2026年08月22日

新たな自立

先日、娘達家族と旅行に出かけてきました。

母親になった娘達との時間は沢山の事に気づかされた時間でもありました。

それぞれの夫婦の価値観の違い
子供に対する関わり方の違い
夫婦の在り方の違い
生き方の違い
将来に対する考え方の違い

長い間、二人の娘に対して
なるべく平等に、
それぞれの性格や個性に合わせながらも
同じように育ててきたつもりでいましたが
それが全く違う二つの家庭として存在していました。

それぞれの娘が就職をして、結婚をして、妻になり、母になって
あれから10年以上が経ち
その中で、私から完全に巣立って新しい家族の中で生きて行っています。

その個々の家庭の在り方が
私の想像を超えてあまりにも違うことに少し戸惑ったりもしました。

子育て一つにしてもそうですし
お金の使い方や、楽しみ方、
生活の仕方、全てが大きく違いました。

そして、私の関わり方も大きく変わりました。
子供達夫婦として、まとめて一緒に見ることはなくなり
それぞれ別のスタイルの形として
尊重することが増えて
「普通」はという感覚さえも減っていきました。

それが少し寂しく感じたり、困惑したりしながらも
いわない方が良いことや、
だまっていることが当たり前になりながら
それぞれの家庭に対して
言葉を選び、気をつけることが大切であると気づくようになりました。

今までの様に、親としての意見や考えを伝えることを辞めて
あくまでも今の「私」として
話すことが多くなりました。

これが本来の「自立」なのだと考えるようになりました。

いい関係を維持するということは
一度引いて相手の考えや生き方をまず聴いて
今までのような支え方を卒業して
必要とされたときだけに応えて
後はひたすら見守ることが
新しい親子の関係なのだとおもいました。

私はいつまでも子供の娘達を守りたいと思ってきましたが、
それは私の自己満足であり
娘達はもう私の支えよりも、
彼女達は彼女達の「夫婦の支え合い方」を何よりも大事にしているのだと
心から感じました。

私は、これからの私の生き方をもっと大切にして
自立した強さを築いていく必要があるようです。

そんな事を強く感じた時間でもありました。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:41 

2026年07月21日

ワールドカップが終わって

ワールドカップの39日間が幕を下ろしました。

この期間は、本当に不思議と心が躍りました。

テレビの前で応援しながら、選手たちの真剣な表情や、試合後の涙に心を動かされました。

ワールドカップは単なるスポーツの大会ではありませんでした。

そこには、それぞれの選手の人生がありました。

幼い頃からボールを追いかけてきた日々。
思うような結果が出なかった時期。
けがや挫折を乗り越えてきた時間。

たった90分の試合の中に、何年もの努力や思いが詰まっています。

だからこそ、私たちは感動するのでしょう。

私は年齢を重ねるにつれて、
勝ち負けだけではなく、その背景にある物語に目が向くようになりました。

華やかなゴールの瞬間も素晴らしいけれど、ベンチで仲間を支える選手や、試合に出られなくてもチームのために力を尽くす人の姿にも心を打たれました。

人生も同じかもしれません。

表に見える結果だけがすべてではなく、その人が歩んできた道のりにこそ価値があるのだと思います。

世界中の人々が一つのボールを追いかける選手たちに声援を送る。
言葉や文化の違いを超えて、同じ瞬間に歓声を上げたり、ため息をついたりする。
その光景を見るたびに、人と人をつなぐ力の大きさを感じました。

日々のニュースを見ると、争いや分断の話題も少なくありません。
だからこそ、スポーツが与えてくれる希望や一体感は貴重なものだったと思います。

今回のワールドカップでも、たくさんのドラマが生まれました。

勝者の笑顔も、敗者の涙も、そのすべてが人間らしくて美しい。

そんなことを思いながら、
終わった後も今も、日本代表にエールを送りたいと思います。
ありがとうございました。

そして、世界中の選手たちへ
たくさんの感動をありがとう。
たくさんの勇気と覚悟と信念を学ばせていただきました。

あの感動を忘れないでいたいと思います。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:07 

2026年07月13日

マイケルジャクソンを想って

先日、映画『マイケル』を観てきました。

ラストステージを目前に控えながら、この世を去ったマイケル・ジャクソン。

その死は、鎮静作用のある薬剤などの過剰投与による急性中毒とされています。

世界中から愛され、成功も名声も手にした彼が、なぜそこまで薬を必要としなければならなかったのでしょう。
映画を観終えたあと、私の心に残ったのは、そんな問いでした。

寝れない不安
誰にも見せられない孤独
完璧も求められる日々

もしかしたら、彼に本当に必要だったのは薬ではなく、安心して眠れる場所や、「大丈夫だよ」と抱きしめてくれる誰かのぬくもりだったのではないか……。
そんなことを思わずにはいられませんでした。

世界中の人々を魅了し、「キング・オブ・ポップ」と呼ばれたマイケル・ジャクソン。
私は彼の華やかなステージの姿よりも、一人の少年として生きた時間が、とても心に残りました。

幼い頃から厳しい父親のもとで育ち、普通の子どものように遊び、甘え、失敗しながら成長する時間はほとんどありませんでした。

「もっと頑張れ。」

そんな環境の中で生きてきた子どもの心は、どれほど寂しかったのでしょう。

カウンセリングをしていると、幼少期の体験が大人になってからの生きづらさにつながっている方と、たくさん出会います。
子どもの頃に十分に愛されたと感じられなかった人。
親の期待に答え続けなくてはならずに
いつも「いい子」でなくてはならなかった人。

