こだわりと苦手
お互いに悪い人ではないのに、
どうにも相性が悪い組み合わせというのがあります。
理由は様々ですが、
片方がこだわるところと、
もう片方が苦手とするところが同じ
なんていうケースもあると思います。
例えば、
あるカップルは、片方が、
何事も完璧に計画を立てるというこだわりを持っているのに対し、
もう片方は、
見通しを立てるのが人一倍苦手だったり、
ある職場の同僚は、片方が、
仕事はいつも同じ手順でこなすというこだわりを持っているのに対し、
もう片方は、
決められた手順に沿って仕事をするのが苦手だったり。
このような場合、
こだわりを持っている方が我慢すればいいとか、
苦手を持っている方が努力すればいいとか、
そんな簡単な問題ではないように思えるのです。
しっかりと計画を立てる力はもちろん重要ですが、
臨機応変に対応し、なんとか帳尻を合わせるような力も必要です。
いつも同じ手順で、効率よく仕事ができることもあれば、
思いつくままに手をつけているうちに、
思わぬひらめきが生まれることもあるでしょう。
その個人だけを見れば、どちらもたいした問題ではないし、
それぞれに良いところがある。
それなのに、互いに比較してしまうと、
こだわりが強すぎるように感じたり、
苦手が大きな欠如であるように感じたりしてしまいがちです。
相性が悪い相手と一緒にやっていくのは、
どうしたって、お互いがお互いのストレスになります。
かといって、それだけでその人との関係を切ってしまえるほど、
人間関係は単純ではありません。
少しでも二人が歩み寄るためにできること。
その一つが、相手の苦手を許すことではないでしょうか。
こだわりのある方が、それが苦手な方を許すのはもちろん、
こだわりも、実は苦手の裏返し。
苦手な方が得意なことは、こだわりのある方の苦手だったりします。
だから苦手な方も、
こだわりのある方が、そこにこだわるに至った苦手を許す。
そう心がけることで、
摩擦が起きた瞬間はイラッとしても、
一呼吸置いた後、まぁ、しょうがないかと思えたら、
一緒にやっていくことが、少しは楽になるかもしれません。
簡単ではないけれど、歩み寄るために少しの努力。
私も心がけていこうと思います。
文：スタッフ T.S.
代表：椎名あつ子
2016.09.20