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「女性のためのこころの相談室」 第67号
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* ------------------------------------------------------------------------- ★.・・°°°° 「女性のためのこころの相談室」 第67号 ．。・・ °・ . ★ 横浜心理ケアセンター ------------------------------------------------------------------------- 2004.6.29 ～～～ アダルト チルドレン ～～～ ・ ° . ° ． ・・ ° . ° ． ・・ ° . ° ． ・・ ° . ・ ° . ° ． ・ みなさんはアダルトチルドレン（AC）という言葉をご存知でしょうか。 最近では本屋さんにもAC関連のものが多くでていますので、 言葉だけでも聞いたことがあるかもしれません。 もともとこの言葉はアメリカのアルコール依存症治療の現場で 「アルコールの問題を抱えた親のもとで育てられた成人した子供」に 共通してみられる心の問題が注目され使われはじめた言葉です。 その後アルコール問題以外にも様々な問題を抱える家庭で 育てられた成人した子供たちにも同じような心の問題が 共通して見られるという認識が広まり、 今ではACとは子供の頃の親（あるいは養育者）との関係が原因で、 人間関係や生きづらさの問題を抱えている人のことをさします。 ACを生み出す原因である家庭を「機能不全家族」といいます。 その主な特徴をあげてみます。 ・身体的なアビューズ（虐待）があった ・性的アビューズがあった ・家庭の不和があった ・怒りの爆発があった ・愛のない冷たい家庭だった ・人格を否定するような言葉や怒鳴り声が飛び交っていた ・威しがあった ・他人や兄弟姉妹といつも比べられていた ・親の思い通りになるようにコントロールされた ・親の期待が多すぎる家庭 ・他人の目を気にする、常識ばかりにとらわれている家庭 ・容姿に対してからかわれたり、馬鹿にされたりした ・親と子供の関係が逆転していた ・子供を過度に甘やかした ・自分の存在を否定された そしてAC自身の主な特徴は ・物事を最初から最後までやり遂げることが困難である ・本当のことを言ったほうが楽なときでも嘘をつく ・自分に批判を下す ・楽しむことがなかなかできない ・まじめすぎる ・親密な関係を保つことが難しい ・他人からの肯定や受け入れを常に求める ・常に責任をとりすぎるか、とらなさすぎるかである ・衝動的である、他の行動が可能であると考えずに ひとつのことに自らを閉じ込める ひとつくらいはみなさんの家庭にもあてはまる部分は あるのではないでしょうか。 注意していただきたいのがACは病気ではないということです。 私にもACの部分はありますし、 人それぞれ程度は違ってもACの部分はあると思います。 ただ、そのACの部分があまりにも大きすぎて、 社会の中で適応できなくなったときには、 カウンセリングなどの援助を必要とするのです。 実際、当カウンセリングルームに通われている方々にも ACであると感じている方は多いのです。 その中で、カウンセリングの場ではなく、 クライアントの方々がそれぞれの経験や過去の苦しみなどを 語りあう場をつくっていこうということで、 ワークショップをおこなうという企画が持ち上がりました。 そして、先週の金曜日に初めて、当カウンセリングルームで 「アダルトチルドレン癒しのワークショップ」が開催されました。 文字通り、自分自身がアダルトチルドレン（AC）であると感じている、 または育ってきた環境により、 生きづらさを感じていると思う方々が集まって、 ACについてそれぞれが自由に語る場です。 ワークショップは何か議題について話すというものではありません。 他人の話を聞いて、話したくなったら話すという 「言いっぱなし・聞きっぱなし」の会なのです。 そういう中で、参加された方々が自分自身のプラスになる「何か」を 感じとってもらえればそれでいいのです。 今回、私はそのワークショップで司会というか進行役を任されました。 正直言って、初めての試みでしたので、 私が一番緊張していたと思います。（笑） はじめに、参加される方々が安心してお話できるように、 いくつかのルール（会で話したことを公言しない、 途中で退席しても構わない、どこまで話すかは自分で決める、等）を説明し、 この会の目指すところ、つまり、 複数の人間がACについて語ることでそれぞれが癒しを得る、 自分のプラスになる何かをつかむ、といったことをお話ししました。 そして、まず私自身のACについてお話させてもらいました。 自分の家庭のこと。幼少期のこと。 その中でどういう辛さを感じてきたのか。 そして今現在の心境について、などです。 それから参加された方々にお話しいただきました。 自然な流れで、無理をしないで、ワークショップは進められていきました。 その中にはもちろんアルコール依存症の親を持った方もいました。 幼い頃、そんな親を見て育った自分自身が感じていたこと、 他人からは理解されない苦しみを何年も抱えて生きてきたこと。 