2006年11月アーカイブ

2006年11月20日

雨の日曜日

昨日の日曜日は、とても長い一日だった。

バッハの曲を聞きながら
遅めのブランチを食べ、
しばらくの間、まどろんだ気持ちのまま
ボーっとしていて、
再びベッドに入り込み、
規則正しすぎるバロックの音楽にすっかりやられ、
気づいたらまた、夢の中。

今週は何か、頭の中に小さな虫が1匹、
飛び続けているような感覚がとれず、
寝ても寝ても、頭の神経が疲れていた。

目がなんとなく覚めて、
頭の中の虫が、気づいたら消えていたため、
夕方、降りしきる雨と憂うつな寒さの中、
意味も目的もないドライブをした。
しばらく走ったら、あまりのバカバカしさに
一人いらだちを覚え、
1時間程して、やはりやることがなく、
なんとなく家に戻り、
再びベッドの中へ。

ひたすら駆け上がっても
果てしなく空に向かっている白い螺旋階段を
登り続けている夢を見た。

「あー。まったく何なのかしら!
 今日は夜の9時からライブに行くため
 チケットを取ってあるのに。
 行く気がしない。」
とぶつぶつ心の中で思いながらも、
寒く冷たい雨の中、ライブに行った。

今日は、何人もの知り合いが出ているから、
ライブを聞きに行かなくちゃ。
ただ、それだけの理由だった。

あふれかえる人の数、
むせ返るタバコの煙、
熱すぎる空間。

たけど、気づいたら、
リズムに合わせて踊っている私がいた。

大人のロックだった。
昔、よく聞いた曲だった。
なまめかしい色気の大人の男たちが、
おちゃめに、かっこよく、少年のような瞳で、
身体全体で生きていた。
若者に負けない情熱があふれていて、
スローなブルースには、鳥肌がたってきた。
なぜか泣きそうになった。

この時間が、特別であるためだったんだ。

さっきまでの気だるさの意味が分かった気がした。
切なくて、暇で、やるせなくて、退屈な時間は、
次の特別な何かのためにあるんだな。きっと。

私は今日、本当に心からそう思ったりした。

そんな、雨の日曜日。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:04 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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