2017年04月アーカイブ
2017年04月25日
夫婦問題の相談における子どもの精神的なケアについて
夫婦の関係が良くない状況の中、
別居や、または離婚を決意した場合の
お子さんの精神的なケアについての相談も
増えてきています。
夫婦はお互いが
そもそもは他人同士ですが、
子どもにとっては
あたりまえですが
父であり、母であります。
その二人が
言い争いをしたり、
片方が相手の悪口を言い
それを子どもに聞かせることが
子どもの心に傷を負わせている場合が
少なくありません。
つまり、父親(または母親)が
ひどい状態であると言われていると
子どもは自分にも父や母の遺伝子があると考えて、
自分の性格にも問題があるように感じてしまいます。
また、10歳~12歳くらいまでの子どもは、
夫婦のケンカや
父親・母親の行動の問題を
自分の責任、自分のせいとして考えてしまう
脳の状態があると
医学的にも言われています。
夫婦の言い争い、暴力、暴言、別居、離婚も
「自分がちゃんといい子にしていなかったから」
「自分が勉強をしなかったから」
「自分がきょうだいとケンカしたから」
など、自己嫌悪に陥ってしまったりします。
また、離婚する場合、
いつ子どもに説明していくかも
子どもの年齢や性格によって
さまざまな状況を考えていく必要があります。
ここ横浜心理ケアセンターでは、
そういった子どもに対して
親からは話しにくい問題や状況を
子どもさんたちに丁寧に、
時間をかけて説明をさせていただいたりもしております。
別居や離婚をするにあたっての説明を
きちんとわかりやすく子どもさんにすることで
子どもは今後どうなっていくのか、
どうしたらいいのかといった
不安や心配を
少しでも減らして
生活していくことができるようになります。
自分たちのせいではなく、
両親のこれから、
そして自分たちの将来にとっても、
前向きな決断であることを
少しずつ理解することは
だまされたとか、大人は勝手だ、
といった歪んだ感情を持ち続けて
成長してしまうことを
防ぐことにもなります。
今の問題を、いつか大人になれば、
子どもにもわかるだろうと思う前に、
一度、ご相談いただければと
思っております。
子どもは、子どもなりに
たとえ黙っていても、平気な顔をしていても、
心を痛めながら、悩んでいるのです。
2017年04月18日
モラルハラスメントの定義と相談について、修復へのプロセスとは
夫婦の修復についてのお問い合わせが
増えてきている中で
今現在の起きている問題で
必ずといっていいほど
たくさんの方々が
「モラハラ(モラルハラスメント)」
という言葉をお使いになります。
・妻に「あなたはモラハラよ」と言われたので
確認のためにもカウンセリングを受けたい。
・モラハラと言われてネットで調べてみたら、
あてはまる事が多いと気づいたので、
そんな自分を変えたい。
・モラハラに疲れたと言って妻が家を出てしまったので、
モラハラについて知りたいし
妻にもう一度、チャンスをもらいたい、
帰ってきてほしい。
・自分が今まで無意識に使っていたことばが
暴力だとは全く知らなかった。
これはモラハラなのか、教えて欲しい。
・モラハラの夫を治してほしい。
治るのであれば、
子どももいるのでやり直したい。
・モラハラで夫を訴えたい。
・妻は夫(私)のことをモラハラというけれど、
私(夫)としては妻もモラハラだと思うけれど
どうなのか知りたい。
・・・etc.
