五感
私は普段、五感を使うことを意識しています。
たとえば、
目に映る空の青、葉っぱの緑、道を歩くおばあさんの足取り、
雨のあとにいつもよりくっきりと見える山の輪郭、
ケアセンターの待合に飾られた花が活き活きとしている姿、
鼻に香る花の香り、柔軟剤の香り、猫のトイレの匂い、
肌に当たる風のそよぎ、タオルのふかふか、猫の舌のざらざら、
耳に入ってくる電車の音、強い風の音、換気扇のまわる音、テレビの音、
かえるの鳴き声、カラスのなく声、道を歩く子どもの明るい声、
近所の子どもが練習する縦笛の音、叱る親の声と泣く子どもの声、
今日食べたお弁当の肉団子の濃い味つけ、しょっぱい梅干し、炭酸のしゅわしゅわ感、
レタスのしゃきしゃきとして瑞々しい味わい、風邪をひいていつもとなんだか違う味、
などなど。
けれど、疲れていたり、悩んでいるときには、
ついついこの五感が鈍ってしまって、
自分の頭の中のことが世界のすべてのようになってしまうのです。
悩んでいるととくに、他の人の言葉も入ってこないし、
心配されてもそれを受け取る余裕すらなくなるときもあります。
でも、そういうときこそ、
道端の草花に目をやったり、空を見上げて青空を見たり雲を見たり、
月や星を見たり、目を閉じて普段は聞き流している音を拾って聴いてみたり、
スマホをいじりながらではなくて、食べることに集中して食べたり、
肩が重いなとか呼吸が浅いなとか自分の身体の状態に気を配ったり
さまざまな五感に意識を向けてみると、
世界が広がっていくと同時に閉じていた気持ちも開いていくのがわかります。
そうすると、不思議と落ち着いた気持ちになっているのです。
悩んで悩んで行き詰ったときこそ、
目を外へ向けてみましょう。
今、あなたの耳にはどんな音が聞こえていますか。
文:スタッフ sachi
代表:椎名 あつ子
2016.04.19