2010年05月アーカイブ

2010年05月26日

ピンク色

昔、ピンクが大嫌いといっていた
大人の女性がいた。
彼女にとってピンクは、
女の媚びた優しさのようで、
繕った色と感じていたのかもしれない。
それも分かる気がする。

確かに、大人の女性には、
若いときと違って、
ピンクは似合わない。

それでも私は、ピンクは大好き。

薄いピンク色のバラは
心を豊かにするし、
うすいパールピンクのチークは
肌を若返らせるし、
モエのピンクのシャンパンは
何よりも優雅な色。

大人の女性にとってピンクは、
永遠にわがままでいられる存在の色だと思う。

私は、自分の誕生日パーティが
近付いている今、
今年は、ピンクを、
あえて意識して、
少しこの日ぐらい
わがままになってみようと思っている。

ピンクの花柄のテーブルクロスに、
ピンクの紙ナフキンに、
ピンクのシャンパンと、
じゃがいもとたらこのピンクのサラダと、
いちごの入ったピンクの生クリームケーキと、
そして、
ピンクに輝く
友人たちの少し酔った笑顔。

やはりピンクはいいでしょ。ね。

What a wonderful color !
That’s PINK !!

投稿者 椎名 あつ子 : 13:05 

2010年05月18日

お月様

その日の夕暮れは、
本当に美しいお月様だった。

今にも消えてしまいそうな
細い三日月のお月様の上に、
キラキラと輝くひとつの星が、
お月様を見守るように
存在していた。

それはまるで、
パリの細い路地にある
小さなアンティーク屋の片隅に
ひっそりとあるブローチのような、
繊細な美しさだった。

現実に流されそうになるこの世界に、
ふと、気付かされる宇宙の大きな存在と、
未知だから美しいその価値を、
人の命のように感じた瞬間。

私はたしかに、
そのお月様の下で生きていた。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:39 

2010年05月13日

母の日だった。

薄紅色の小さな蘭の植木が、
下の子からの贈り物だった。
バラのルームアロマオイルと、
お風呂用のバラのランプは、
上の子からの贈り物。

ふたりの愛しい娘たちは、
私の好みをきちんと
知り尽くしてくれていた。

私は、彼女たちの
優しい4つのまなざしに見守られながら、
今日を生きていると実感した。
彼女たちの、素敵な贈り物に
ふさわしい女性に、
母である私も、
なっていく努力をしたいと思っている。

私は、最近小さくなった私の母に、
これからの時間、
何を与えられるのか、
考える日ともなった。

母と娘、
これは、永遠のテーマであり、
時に美しすぎ、
時にせつない関係を築いていく。

でもお母さん、
私は、あなたの娘に生まれて、
私は母になった喜びを
感じることができました。

時代は流れ、
三世代が共存していく。

子どもを産み、育てていく
過程であるにもかかわらず、
私は仕事に追われ、
決して、いつも良い母親ではなかったと
心から痛感し、反省し、後悔し、
申し訳なく思い、
それでもこうして、
笑い合える時間があること。

今日は久しぶりに、私にとって、
とてもあたたかい1日だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:46 

2010年05月10日

心の問題

先月、愛知県で起きた事件。

10年以上も自室に引きこもっていた
30歳の男性が、
家族5人を殺傷した。
ネット通販の支払いが
200万円をこえていて、
困った家族がとった行動が、
ネット契約をきることだった。
そのことで逆上した男性は、
小さな子どもまでも手にかけてしまった。

彼の唯一の社会が、ネットだった。

ネットの回線は、彼にとって、
生命線だったのかもしれない。

引きこもりに限らず、
こういった家族との
理解し合えない関係で起きる問題は、
ここセンターでも、日々、後を絶たない。
暴言であったり暴力であったり、
また、自分に向ける様々な自傷行為であったり。

ただ、その人たちは、
被害者でもあると、
私は思う。

社会から、地域から、世間から、
変わった目で見られたり、
放っておかれたり、
見捨てられた時間の蓄積は、
大きな被害であり、
弱者だと私は思う。

ただ、弱者であり、被害者であった人が、
今回の事件のように加害者へと変身するまでの、
何かしらの信号を、
誰が一番早く分かってあげるのか、
見つけ出す人がひとりでもいれば、
彼は毎日を、ネットにとらわれて生きなくても
よかったのではないかと思う。

また、家族がネットを切るという決断のほかに、
もっといい方法がないかを考え、
相談する場所、
病院であったり、カウンセラーであったり、
地域の相談支援の場所であったりを
探してみたりした結果だったのかを、
知りたいと思った。

「まだ、そこまでではないから、
様子を見よう」

といった、精神への偏見からくる
甘えの逃避を、
まわりの人たちがまず捨てて、
本人を救うために、
何人かのプロに相談してほしいと、
心から願う。

家庭内で困っている問題を
世間から隠して放置していても、
彼らの心の病は変わらないばかりか、
大きくなっていくのだから。

心の病は、
外科の手術のようにはいかない。
切ればなくなるのではない。
なぜなら、レントゲンにも写らず、
どこにあるのかも誰も知らない、
でも確かに存在する、
心の問題だから。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:59 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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