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発した言葉と伝えたい気持ち

最近よく思うのですが、
本当に相手に伝えたい気持ちを
相手にわかるように伝えるということは
なんと難しいことなのでしょう。

思っていることをうまく表現できない、
という方も多くいらっしゃいますが、
思っていることを伝えているつもりの方でも、
本当にそう思っているのか、
相手に伝わっているのか、
と考えるとなかなかうまくはいきません。

例えば、
恋愛や夫婦関係でよく聞く
「私と仕事(あるいは趣味)どっちが大事なの?」
問題で考えてみましょう。

この質問をされて、上手に切り抜けられた人は
少ないのではないでしょうか。

① 相手を選ぶ「もちろん、きみだよ」
② 仕事を選ぶ「きみのために仕事をがんばっているんだ」
③ あいまいにする「比べられない」
④ 逆ギレしてみる「なんでそんなことを聞くんだ!」
⑤ 話をそらす
ざっくりと分けると、こんな5パターンでしょうか。
(もちろんもっと良い案があるかもしれませんが。)

① は一見うまく切り抜けられそうですが、
この場合、「じゃあなんで私を優先しないの!」と
怒られることが多いのではないでしょうか。
② も仕事を選びつつ相手をたてていますが、
切り抜けることは難しそうです。
③ で納得する人なら、そもそもこの質問をしません。
④ はもってのほか、火に油を注ぐか、
相手はあきらめて黙るかもしれません。
⑤ で切り抜けられたとしたら、かなりの玄人です。
たいていの場合は、より問題がこじれるでしょう。
要は、どの回答でも、問題は解決していません。

「私と仕事(趣味)どっちが大事なの?」
この言葉を言われたときに、
言われた側が思うことは、
「なんでそんな意味のないことを聞くのか」
「でたでた、めんどくさいセリフ」
「もう別れた方がいいかな」
「疲れてるときになんで絡むのか」
などなど、ネガティブなことが多いのではないでしょうか。

けれど、本当に必要なのは、
「なぜ相手がこのセリフを言わざるをえなかったのか」
ということです。
相手が伝えたいのは、
仕事か自分を
選択することではなくて、
「私よりも仕事(趣味)の方が大事に見える」
ということなのです。
だから、言われた側が気づかなくてはならないのは、
そんなに相手に我慢をさせたり、
さみしい思いをさせていることなのです。
言っている側だって、
こんなことを言いたいわけではありません。
本当は「もう少し私を大事にしてほしい」という
気持ちをわかってほしいのです。
それまでにたくさんたくさん
さみしい気持ちを我慢して耐えてきた結果の
言葉かもしれない、ということを
少しでも、気遣ってあげてください。

ついこのセリフを言ってしまう側も、
本当に伝えたい言葉は何なのか
怒っている背景にある“さみしさ”“つらさ”に
自分自身が気がつくことが
大切なのではないでしょうか。

文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子

2017.10.17

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