あるご夫婦の姿
当センターには
ご夫婦でカウンセリングにいらっしゃる方が
多くおられます。
おそらく、ご夫婦の問題というのは
身近な人にはなかなか相談しにくいですし、
誰かに間に入ってもらいたいほどの問題は
すでに難しい状態になってしまっているのでしょう。
カウンセリングルームは数多くありますが、
両者を同時にカウンセリングするところは
あまり多くありません。
そのあたりが、
当センターにご夫婦が多い理由なのかなと思います。
ご夫婦の問題というのは
とてもデリケートでナイーブです。
ご夫婦のどちらにも
想いがあり傷つきがあり悲しみがあります。
大切なのは、
どちらが悪いだとか
どちらが直すだとか
そういったことではなく、
お互いが2人のために何ができるのか
なのではないでしょうか。
こじれてしまった夫婦関係は
修復するにも時間がかかります。
その間に
どちらかが、あるいは両者が、
疲れ果ててしまうこともあります。
2人のために
どれだけの時間やエネルギーを割けるのか
それも修復へのポイントのように思います。
先日、カウンセリングに来始めた頃とは
全く雰囲気が変わったご夫婦を見ました。
私は受付なので、
カウンセリングでどのようなことが話され
どのようにそうなったのかは
わかりませんが、
いらっしゃった時やお帰りの時の
雰囲気で変化を感じることが多くあります。
最初はおひとりでカウンセリングにいらっしゃって
とても辛そうな表情で元気もなかった方が、
何度もカウンセリングに通い、
時にはせっぱ詰まったのか
当日カウンセリングを予約されていらっしゃったことも
何度かありました。
やがてパートナーとともにカウンセリングを受けるようになり、
とうとう2人が柔らかくあたたかな雰囲気で
笑顔で帰っていかれる姿になりました。
そういったお姿を見せていただくことは、
とても嬉しい瞬間です。
私の心もあたたかくなり、涙が出そうになります。
けれど、こうなるまでに、
お2人はどれほど悩み、傷つき、迷い、
疑い、責め、怒り、許し、反省し、感謝し、謝罪し、
折れそうな気持ちを立て直し、
相手のことを思いやったのでしょう。
私がその方々の立場であったら、
はたして、そうできるのだろうか・・・。
嬉しさとともに、クライアントさん方への尊敬の念も
湧き上がってきます。
どうか、一つでも多くのご夫婦が、
笑顔になれますように。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子
2016.12.01