他人に悩みを話すなんて・・・という方へ
私は今、心理の勉強の一環として、
対人関係における、個人の特徴を調べる面接をしています。
その面接では、
『周りの人とどのような関係を築いているか』や、
『人との関係を作ることに対して、どのように考えているか』
などについてきいていくのですが、
中には、
大きなケンカや、傷つけられた体験など、
あまり他人には話したくないような内容について
お尋ねする質問もあります。
そんな面接、誰も正直に話すわけない!と思われますか?
実は私も初めの頃、
ちゃんと答えてもらえるかなと内心ドキドキしていました。
ところが、面接を始めてみると、
皆さん、これまで誰にも話したことがないようなことを、
初対面の私にどんどん話してくれるんです。
もちろんそれは、
私の人柄が良いからとか、聴き上手だからとか、
そういう理由ではありません。
皆さんが一様におっしゃるのは、
『もう二度と会わない人だから』ということです。
身近な人に相談したくても、
その後のその人との関係に影響するんじゃないかと心配で、
なかなか切り出せないなんて経験はないでしょうか。
あるいは、
相手を信用していないわけではないけれど、
心配をかけたくないために、言えずにいることはないでしょうか。
知らない人だからこそ、その場限りの人だからこそ
話せるということもあると思います。
また、これは心理の世界に限ったことではないですが、
仕事上、他人の秘密を預かる領域には、
『守秘義務』というものがあります。
勉強中の私が行う面接も例外ではなく、
そこでお聴きしたお話を、許可なく他の誰かに話すことはありません。
だからきっと、お話ししてくれる人たちは、
童話『王様の耳はロバの耳』のような感覚で、
穴、つまり私に向かって話しているのだと思います。
面接が終わって、帰り際に、
『なんか、いろいろ話せて、すっきりしました。
ありがとうございます。』
なんて言われることがあります。
面接に協力して頂いたのはこちらであって、
特段優しい言葉をかけたわけでも、共感したわけでもないので、
そういう時はなんだか居心地が悪くなってしまうのですが、
協力してくださった方も、何かしらいい体験ができたのなら、
それは本当に良かったなと思うのです。
カウンセリングを受けることに対して、
『カウンセラーとかいっても、所詮は他人。
他人に悩みをベラベラ話すなんて…。』と思っている方。
そういうわけで、実はカウンセリングは、
ガードが堅い人にこそおすすめだったりします。
もちろん、ただきいているだけの私と違い、
椎名先生は『穴』ではありません。
きちんと共感し、適切な言葉をかけてくれます。
自分の中の考えや気持ちのやり場に困った時、
ぜひ、カウンセリングもご検討ください。
文:スタッフ T.S.
代表:椎名あつ子
2016.11.08