応援
関内駅で、高校生の大集団に遭遇しました。
短く刈った髪、きちんとした制服、揃いの大きなバッグ。
野球部です。
炎天下、横浜スタジアムに向かう列を眺めながら、
今年もこの季節がやってきたなぁ、と。
私は高校時代、応援をする部活動でした。
もちろん、横浜スタジアムにも行きました。
だから今でも、
サイレンやウグイス嬢の声に胸が高鳴り、
ブラスバンドの音楽に体が動き出しそうになります。
あの頃、野球部一人一人を思って考えた振付は、
不思議と体に染みついていて、
踊れば、その時の笑顔までよみがえってきます。
その頃から感じていたのが、応援の持つ、底知れない力。
言ってしまえば、人々がいるか、いないか。
音楽や声が聞こえるか、聞こえないか。
それなのになぜ応援は、あれほど強さを与えるのでしょう。
なぜ応援は、時に奇跡を導くのでしょう。
応援する部活動にも、大会はあります。
そしておもしろいことに、
その大会では競い合うもの同士、全力で応援し合います。
会場中が味方、割れんばかりの声援。
そんな中で思うのは、
「この人たちに笑顔を贈らなきゃ!
自分たちの力はこんなもの? ううん、もっと頑張れる!
だってこんなにたくさんの人が、自分たちを信じてくれてるから!」
不安は消え、自信と勇気があふれてきます。
高校野球では、試合後、選手たちがスタンド前に集合します。
「応援、ありがとうございました!」
返されるのは、
「お疲れさん、よく頑張った。こっちこそありがとう!」
そんな言葉と拍手、笑顔。
応援した側も、素敵な時間を過ごさせてくれた選手に、
感謝の言葉を贈ります。
応援って最高だ。
そんなふうに思わせる瞬間です。
今日も、試合に臨む選手たちのまぶしい背中に、
心の中でエールを送ります。
そして、保護者や先生、OBや同級生にもエール。
選手を輝かせるのは、応援団です。
サイレンが鳴る。
一生忘れない、素敵な夏の一日になりますように。
文:スタッフ T.S.
代表:椎名 あつ子
2015.07.28