夕陽
こんな空を見たのは初めて。
オレンジとピンクとパープルの
混ざり合った光の帯。
この世がついに、終わるのかと
怖くなるほど
美しすぎて
きれいすぎて
時間が止まっていた。
光の帯は
確かに私のこころを
揺れ動かし
喜びと
そして少しだけ
メランコリーにさせた。
その感情は
なぜか
とても懐かしくて
不思議な気分だった。
夏がはじまっている。
光の帯は
夏への
序曲だったのだと。
はじまりは
いつも
怖いほどに美しいもの。
まるで恋のように。
椎名あつ子
2015.08.11