大人になれば忘れられると思っていても、心はちゃんと覚えています。

映画の中のマイケルも、世界中から拍手を受ける一方で、心のどこかに消えない孤独を抱えていたように感じました。

どれだけ成功しても、お金があっても、名声を手にしても、人の心が本当に求めているものは、
「ありのままの自分を愛してもらえる安心感」なのかもしれません。

そして、私がもう一つ印象に残ったのは、父親との複雑な関係がありながらも、家族を大切に思い続けていたことです。

傷ついた経験があるから、人を愛せなくなるとは限りません。

むしろ、傷ついた人ほど、「自分と同じ思いをさせたくない」と願い、精いっぱい人を愛そうとします。

でも、その優しさゆえに、自分の心を置き去りにしてしまうこともあります。
私はいつも思います。

カウンセリングとは、「過去を変えること」ではなく、
「過去に傷ついた自分を、今の自分が迎えに行く時間」なのだと。

「あの時、本当は寂しかったね。」
「よく頑張ってきたね。」

そんな言葉を、自分自身にかけられたとき、人の心は少しずつ癒えていきます。

映画『マイケル』は、一人のスターの成功物語ではありませんでした。

それは、一人の少年が愛を求め続け、
自分らしく生きようともがいた人生の物語だったように思います。

映画を観終わった帰り道、私はふと考えました。

私たちは誰もが、大人になっても心の中に小さな子どもを抱えて生きています。

だからこそ、自分にも、大切な人にも、少しだけ優しくなれたらいい。

そんなことを静かに教えてくれる、とても心に残る作品でした。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:40 

2026年07月02日

七月の風に心をゆだねて

七月になりました。

梅雨の終わりが近づき、夏の気配を感じる季節になりました。

一年の半分が過ぎたことに驚きながら、
「今年、自分は何ができただろう」「まだ何もできていない」と振り返えっている私がいます。

でも、人の心は目に見える成果だけで育つものではないと言い聞かせています。

皆様はいかがですか。

悲しみを抱えながらも朝起きたこと。

大切な人を思って一歩踏み出したこと。

誰かの言葉に耳を傾けたこと。

涙を流しながらも今日を生きたこと。

それらもすべて、心の大切な歩みだと思います。

カウンセリングをしていると、
「変わりたい」という思いと、
「このままではいけない」という焦りの間で苦しんでいる方に多く出会います。

けれど、心は急かされると閉じてしまいます。

花が季節を待って咲くように、
人の心にも、その人だけのタイミングがあります。

だからこそ、自分を責めるよりも、

「ここまでよく頑張ってきたね」と、自分自身に優しく声をかけてあげたいと思います。

七月は、本格的な夏の始まりです。
暑い日差しの中でも、木陰には涼しい風が吹きます。

心も同じです。

どんなに暑く苦しい毎日でも、少し立ち止まれば、ほっとできる風が吹く場所があります。

その風を感じるために、
好きな音楽を聴くこと。
空を見上げること。
季節の花に目を向けること。
大切な人と笑い合うこと。
そんな小さな時間を大切にしていただけたらと思います。

この七月が、皆さまにとって、
無理に頑張る夏ではなく、
自分を大切にしながら、一歩ずつ歩んでいける夏になりますように。
心に涼しい風が吹く毎日でありますよう、お祈りしています。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:33 

2026年05月12日

旅が終わって

海外研修から戻って参りました。

今回は久しぶりに長い間のお休みをいただいてきました。

ヨーロッパでの時間は、
日々の生活の中で当たり前になっている感覚や考えを取り除いて、
新たな目線で人や環境や、おかれた状況などを考えるために必要な時間であった気がします。

常識にとらわれた日常の中で
「普通であること」がどれだけ自分を苦しめて生きているかということ
そして、それを自分に対してだけでなく、相手に対しても「普通であること」を
強制しているかということが違う世界にいるとよく分かります。

そんな旅の中での思い出の一つとして
改修後、初めてのパリ・オペラ座ガルニエ宮を訪れました。

まず感じるのは「時間が戻ったようで、同時に今に引き戻される」という不思議な感覚です。

外観は変わらず壮麗で、一歩中へ入ると、空気の透明度が違う。磨き上げられた大理石の階段、金箔の輝き、天井画の色彩——すべてが「本来こうであったはずの姿」に近づいた印象で
特にマルク・シャガールの天井画は、
ただ、単に「綺麗になった」というだけではなく、修復によって見えてくるのは
“歴史の層”でした。

観終わったあとに残るのは、豪華さへの感動だけではなく、
「人が長い時間をかけて守ってきたものに触れた」という静かな余韻です。
記憶の器に入ったような感覚になりました。

きらびやかさに目を奪われながら、ふと気づく。
ここにあるのは、豪華さではなく、守られてきた時間そのものなのだと。

私たちが本来守るべき事が何であるのか。
そして、変わっていく時代の中で
変わってはいけない事との意味とは何であるのか、
「答え」はまだまだ私自身、出せないままではありますが
人生の歴史はまだこれからであるということだけは
今確かに感じています。

40年前に始めて訪れた同じ場所に今再び訪れてみて
長い間、工事中で入ることができずにいましたが
新しいオペラ座の風景は
あの頃の私がみた世界とは又大きく異なりました。

それは、私が変わったからでもありました。

私も年を重ねて
あの若かった頃とは違いますが、
見る視点が大きく変わったことも事実でした。

「うつくしさ」を美しいと心から感じるその感覚が
とても静かでありました。
穏やかに、ゆっくりと見つめて生きたいと思ったのでした。
今日から仕事が再び始まります。
よろしくお願い致します。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:25 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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