2011年05月アーカイブ

2011年05月27日

信じる

3.11から、3ヶ月が経とうとしています。

小学校3年生のとき、社会科で、
日本の国の中で、どこが一番、
災害による被害が多いかということを
習った日のことを思い出しました。

確か、そのときは、
台風による土砂崩れや、
浸水の被害の話だったと思うのですが、
私は真剣に、
でも、子供心に無邪気に、

「どうしてそれが分かっているのに、
 みんな、引っ越さないで、
 そこに住んでいるのですか?」

と、先生に聞きました。

そのとき、担任の先生は困った顔をして、
何も応えてはくれませんでした。

あのとき、何となく、
聞いてはいけないことを
聞いてしまったんだなと、
子供心に傷つき、
罪悪感を感じたことを覚えています。

今、この時になって思います。

「その生まれ育った土地や、
 生活している土地から、
 災害のために引越しすることは、
 そんなに簡単ではないんだよ。」

と、教えて欲しかったと。

逃げることもできず、
悲しみから解放されることもなく、
でも、守り続け、その土地の復興を祈り続けながら、
耐えるという努力をしていく意味の深さに、
気付かされることが、
今更、数多くあります。

昨日まで、考えてもみなかったことが突然起き、
その人の人生を、
すべての環境を、
一瞬にして地獄のように
変えてしまうことがあるということ。

数ヶ月前まで元気だった人が、
突然、重い病気になる。
数ヶ月前まで元気に学校に行っていた子が、
突然、学校に行けなくなる。
数ヶ月前まで結婚を決めていた人に、
突然、裏切られる。

当たり前に信じていた、普通の人生の時間が、
あっという間に悲しみへと変わる。

私は、思うのです。
残酷だけど、
これこそが、運命だと。

だけど、その後に、
その人が諦めないで、
そして、人や運命のせいにしないで、
どう前に進むかで、
その運命は変えられると。

感謝の気持ちと、許す気持ちと、
そしてすべてを受け入れる気持ちで、
人は大きく変わるし、
運命さえも、変えられると。
心から信じている。
信じたいと思う。

「信じるものは救われる」

なんて偉大な言葉なのかと、
今、心から痛感している。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:11 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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