命の一つなのだということは
忘れてはいけないと思います。
それでも、
その人を許せないという気持ちも
当然、強くあります。
加害者を憎んだり、仕返しをしたいと思ったり、
いなくなればいいと思う気持ちは、
一体、白なのでしょうか。
それとも黒なのでしょうか・・・。

どうか、一人でも多くの人が
自分の心の中の黒いものではなくて
白いものを大きく育てられることを、
そしてこんな痛ましい事件が
二度と起きないことを、
願うばかりです。

文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子

2017.08.01

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