2013年03月アーカイブ

2013年03月01日

Lover

昨年の私のお誕生日は、
人生の大きな区切りの時でもあった。

年齢的にも、体力的、精神的なおとろえを
感じずにはいられなくなり、
今まで普通にできていた事に
時間がかかったり、
踏ん張りがきかなくなったりする
時期にもなっていた。

焦りと不安と切なさを追い払うため、
「新たなことへの挑戦」
を、探して出会えたこと。

馬に乗ってみる。

乗馬に挑戦しようと思い、始めて、
8ヶ月が経った。
高貴なスポーツのイメージが強く、
なかなか踏み込めいでいたけれど、
やり方によっては、
そんなに高すぎるスポーツでは
ないことを知った。

初めは、馬が大きすぎて、
触れることさえも恐く、
乗るなんて、もっと恐怖だった。
相手は、当たり前だけれど機械ではなく、
昔、買って、あっという間に乗らなくなった
パナソニックの「ジョーバ」の動きとは
全く違った。

馬は生きている。
馬にも性格があり、感情があり、
その日の体調や気持ちの波がある。
動きたくなかったり、足が痛かったり、
なんとなくつらかったり、
人とその思いは同じで、
その馬に乗るということは、
馬の「心のささやきを聴く」ことだった。

初心者の私の、下手な手綱の動きに、
戸惑ったり、イライラしたりしながらも、
パートナーの私に合わせようとする
奥深い優しさと、
私を受け入れようとする感情に、
ひたすら感動を覚えた。

私は、カウンセリングを、
馬から受け始めていた。

私が調子が悪く、馬が元気なとき、
その日はお互いに壁があり、
良いコミュニケーションは生まれない。
また、馬がつらいとき、
私がやる気満々でも、
それは一方通行のコミュニケーションで、
お互いにパートナー同志が、
お互いを尊重して、
初めて、馬はリラックスして、
私を乗せて走る。
自由に動き出す。

馬から降りて、体を拭き、ブラッシングし、
麦入りのお水をいっぱい飲ませ、
りんごを感謝とご褒美にあげ、
顔をゆっくりとなげるとき、
馬は目を閉じる。
私の顔に、顔を近づけてくる。
そこには信頼があり、
恐怖はどこにもない。
魔法にかかったような、
究極な安らぎが、そこにはある。

私は、大切な信頼できる
パートナーでもあるカウンセラーと
出会えた気がしている。

乗馬は、70歳までできるスポーツと言われていて、
私は、生涯大切な人と出会えた喜びを
ひしひしと感じている。
恐怖や不安を越えて、
感じあうままに走ることの意味、
それは、生き方そのものと、
今は心から感じ、
年をとることも悪くないなと思い始めた
今日この頃である。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:34 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

月別アーカイブ

カレンダー

2013年3月
« 2月   4月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

オススメ