そのことが原因で今もなお生きづらさを感じているけれども、 少しずつ前向きに生きていこうとしているということを話されていました。 またもう一人の方もアルコール依存症の親を持ち、 十年以上もその親から様々な言葉によって多くの傷を持ったこと。 そして自分は精神的な病を抱えてしまったけれども、 カウンセリングによって、今では 過去の辛い経験が今の自分を形成していると思えるくらいにまでなった、と。 その方が言った言葉は本当に聞いた人の胸を打つものでした。 「今はまだ成長している過程だけれども、1ミリずつでも前に進もう。 この病気を克服することが、 アルコール依存に苦しんだ親への親孝行になる」と。 そんな参加者のお話を聞いて涙される方もいらっしゃいました。 「自分自身の経験と重なるお話を聞いて、 過去を思い出して辛いという気持ちと、 これからがんばろうという気持ちの二つが涙の理由です」と 説明してくださいました。 今回のワークショップでは本当に感動する、 胸を打つ言葉をたくさんいただきました。 これらは参加された方々の心に必ず残る言葉だと、私は思いました。 参加された方々からは、 「参加してよかった」 「自分と同じような苦しみを持つ方々と交流できたことで 自分の心が少し自由になった気がする」 といった言葉がよせられました。 私自身、スタッフでありながらもACの一人として、 様々な悩み・病気を抱えている方々のお話によって癒された空間でした。 こらからもこのワークショップは月1回続けていく予定です。 そして、参加される方々が増えて、 同じように苦しみを持つ方々からの心に響く言葉によって、 癒される空間を感じていただけたらと願ってやみません。 文 ： スタッフ ながさき たえ -- 代表カウンセラー 椎名あつ子 -- *― 椎名先生の講座・セミナーのお知らせ ―――――――――――――――* | | | ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ | | ★ 1.『女性臨床心理士による、心理カウンセリング講座』を開講 ★ | | ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | | | | 将来カウンセリングを仕事にしていきたい方を対象としたセミナーを、 | | ４月から、毎週水曜開講します。 | | | | ……………………………………………………………………………………… | | ◆開講期間：初級コース ： 終了いたしました | | 中級＆上級コース： 7月7日(水)～12月22日(水) | | 第1＆第3水曜日 または 第2＆第4水曜日(月2回) | | ◆時間 ：19:00～21:00 | | ◆場所 ：横浜心理ケアセンター | | | | ╋ 受講料・申込方法等の詳細はコチラをご覧下さい | | ⇒ http://www.shinri-care.com/semi.html | | ……………………………………………………………………………………… | | | | ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ | | ★ 2.『今、だから、あえて 恋愛と結婚についてのセミナー』 ★ | | ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ | | | | 周りの人達とのより良いコミュニケーション方法、 | | ストレスとのポジティブな向き合い方などについてレクチャー致します。 | | | | ……………………………………………………………………………………… | | ◆日程 ：毎月 第2土曜日 全4回（4/10・5/8・6/12・7/10） | | ◆時間 ：18:00～19:30 | | ◆場所 ：開港記念会館 | | | | ╋ 受講料・申込方法等の詳細はコチラをご覧下さい | | ⇒ http://www.shinri-care.com/semi.html | | ……………………………………………………………………………………… | | | *―――――――――――――――――――――――――――――――――――* *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* ------------------------------------------------------------------------- ・ 編集/発行 ：椎名 あつ子（しいな あつこ） ・ ご意見・ご感想 ： atsuko@shinri-care.com ・ サイトURL ： http://www.shinri-care.com/ ・ 配信解除 ： http://www.shinri-care.com/mailmag.html ・ メルマガ ：まぐまぐ( http://www.mag2.com/ ) ID:0000119949 ：Melma! ( http://www.melma.com/ ) ID:m00101645 ------------------------------------------------------------------------- *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
