絶対評価と相対評価
みなさんは
「絶対評価」と「相対評価」という言葉を
聞いたことがありますか?
どちらも学校での成績の付け方で
聞いたことがあるかもしれませんね。
長らく教育の世界では
「相対評価」によって成績をつけていたのですが、
ゆとり教育と言われるあたりから
「絶対評価」による評価に変りました。
でも、この二つの評価の仕方は
教育の世界に限った考え方ではありません。
人や物事を見る時にも
この2つの見方があると思います。
「絶対評価」とは
他の人のことを考慮に入れずに
その人や物事そのものを評価する
評価の仕方です。
「相対評価」とは
他の人の評価も考慮し、ある集団の中で
どのくらいの評価に値するかという
評価の仕方です。
カウンセリングの仕事をしていると、
他の人と自分を比べて
「相対評価」をしているために
苦しんでいる人がとても多いと感じます。
自分は他の人よりもできないと思ったり、
他の人よりできなきゃいけないと思ったり、
他の人が結婚しているから
自分も早く結婚しなきゃと思ったり、
特定の誰かに限らずに
「世間」という実態のない「誰か」と
比べていることも多い気がします。
たしかに、他者と比べてしまうことは
ごくごく自然なことで
当たり前のように多くの人が
しているように思います。
そして、
当たり前のように考えてしまっているからこそ、
その考え方から抜け出すのは
とても難しいことでもあります。
「人と比べずに生きる」というのは
言うのは簡単ですが、
実践できるようになるには
とても時間がかかります。
けれど、まず少し意識を変えてみることは
大事な一歩になると思います。
もしできたら、
「絶対評価」の考え方も取り入れてみると
いいのではないでしょうか。
例えば、算数がとても苦手で
いつもは50点をとるのが精いっぱいな子が
ある日テストで68点をとってきたとします。
平均点は75点でした。
平均点よりも下回ったから
良い成績とは言えない、と見るのは
「相対評価」ですね。
けれど、とても苦手な教科で
いつもよりも高い点数をとれたことを
それだけ努力したことを
評価し褒めるのは「絶対評価」です。
とてもかわいい友人といると
自分はかわいくなくて自信がもてないけれど、
あまりぱっとしない友人といると
自分でもかわいいかもしれないと自信をもてる・・・
そんなこともあるかもしれませんね。
これも「相対評価」です。
特別美人でもないし
アイドルのようにかわいいわけではないけれど、
これが私で
そんな私のことも私なりに好きだな、と思えるのが
「絶対評価」になります。
世間では、意識せずとも
「相対評価」で評価されていることが多いので
知らず知らずのうちに相対評価の見方が
クセになっている部分もあるかもしれません。
これを読んでいてちょっとドキっとした方、
思い当たる方は、
ぜひちょっとでも
「絶対評価」を取り入れてみてください。
ついつい考えていることが「相対評価」になっていたら、
「絶対評価」ならどう考えるのかな?と考えてみても
いいのではないでしょうか。
そうすると、人と比べるだけではない考え方が
少しずつ身について、
ちょっと気持ちが楽になると
思います。
文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子
2018.07.24