2026年02月04日

立春

本日4日は、立春。

暦の上では、春の始まりです。

まだ寒さは残っているけれど、
立春は「一年のスタート」とも言われる特別な日。
旧暦では、この日から新しい年が始まっていました。

冬の間にため込んだ疲れや感情、
言葉にできなかった思い、
「まあ、いいか」と飲み込んできた気持ち。

それらを無理に手放さなくてもいい。
ただ、
「ここから少しずつ変わっていってもいい」
そう自分に許可を出す日。

立春は、行動のための日というより、
心の向きを決める日なのかもしれません。

カウンセリングの現場にいると、
「変わりたい」「前に進みたい」と思いながらも、
心がまだ動けない時期にいる方に多く出会います。

でも実は、
動けない時期も、心にとっては大切なプロセスだと思います。

冬のあいだ、心は守るために止まります。
感じすぎないように、
期待しすぎないように、
これ以上傷つかないように。

立春は、
「もう無理に耐え続けなくていいかもしれない」
そんな小さなサインが心に届く時期だと思いたいのです。

何故なら
変化は“行動”より先に、“心の向き”から始まる
と信じたいのです。

・今の自分を責めていないか
・本当は何に疲れているのか
・「こうあるべき」で心を縛っていないか

立春は、それらを静かに見直すタイミングなのかもしれません。

芽は、土の中で準備が整ったときに自然に出てきます。
引っ張り出そうとすると、折れてしまう。

人の心も同じだと思うのです。

立春は、
「まだ動けない自分も含めて、ここからでいい」
そう認める日。
私はそう思うことにします。

心の春は、
焦らず、比べず、
自分のペースで訪れると。

今年の立春が、
皆さまの心にとって
やさしい再スタートになりますように。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:35 

2026年01月31日

力を抜いて暮らすこと

先日、ふと思いついて
パイ生地の代わりにクロワッサンでキッシュを作ってみました。

キッシュは好きだけれど、
パイ生地を伸ばして、冷やして、焼いて…
となると、少しだけ気合いが必要になります。

その点、クロワッサンはとても気楽。
買ってきたものをそのまま使えて、
バターの香りも最初から十分です。

耐熱皿にクロワッサンをちぎって敷き詰め、
卵と生クリーム(牛乳でも)を合わせた液を流し込み、
あとは冷蔵庫にあった野菜やベーコン、チーズをのせて
オーブンへ。

焼いている間、
キッチンに広がる香りがもうごちそうでした。

焼き上がったクロワッサンキッシュは、
外側はサクッと、内側はしっとり。
クロワッサンの層が、思いがけず良い食感を生んでくれていて
おいし~!

「ちゃんと作らなきゃ」と思わなくても、
「今あるもので、今の自分にちょうどいい」
そんな料理があってもいいのだと、
キッシュを切り分けながら感じました。

料理も、暮らしも、
少し肩の力を抜いたほうが
案外おいしく仕上がるのかもしれません。

ふっと力を抜いてみることは大事ですね。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:28 

2026年01月28日

今ある家族の形

母の卒寿のお祝いをしました。

最近の母は
死の恐怖を毎回、口にします。
愛する父、私、そして私の子供、ひ孫との楽しい時間を考えると
会えなくなることが、
不安で心配で苦しくて
生きること
そして
いつか来るその日の事が
怖くてしかたがないのです。

それでも、今日は
中華料理を完食して赤ワイン🍷を飲んで、ひ孫を囲んでたくさん笑っていました。
そんな、母をみながら
100歳まで頑張ろう。と
紹興酒を飲みながら励ます父。

