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心の体力

このところ
不登校の子どもと接していて思ったのですが、
不登校の子どもはよく
「学校に行こうと思えば行ける」
と言うのです。
そして、小学生は「中学生になったら」
中学生は「高校生になったら」
「学校に行く」と。
しかし、不登校の時間が長ければ長いほど、
本人が行こうと思っても行けないことがあります。
それは、人それぞれいろいろな理由がありますが、
体力が落ちていることも、
1つの要因になっていることがあります。

本来であれば
成長期で運動量が豊富な時期で、
同じ年代の子どもは
毎日朝から学校へ行き
椅子に座って姿勢を保って授業を受け
たくさんの情報を得たり勉強したり
友人と話したりふざけたりして、
放課後に部活に行き
帰ってからも習い事や塾に行ったりします。
不登校になると、多くの場合は、
一日の大半を家の中で過ごすことになります。
話すのは家族かネットの仲間など
限られてくることが多いです。
家の中どころか、ベッドの中で過ごす時間が
長い人も多いかもしれませんし、
家族とも話さない人もいるかもしれません。
外に出かける時にも
周囲の目が気になったり
同じ学校の人に会うことを恐れて、
自分で歩くのではなく
親御さんに車で送迎してもらったりすると
なおさら運動量が減ります。
学校に毎日行っている場合と
不登校になった場合の、
運動量や使うエネルギーの差はすごいものです。
椅子に座っているだけでも、
体幹の筋肉を使うので
知らず知らずのうちに筋肉がついています。
家にいると、椅子に座るよりも
ゴロゴロしていることが増えますよね。
そうなると、いくら若いとはいえ、
筋肉も衰え、体力も落ち、免疫力も落ちます。
そのため、
ちょっと出かけただけでも疲れやすくなり、
風邪をひきやすくなったりします。
最初のきっかけは心の問題だったとしても、
今度は体がついていけなくなるのです。

もちろん、だから学校に行けと
言いたいわけではありません。
これは不登校でなくても
同じことが言えます。

私は以前、大学生の頃に麻疹にかかり
2週間ほど寝込んだのですが、
2週間も寝ていれば
身体は衰えます。
足の筋肉が落ちて細くなり、
横になっていたために
体幹の筋肉も衰えてしまい
立っているのもふらふらします。
いつもならなんてことのない
ちょっとした距離を歩くだけでも、
めまいがしますし
そうとう体力を消耗します。
でも、それは、
毎日動くようになれば、
自然と体力や筋力が戻ってくるのです。

つまり、
不登校だけでなく、身体疾患やケガや精神疾患で
しばらくお休みしていると
体力・筋力が落ちるので
最初は、元のようには動けないということです。
なので、学校に復帰する場合や
休職から職場復帰する場合には、
まず必要な筋力や体力をつけていくことも
大切なのです。

そしてもう一つ大切なのは、
体力が落ちていると
人は気持ちも弱るということです。
風邪の時など、心細くなったりしませんか?
簡単に言えば、それと同じことです。
なので、気持ちを強く持つためにも、
筋力や体力をつけることは
大切です。

また、スタミナや体力をつける時には、
「今の状態よりも“ちょっとだけ”無理をすること」
が必要になります。
無理のない範囲でやっていても
なかなか体力はつきません。
けれど、とうてい無理なところまで
無理をしてしまっては
身体を壊してしまいます。
なので、「ちょっとだけがんばる」のです。
そのためには、今できる(大丈夫な)範囲を
知らなければ、
「ちょっとだけがんばる」ことはできませんよね。

不登校や休職からの復帰、
病やケガからの回復時期は、
「リハビリ」と思って
心や環境を整えるだけでなく
体力づくりもしてみてください。
それは自然と心の体力をつけることにも
なると思いますよ。
ご家族の方は、
そういった視点を持って
見守ったり
手伝ってあげてください。

自分ではどうリハビリしていけばよいのか
わからない方も多いと思います。
そんな時はどうぞ
ご相談くださいね。

文:スタッフsachi
代表:椎名 あつ子

2019.01.22

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