感情
よく、「感情がコントロールできないんです」という言葉を耳にします。
けれど、実際には私たちは
勝手に湧きおこる感情をコントロールすることは
実はできないのです。
私たちがコントロールできるのは
感情ではなくて、
感情的になって起こす行動の部分。
なので、きっと正確には「感情的な行動を抑えられないんです」
なのでしょう。
私たちは、
怒りが湧き起こるのを鎮めることはできないけれど、
怒りを物や人にぶつけるのを留まることは、
ちょっとなんとかできそうです。
反対に、とても穏やかな気持ちのときに
「今すぐにとても抑えられないくらいに怒ってください」
と言われても、きっとできないでしょう。
私たちにできるのは、
はらわたが煮えくり返るようにむかついたことを思い出して
怒りが湧き起こってくるのを待つくらいのことです。
感情というのは、私たちの意志とは別に、
勝手に湧いてきて、いつの間にか勝手に静かになっています。
湧き起った感情をどうにか処理しなきゃ、と
じたばたすると、
なぜか感情は強くなったりこじれたりします。
忘れようとすればするほど、
忘れられなくなってしまう体験、
ありませんか？
だから、
私たちにできるのは、
湧き起った感情をこじれさせず、
悲しいとき、悲しみが癒えるのを、
むかついたとき、怒りが静まるのを、
ただ待つこと。
待つことができると、ずいぶんと楽になります。
私は、悲しい時、
本を読んでみたり、映画を観てみたり、ピアノを弾いてみます。
そうすると、ふと気づいたときには
少し悲しみが落ち着いていたりします。
なくなりはしないけれど、気にならない程度には
弱くなっていたりします。
むかついたときには、とりあえず愚痴を言ってみたり、
ここぞとばかりに掃除をします。
怒りをエネルギーに変えて、ごしごしとあちこちをこすっているうちに、
掃除が終わるころには、気持ちも部屋もすっきりしているのです。
何もせずに“待つ”のは大変なので、
そうやって“待つ”ためのアイテムがたくさんあると、便利なんです。
あなたは、“待つ”ためのどんなアイテムがありますか？
文：スタッフsachi
代表：椎名 あつ子
2016.05.17