かわいい両親です。

私にとっては両親との関係は
いい思い出だけではなかったけれど

いま、こうしてみんなで集まって
お祝いができること、
それは、当たり前ではない
瞬間であると
あらためて考えさせられた日でもありました。

家族って、やはり、すべての原点だと。

過去を過去として
いまある、みんなの笑顔が
私の生きる力になっていると
心から感謝したいと思います。

お母さん、ありがとう。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:48 

2026年01月14日

久米宏さんの訃報に触れて

――「語りかける声」が心に残すもの――

久米宏さんが亡くなられたという知らせに、胸が静かに揺れた方も多いのではないでしょうか。

長い時間、テレビやラジオを通して私たちの生活のそばにあった声は、
いつの間にか「当たり前の存在」になっていたように感じます。
私も、当時、久米さんの番組を通してニュースが身近な物になったことを想い出しました。
その存在を失ったとき、人は初めて、
どれほど心に影響を受けていたかに気づくことがあるのだと考えさせられました。

久米さんの語りには、情報を伝える以上のものがあったように感じます。
鋭さの中にユーモアがあり、距離を保ちながらも、どこか人間らしい温度がありました。
それは、正解を押しつける声ではなく、「あなたはどう感じますか」と問いかけてくるような声だったのかもしれません。

カウンセリングの場でも、私たちは「何を言うか」以上に、
「どのように語りかけるか」を大切にします。
人は、言葉の内容だけでなく、声の調子、間の取り方、そこに込められた姿勢を感じ取っています。
久米さんの語りが多くの人の記憶に残っているのは、
そうした“人としての在り方”が、無意識のうちに伝わっていたからなのだとあらためて感じました。

私たちは訃報に触れたとき悲しみや寂しさだけではなく

「自分はこの人から何を受け取っていたのだろう」
「どんな時間を共にしてきたのだろう」
と振り返ることは、心にとって自然で大切なプロセスだと思います。

大切な存在を失うとき、人はすぐに前向きには当然なれない物だと思います。

思い出し、立ち止まり、静かに感じる時間そのものが、心を整える助けになります。

時にその人を思い出して、
苦しくなったり、
後悔したり、
嫌なことを想い出したり、
その当時の時間が決してなつかしく、美しい思い出ではない場合もあると思います。

それでもその人が自分に与えた影響を感じると共に
亡くなられたその方自身の精一杯の生き方を
理解して、受け止めたときにその人の心根が自分の中に深く刻まれることとなるように感じました。

カウンセリングの中でも沢山の「尊い死」の喪失と向き合うことがありました。
そしてその避けては通れない心の様々な葛藤をどうやって自分の中で消化していけばいいのかを
あらためて考えさせられた時間でもありました。

久米宏さんが残してくれた“語りかける姿勢”は、今も多くの人の心の中で生き続けているように思います。

心よりご冥福をお祈りいたします。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:07 

2026年01月06日

2026年の始まりに

2026年の始まりの日となりました。

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、沢山の方にお世話になりました。心より御礼申し上げます。
本年も、お一人おひとりの思いや歩みに丁寧に寄り添い、安心してお話しいただける場であり続けられるよう、研鑽を重ねてまいります。

小さな変化や迷いも大切に受けとめながら、
必要な支えを共に考えていけましたら幸いです。

時の流れの中
人の価値観や、考え方、
例えば夫婦の形や、子供との関係、
社会との繋がり方、仕事の目的、人生の目的
自由の意味、人生観など
時代と共に人の気持ちは大きく変わっていく物だと
最近特に感じています。

それでも変わらない物があるとしたら
それは私たちの中に
誰にも見えないかもしれないけれど
一人1人が守りたい「心」があるということです。

その「心」の奥深いところで
感じていること
伝えたいこと
言葉が見つからないけれど
確かに存在しているその何かについて
表現できる場所でありたいと思っております。

今年も皆様と共に
「自分らしく、自分を裏切らない気持ち」

を大切に
温かく、優しく、穏やかな時間が少しでも多くあることを目指して
小さな喜びを積み重ねて過ごしていきたいと
心から思っております。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さまにとって、穏やかで実りある一年となりますようお祈り申し上げます。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:08 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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