2008年09月24日

雨 - つまりそんなこと

日曜日の午後は、車のフロントガラスが
雨で見えないほどで、
こわいドライブを体験しながら
実家から帰宅した。

ホッとしたくて、
行きつけのカフェに立ち寄れば、
プロジェクターから
「雨に唄えば」の
古い名画が流れていた。

コメディで、
軽やかなジーン・ケリーの踊りは、
その日の時間と空間を
飛び越えてワープして、
私の目に飛び込んできた。

そんな中、テーブルが一緒になった
あるラジオ製作者の人の言葉が
重なった。

「感じる心がなければ、
言葉はむなしい道具のような
ものでしかない。」

ラジオのリスナーを感動させるには、
見えない情景を相手に
どう想像させて伝えていくかという能力が
必要となるらしい。

私は、その人に、
どんなに今日のドライブが
恐怖との闘いであったかを
伝えてみようかと思い、やめた。
きっと、そんなことは、今の時間、
つまらないことだから。

でも人は、その時、
伝えたい言葉がある。
分かってもらいたい
状況がある。

私は、今日の雨の恐ろしさと激しさを、
何故か、バカげているけれど、
誰かに伝えたかった。

人って、誰でも、
くだらないことを伝えたくなる、
そんな日って、あっていいと思ったりした。

本当に今日の雨は、
この世の終わりがくるような
激しい雨だった。
私は、とても怖かった。
逃げ出したかった。

つまり、それだけなんだけど。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:33

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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