2009年06月04日

実は、1ヶ月前のゴールデンウィークに、
はじめて休みをとり、
一人旅をしてきた。
開港150周年の年、
ここの10周年記念でもあり、
自分へのごほうびでもあったけれど、
本当は、私にとって、
転機でもあったのだと思う。

日々、たくさんの人たちの
人生のドラマとかかわっていく中で、
自分自身の女性としての生き方、
そして母親として、
子育ての反省も振り返って
見つめ直したかった。

誰も知り合いのいない、
言葉も通じない世界で、
私は楽しめるのか、
それとも、孤独を感じるのか、
私の自我は、
果たして確立しているのか…
大袈裟なようで、大切なテーマだった。
私らしさと自由に向き合えるのか、
確かめたかった。

モネの家を訪れた。
モネの描いた睡蓮の世界を感じるため、
スケッチブックを持って、訪れた。

私が20歳の頃、
はじめて訪れたシャンソン小屋にも
足を運んだ。
あの頃の感動を、今もなお
感じられる感性が、
私に残っているのか知りたかった。
そのシャンソン小屋は、
何も変わらず、
ひっそりと残っていた。
店のオーナーらしき人に、
フランス語のできない私は、
英語で話しかけてみた。

「ここに、昔々、遠い昔、
私が20歳の頃、来たの」

年老いている彼は、目を輝かせて、

「僕を覚えているかい?
ここは何も変わっていないよ。
僕も、あの頃と同じさ」

変わらない…

なんて素敵な言葉だろう。
変わらないこと、
変わらない感覚が、
どんなにか大切なのか、
教えられた気がした。

若い私と一緒に写真を撮った彼は、
この人だったのか。
変わらない空間で、
毎晩、シャンソンを
歌い続けてきたのだろう、きっと。

私もここで、変わらず、
カウンセラーでいることがすべてであると、
本当に実感できた。

人のために歌い続ける彼、
そして、人の人生を聴き続ける私、
42歳から、亡くなるまでの40年近くを、
睡蓮を描き続けたモネ。

すべてがつながった。

私は、この答がほしかったんだ。
この答をだすために、ここに来たんだ。

私にとって、最高の旅となっていた。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:22

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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