光と闇
このところ、
人間の闇の部分について考えることが増えました。
私たちは、ついつい、
明るく優しく元気で
誰とでも仲良くできて
楽しく幸せな人生を歩むことが
良いことのように思ってしまいがちかと思いますが、
本当は、
人間はそんな光の面だけではありません。
心の中には
怒りや憎しみや嫌悪感や嫉妬心、攻撃性、
人よりも優位に立ちたいという思い、
誰かを可哀想と思って自分は幸せだと安心する気持ち、
自分だけが良ければいいという自己中心的な考え、
そんな闇の部分もあります。
それはとても自然なことで、
闇の部分が全くないという方が
かえって不自然で不健康なことと思います。
大事なのは、
誰の心の中にも
そういった闇の部分はあると認めること、
自分の中にも闇があることを否定しないこと、
その気持ちを否定しないこと、
その気持ちを封印して腐らせてしまわないこと、
闇だけでなくて、光の部分もあることを忘れないこと、
そして闇の部分を育ててしまわないこと。
たとえば、友達が結婚すると聞いて、
純粋におめでとうという気持ちと
私より先に結婚が決まって妬ましい気持ち、
置いていかれるようで寂しい気持ち、
うまくいかなければいいのにと願ってしまう気持ち、
すべてが同時にあっても
なんの不思議もありません。
人間の心はとても複雑で、
簡単に分類できたり100％純粋に一つの感情だけということも
なかなかないでしょう。
「おめでとう！お幸せにね！」
複雑に絡み合った気持ちがあることを認めて、
でもネガティブな感情は上手に伝えないと
相手にはうまく伝わらないので
ポジティブなところだけ伝える、
そんな方法もありますし、
「おめでとう！私も嬉しい！だけどちょっとさみしいな。
私も幸せになりたいなぁ！」
ネガティブなところもできるだけ軽く伝える
そんな方法もあります。
どちらも、自分の気持ちを偽っているわけではなく、
部分的に伝えたり、重さを工夫して伝える方法です。
本当に「おめでとう」と言えないくらいのときも
あるかもしれません。
そんなときはあまり多くを語らず、
「おめでとう」と言うだけにしておいて、
時間がたってから、
「実はあのときちょっと複雑な気持ちがあって、
素直におめでとうと言えなかったの。
ごめんね。でも今なら心から言えるよ。
おめでとう！」
と伝えることもできるかもしれません。
闇の部分は、あることを認めて、
あまりそこにエネルギーを注がないようにしておいて
そのうちに消えていくのを待ってみて、
相手にはぶつけない
というのがうまくやっていくコツのような気がします。
けれど、闇の部分をどうしても抱えていられないときは、
親しい友人やカウンセラーなど
誰かに話してすっきりするのも一つの手です。
言ってはいけないと思っていると、
より闇が濃くなってしまうから。
闇が濃くなってどうにもならなくなりそうなときは
ぜひ誰かに話してくださいね。
文：スタッフsachi
代表：椎名 あつ子
2016.11.01