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「女性のためのこころの相談室」 第47号
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「女性のためのこころの相談室」 第47号
.。・・ °・ . ★ 横浜心理ケアセンター
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2004.4.20
―― こころのアンチェイジング ~ 錆びないこころをGETしませんか? ――
こころの病気(1)-3
~どうしてうつ病になるの?うつ病の原因とその時の脳内の変化~
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こんにちは、スタッフ桜井です。
先日、私をかわいがってくれた祖父の法事に行ってきました。
いつも、天気が悪いことが多いのですが、今回はとてもいい天気でした。
満開の桜の下で、ずっと見上げていました。
桜に誘われるように、たくさんの植物も元気に芽を出しました。
我が家には、缶のなかで育てられるシリーズがあるのですが。
御紹介します、チョビ芝くん、まるサボちゃん、クローバー、ロベリアです。
一番日当たりのいいところに用意したのですが。
しばらくは沈黙を守り・・・。
そのうち、しみじみ覗き込むことをしなくなっていたある日。
何かの視線(桜井、いろんなものの視線を拾っちゃいやすいんですよねぇ)
に気がつくと・・・
「どうだ!」とばかりに、チョビ芝ちゃんがすっくと生えていました。
缶の中に、乾燥された土がはいってて。
種とかの一式がつまってる。
それをあけて、土をお湯で温めて、ほぐして、種をまいて。
お水を上げていただけ。
植物・・・自然の力ってすごいですね。
さて、数回に分けて、
実際のこころの病気について、お話させていただいています。
そして、まず最初にうつ病を取り上げさえていただいて
お話を始めさせていただきました。
今回は、うつ病の原因と、
その時の、脳の中ではどんなことが起きているかについて、
お話をさせていただきたいと思います。
うつ病の原因といいましても、
「こうすると原因になります」ってひとまとめにして、
御説明することができないものなのです。
・・・なぜかって?
それは、皆さんが一人一人違うように、
その皆さんのこころろも、みんな違うからです。
現在、うつ病は、
複数の原因が複雑に絡まって引き起こされると考えられています。
うつ病の原因は、1つではありません。
そして、うつ病のタイプによって、
それぞれの原因が組み合わされたり、
比重が変わってきたりすると、考えられています。
うつ病の原因の代表的なものは、以下のとおりに分類されています。
(1)性格:
以前から「うつ病になりやすい」性格があるということは、
各分野で指摘されてきました。
循環性格、執着性格、メランコリー親和性格、
抑うつ性性格障害などがあげられます。
(2)遺伝:
あくまで推測ですが、うつ病の多い家系が存在するということから、
原因の一つとて遺伝が関係するのではないかという説もあります。
確かに、双極性うつ病(いわゆる躁鬱病)では、
比較的遺伝の影響が大きいと言われていますが、
高血圧や、糖尿病などの病気にかかるのと同じくらいの発生頻度
というのが、実情です。
(3)生活のトラブル:
会社・学校・家庭でのトラブル、転勤、過労、対人関係のトラブル、
近親者の死といったものが、原因として考えられています。
(4)脳内の代謝異常:
私たちのこころの動きは、実は、脳の中でコントロールされています。
その立役者が、脳の中で代謝されるセロトニンや、ノルアドレナリン、
ドーパミンなどの神経伝達物質と呼ばれているものです。
生活上のストレスなどによって、
これらの、神経伝達物質が正常に働かなくなり、
うつ病が起こるという可能性が、
最近の研究で明らかになってきたのです。
これら、すべてが同時に起きないと、うつ病にならないともいえないし、
単独では起きないと言われていますが、
限度をこえると、1つの原因でもきっかけになってしまうと思われます。
さて・・・うつ病ってどんな病気?って理解するために、
皆さんのこころをコントロールしている脳の中で、
何が起こっているのか、、、知りたくありませんか?
私たちの脳の中は、複雑なネットワークを使って情報の伝達を行っています。
これらの、情報伝達は神経細胞から次の神経細胞へ、
バケツリレーのように伝わっていきます。
この場合のバケツの役割を果たすのが、神経伝達物質と呼ばれるものです。
ある神経細胞から出た、バケツ・・・じゃなかった、
神経伝達物質は、つぎの神経細胞にある、
神経伝達物質の受容体と呼ばれるところに届いて、
そこで情報のリレーをします。
神経伝達物質と受容体とは、バケツの中に入った水が神経伝達物質で、
それを受け止める漏斗のようなものが、受容体のような関係になります。
つぎの神経細胞にある受容体という漏斗に向かって
ばしゃぁ!っとバケツの中の神経伝達物質をかけるようなものなのですが、
漏斗(受容体)には数がありますので、
次の神経細胞の受容体に取り込まれなかった神経伝達物質は、
水が跳ね返るように、元の神経伝達物質細胞に、
再度取り込まれていきます。
さて、神経伝達物質には、いくつかの種類がありますが、
うつ病では、その中でもノルアドレナリンとセロトニンという神経伝達物質が
少なくなっているといわれています。
その2つの神経伝達物質の不足によって、
うつ状態が引き起こされると考えられています。
最近、医療の分野では、この現象に着目し、
ノルアドレナリンとセロトニンの2つの神経伝達物質の代謝を
コントロールする作用がある、薬を開発しました。
SSRI、SNRIと呼ばれる薬で、
比較的、副作用も少ないといわれているお薬です。
SSRIは主にセロトニンの働きを高め、
SNRIはセロトニン、ノルアドレナリンの両方に作用し、
働きを強めてうつ状態の、緩和・治療を行っていきます。
今回は、「こころの病気(1)-3
~どうしてうつ病になるの?うつ病の原因とその時の脳内の変化~」
ということで、お話させていただきました。
次回は、「こころの病気(1)-4
~もしかして、うつ病?心当たりはありませんか?症状の特徴~」
という切り口でお話をさせていただきたいと思います。
今回もお付き合い、ありがとうございました。
ではまた、次にお会いできますように♪ See you again!
文 : スタッフ 桜井 ともこ
-- 代表カウンセラー 椎名あつ子 --
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・ 編集/発行 :椎名 あつ子(しいな あつこ)
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