2010年08月アーカイブ

2010年08月31日

お重箱

お重を買いました。

先日、うなぎを食べに行ったら、
うな丼とうな重の金額の違いに
少しおどろきながらも、
やはり、優雅な気分になる
うな重をたのんだことから、
お重が気になっていました。

高いお重ではなく、
あずき色のプラスチックの箱ですが、
しょうが焼きにしても、
天ぷらにしても、
お重にごはんをつめて、
その上に具を乗せて、
ふたをして出すだけで、
とてもとても、
豪華な気分になりました。

ちょっとしたことで、
こんなにも食事の時間が、
楽しく優雅な気分となるなんて、
もっと早く買っておけばよかったと
思いました。

日常の変わらない生活の中で、
ちょっとした変化や、
ちょっとした気づかいで、
大きく、心を揺さぶるきっかけになることを
知らされた時間でもありました。

この暑い夏、
食欲がない時期ですが、
ちょっとした工夫で食欲もおき、
夏バテ予防になるかもしれません。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:59 

2010年08月25日

言葉

この、狂った夏の暑さの中、
汗をかきつつ、
だるい体と、つらい思いを引きずり、
ここ、センターに
毎回通ってきてくださるクライアントの方々。

冷たくひえた麦茶をお出しするとき、
美味しそうに飲んでくださる姿に、
心から、感謝の気持ちでいっぱいになる。

「よく来てくださいました」

私は、その人たちに、
心地よく響く言葉を、
少しでも多く残し、伝えたいと思う。

この暑さに負けないように、
病気に負けないように、
悩みにやられないように、
と祈りつつ、
言葉の大きな意義を信じている。

言葉は、薬よりも、
時に大きな影響力を持つと
信じている。

たくさんの愛と勇気と目標と、
そして現実にともなった
力のある言葉を捜したいと思う。

私も、この夏と闘っている
ひとりである。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:39 

2010年08月18日

ミステイク

夕食後、カロリーオーバーと分かりつつ、
ワインを飲みながら、
大好きな揚げ餅のおせんべいを
ボリボリと食べていた。
罪悪感を感じつつ、
無視をして食べる夜食の美味しいこと。

ふと、袋のうしろの文字に目が留まり、
何だか、訳が分からなくなった。

「外袋開封後は密閉容器などに入れて……
 ……お早めにお召し上がりください」

「袋を開けた際、もち米を揚げたにおいが……
 ……安心してお召し上がりください」

「揚げ餅の表面に黒い粒が……
 ……安心してお召し上がりください」

親切なのか、過保護なのか…

確かに口に入れるものだから、
神経質になって心配する人もいるはずで、
そのことで、お腹が痛くなったとか、
吐き気があったとか言われたら困るから、
前もって伝えておくことは
分からないでもないけれど、
「開封後は密閉容器などに入れて」
というのは、少しやりすぎと思ってしまった。

こんな表示をしてあるのは日本のお菓子だけで、
外国のお菓子には、
アレルギーの人のための原料表示だけだ。
なのに、この大切な原材料名はとても少なく、
「~~~他」
としか書かれていない。

何か表面的な親切というか、過保護さに、
少し戸惑った瞬間だった。
日本人って、こういうところあるよね、と思った。

それにしても、いちばん戸惑ったのは、
小さなおせんべいの1袋、
350Kcalもあったこと。

私は今日、
大変なミステイクを犯したこととなった。

投稿者 椎名 あつ子 : 20:33 

2010年08月12日

焼なす

暑い夏、最近よく作るのは、
焼なす。

少し前に、新しいガスコンロに替えてから、
焼なすを作るのが楽しい。

この優れものコンロは、
両面焼きの魚焼き用のグリルがついていて、
しかも時間をセットすれば、
勝手に焼なすは出来上がる。
あとは、なすの皮をピロピロとむいて
冷やすだけ。
美味しい一品ができあがる。

それにしてもなすは、
焼くと本当に情けなくなって、
皮をピロっとはがすと、
もっと切ない姿となる。
だけど、冷えたなすに、
生姜醤油をつけて食べると、
なすの優しい甘さが、
じわーっと口いっぱいに広がって、
本当に美味しい。

これからますます年老いて、
ひなびて情けない姿になるに違いない私は、
せめて、味わうと優しい甘さがくる人間に
なりたいなと、
焼なすを食べながら、
年をとる恐怖と、
果てしない希望を味わった。

なすは偉大だと、心から思った。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:18 

2010年08月06日

稲妻

三浦の家を久しぶりに訪れた。

暑すぎる夏の夜を、
時折吹く涼しい海風に
いやされながら、
ベランダから、
遠い海の向こうを見つめる。

海の向こうは大雨らしく、
音もなく花火のように、
稲妻が、
時折空を明るくする。

音のない雷は、
光の線だけが美しく輝き、
なんとも不思議で、
穏やかな夏の演出となっている。

こんな風景は、横浜では見れないし、
横浜から1時間弱の場所とは
思えない空間が、
ここにはある。

焼けるような強いお酒も、
夏の夜には似合うなと思いつつ、
この時間、私は、
ひとりが好きな自分に
どっぷりとひたる。

音のない稲妻は、
遠いところの、
押し殺した怒りのようだ。
それは決して攻撃的ではなく、
悲しく、そして美しい。

夏の夜の空を、
こんなにもゆっくりと
眺めることが、
本当になかったと実感する。

人は、怒りと悲しみを
いつも抱きながら、
そして、隠しながら、
生きているのかもしれないと、
遠くに見える、
夜の地平線を見つめながら、
思った。

生きているとは、
なんて美しく、
そして、なんて孤独で悲しく、
だけど、雄大なことなのか。

それを教えてくれた
三浦の夜の空。

この、美しいきれいな感覚を、
大切にしたいと思った夜だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:35 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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