2015年03月アーカイブ

2015年03月21日

「寂しさの力」

朝、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいて
気になることばが入ってきた。

「生きるとは寂しさを肯定すること」

最近、カウンセリングでも50代の女性の方々から
「孤独」ということばをよく聞くようになった。

子供たちがやっと育ち
ほっとしていたら親の介護が始まり
気づいたら自分の体も心も更年期を迎え
なんとなくだるく疲れやすいといった状態の中
心もモヤモヤしていて気分が晴れない日が続く。

虚しさや寂しさという
大きな孤独の波がやってきていたりする。

私たち女性は
結婚を機に環境が大きく変わり
育児に時間をとられ
夫との会話も減っていく中
気づくと子供も成長し思春期をむかえ
あんなに可愛かった子供に反発され始めたりする。

そんな中、少しずつパートなどもして
家計のために努力もするのに
今度はパートの人間関係で悩んだり落ち込んだり。

あっという間にというか、気づいたら
子供は成長し母親から精神的に自立してしまい
母は自分の長い間守ってきた巣がカラになっていることに
気付かされ、そして、愕然とする。

つまり「カラの巣症候群」といわれる状態となる。

これは、女性にしかわからない感覚だと
私もいつも女性のクライアントさんの話を聞きながら
共感したり一緒に嘆いたりしている。

でも、それこそが、人間が持つ最も強い力
「寂しさの力」ということらしい。

寂しいと感じる自分
孤独である自分
誰からも必要とされていなくなったように感じる自分
美しくない自分。

これは大げさでもなく
女性としては絶望に近い感覚なのだと思う。

でも、この寂しさの感情を否定することは避けたいと思う。

肯定はとてもできないけれど
心にポッカリと穴の開いたような感覚を
自分の生き方のせいだとは決して思わないでほしいと思う。

何故なら、必死に一生懸命生きてきたからこそ
今、力が抜けてホッとして
寂しさを感じる時期がきているのだから。

この時期をまず受け入れてみようと思う。

私も50代になり
体力や将来のことや不安になることは多いけれど
でも、やはり女性として生まれてきたのだから
女性としての老いも少しずつ認めて
自分を可愛がってみようと思う。

女性は本当は強いはずだから。

「寂しさの力」は根底にあるはずだと
今日のことばを見て
私自身感じたことだった。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:22 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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