2007年01月アーカイブ

2007年01月31日

必然的

またまた、男と女のお話。

1年付き合って、はじめて、
女は男にわがままを言った。
いつも相手の予定に合わせていたけれど、
その日はどうしても会いたくて、
彼女から電話をして
会ってもらった。

その2日後。
男が、別れ話をしてきた。
あの日、会ったあと、
仕事をしに行かなくてはいけなかったこと。
今は仕事だけを考えたいということ。
今、自分にとって、大切な時期であること。
自分は、誰とも結婚を考えていないこと。

彼女は一晩中泣いた。
泣いて泣いて、朝になった。

少し外に出たくなって、
いつもと違う道を歩いてみた。
ある自動販売機で、
ジュースを買った。
いつもと違う道にあった
そのジュースは、
普通より20円も安く、
とても得した気分になった。

女は、男を思い出した。
そして、理解した。

「必然だ。
 この別れは、
 必然だったんだ。」

はじめてわがままを言った私。
私に、その日わがままを
言わせるようになっていた運命。
それによっての、男の決断。
別れ。

あの日、わがままを言わなければ、
もう少し続いていたかもしれない。
でも、違う道を歩くことで、
今日出会えた小さな喜びがあるように、
新しい道を探してみよう。
別れた方がいいと、
導かれたのだから。
きっと。

悲しみの中で、
何かに気付けた時のその人は、
美しい瞳をしていた。

 あなたは、もう大丈夫ね。
 強くなったね。

何か、とてもいいことが
彼女に訪れる予感。

いい一日になった。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:24 

2007年01月29日

To my Present

イタリアから絵が届いた。

今年のはじめ、イタリアにでかけたとき、
友人の画家のアトリエで、
一目惚れした絵だった。

うすいピンクと白を中心とした、
現代的な抽象画だ。
ところどころにうすいグレーが、
マーブルのように取り込まれている。

私は、カウンセリングルームに
最初から置くつもりだった。
私が座った位置から、
いつも見えるように。

イタリアのトスカーナのあの夕日、
うすいピンクと紫色の
美しい空を見たあと、
この絵と出会った。

あの日の穏やかな優しい気持ち、
ゆったりと自然を見つめたあの私が、
いつも在るように。
仕事中も、安定した私であるように。

何よりも、大切な、
自分のためのプレゼントとなった。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:09 

2007年01月26日

不眠症

昨日は、とうとう眠れなかった。

体も頭も疲れきっているはずなのに、
いつものあの感覚が
やってこなかった。
ベッドに体が沈んでいく
あの感覚。

煙草に火をつけ、
たまっている書類に目を通す。
やはり仕事をする気にはなれず、
もう一度、書類を片付け、
飲みかけのワインを飲む。

頭の中は、いろんなことが渦巻いて、
今日のカウンセリングの
それぞれの人の顔や言葉が、
点々とよみがえってくる。

休まないと、早く寝ないと、
明日が辛すぎる。
明日は朝から、
大切なファミリーカウンセリングが
いくつも入っている。
しかも、仕事が終わってから、
食事会もある。

休め、休め!!
早く眠らなくちゃ!!

そんな葛藤をしていたら、
朝になっていた。

悩んでいることがあるわけでもなく、
ただ、眠りにたどり着けない。
日常から取り残された感じがした。

眠るという、普通当たり前のことが
できない苦しみを、
昨日は感じた。

不眠を抱えた、たくさんのクライアントに
いつも言うこと。

「不眠症は、眠れないことに
 悩む状態です」

まさに…

昨日の私は、眠れないことに
悩み、苦しみ、あせりを感じ、
苦痛な時間だった。

一生眠れないはずはないのにね。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:30 

2007年01月24日

今日は、母のお誕生日でした。
朝、仕事が始まる前に、
おめでとうコールをしました。

いくつになるのかを正確に知らず、
年をそっと聞いてみると、
思っていたよりも1才多い年でした。
その事実に、少し私は傷付きました。

母は確実に年をとり、
老いていっています。

私の母は今、肉腫という
病気を抱えています。
今は、手術をする時期ではないらしく、
毎回検査をして、
「様子を見ましょう」
とドクターに言われ、
もやもやした気分のまま
生活をしている状態です。

「死を受け入れなくてはならない時は
 その時だと思っているのよ」

電話の向こうのその言葉を、
真正面から辛すぎて受け止められず、
明後日のコンサートに
話を切り替えてしまいました。

この日は横浜で、父と母と3人で
ディナーコンサートに行く予定なのです。
随分前からこの場所に連れて行きたくて、
予約を入れてしまいました。

老いていく2人を前に、
今の私にできること。
それは、2人に、
いい思い出を残せるだけ残すことだと
実感しています。

母が年をとって老いるなんて、
考えもしなかったはずなのに、
もう、私を叩いて叱る母の姿は遠い昔で、
今は、とても小さく感じます。

お母さん、もっともっと生きて。
私のために。

でも、母の姿を目の前にすると
言えない言葉です。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:40 

2007年01月22日

12年間

男と女が、12年間付き合っていました。
お互い家庭はありながらも、
いいパートナーとして愛し合っていました。
12年間は、いい形で流れていきました。

男がある日、女を裏切りました。
女は悲しみに暮れながらも、
男を許すことを決めました。
12年間の意味を信じて。

それなのに、それなのに、
男は、2日前まで新しい女と会っていて、
その新しい女が、
彼女の会社のスタッフだったと、
彼女は知りました。

2人の人間に裏切られ、
女は絶望し、
全ての感情をなくし、
涙も枯れ果てて、
ついに壊れました。
一本の細い細い神経さえも
切れてしまったかのようで、
言葉を失い、
生きる希望を失い、
茫然と立ちすくんでしまいました。

「それでも、どうしても嫌いになれないの。
 わたし、どうすればいい?」

お互いの家庭に戻ればいい?
彼と別れればいい?
12年間を忘れればいい?
再び彼を許せばいい?

美しかった彼女が、
どんどん衰弱する姿を見ながら、
何の言葉も浮かばなかった私がいました。

一緒に朝まで、彼女が酔いつぶれるまで
側にいようと思っている以外は、
どうするべきなのかは分からないまま、
5日が過ぎました。

年を取れば取るほど、
理屈では解決できない愛があることを
知りました。

もし、私だったら…
彼女と同じ立場だったら…

自分が生きていくために、
自分が死を選ばないために、
もう一度、許すかな…?

もし、私だったら…は、
考えると苦しすぎて、
やはり答えが見つからない。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:15 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

横浜市中区に開設している女性のための心のカウンセリングルームです。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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