本当にモラハラに関しては
たくさんの質問が来るのも
毎日のこととなっています。
それにしても
モラハラということばが一般化して、
誰もが知っていることばになったのも
ここ3~4年のことのように
思えます。
その前は、
夫婦のご相談では、
浮気、ギャンブル、DV(身体への暴力)、
アルコールなどの依存症についてが
多かったのですが、
今は、浮気とモラハラ、DVとモラハラ、
依存症とモラハラetcと
必ずモラハラがプラスされている気が
しています。
そもそもモラルハラスメント(モラハラ)については
TVやマスコミで騒がれすぎているため、
本当の意味や状態が誤解されていたり、
間違って認知されていることも
非常に多いと思います。
他のカウンセラーにモラハラだと言われた
と言って来る人もたくさんいます。
ここ横浜心理ケアセンターでは、
弁護士の先生と協力体制を持っておりますので、
法的にひっかかってくる状況に関しましては、
慎重にこの「モラハラ」に対しては
判断しています。
このことばに対して
最終的にジャッジできるのは
裁判官になるのだと思っています。
カウンセラーがこの言葉を使って
決めつけることは
とても危険であり
無責任なことであると考えています。
なぜならば、
モラハラはDVとは違って
ことばの暴力ですので
わかりやすい証拠も少ないですし
夫婦や男女の間では、
価値観のずれや考え方の違いで
けんかは当たり前であり、
その中でのお互いの売り言葉に買い言葉は
よく見られるものです。
そしてモラハラこそ、
裁判で決められる事は
非常に難しいのも、事実です。
モラハラであるのか
モラハラではないのか
ということが
一番大切なのではなく、
相手が自分のことばで
傷ついたり、苦しんだり、
悩んだり、
恐怖を抱いたり、絶望したり、
そしてこれ以上一緒にいることが
苦痛でしかなくなっているという状況に
陥らせたこと自体が
大きな問題なのだと
私は思います。
夫婦は、どちらか一方が
どちらかの所有物でもなければ、
上下関係の上に成り立っているものでもなく、
夫婦はそれぞれの役割を尊重、尊敬した上で
一緒にいるという意味では
お互いに平等であると思っています。
また、夫が妻に対してだけしているのではなく
妻側も夫に対して、
ひどい言葉を吐き出している場合も
少なくはありません。
これらをすべて
モラルハラスメントと定義することよりも、
なぜ、傷つけあわなくてはいられないのか、
なぜ、怒りをコントロールできないのか、
なぜ、相手を追い込んでしまうのか、
何が、相手を怖がらせたのか、
その時の自分は何を考えていたのか、
何かストレスはあったのか、
どうしたら思いやりのあることばを
言えるのか、
思いやりとは何か、
自分は相手ばかりを責めてはいないか、
いいコミュニケーションをとれるように
するにはどうしたらいいのか・・・
私はこういった事を
カウンセリングの中で
考えていただくために
お互いのエゴグラム(心理検査)で、
お互いの性格を知り、
相手を理解する方法を学んだりの
サポート役をしています。
ここでは、2人同時のカウンセリングも
夫婦別々でのカウンセリングもしています。
そして最後は、
いいコミュニケーションがとれるように
なっていくために、
お二人同時の前向きな修復のための
カウンセリングへと進んでいきます。
こういったプロセスを経て、
素敵な夫婦になっていった人たちを
たくさん見てきました。
モラルハラスメントの定義だけではなく、
もう一度、お二人で向き合ってみませんか。
その方たちなりの
夫婦の形が在るものだと
私は思っています。
☆夫婦のカウンセリングについてはこちらをご覧ください。
2017年04月11日
離婚におけるさまざまな問題について ~③50代の離婚問題について~
50代になり、
夫が退職する頃が近づいてきて
お互いの老後について考えるお二人も
増えてきています。
今までは
子どもの世話などで追われていて
離婚問題をなんとなく見て見ぬふりをしてきた
お二人にとっても、
今後、将来、年を老いても、
一緒にいるべきか、
一緒にいられるか、
介護をお互いする気持ちになれるか、など
現実が見えてくる時のようです。
また、自分たちの両親も高齢になり、
自分たちのこれからの前に
両親の介護の問題もあり
心が通わなくなった相手の親を
ケアするとなると
大きなストレスにもなってきます。
離婚を考えた場合、
お金については
前回にも書かせていただいたように
二人の財産の1/2、
そして退職金の1/2、
年金分割も1/2として
もらえる権利はお互いにありますが
妻がへそくりしてきた金額も
自分の名義の銀行に入れて預金していても
共有財産とみなされ、
1/2は払う義務があります。
50代になって離婚をすることで、
解放されるご夫婦も多くいらっしゃいますが
さまざまな過去を許し合って
新しい気持ちで
夫婦であることを貫くことを決めるお二人も
たくさんいらっしゃいます。
年をとってわかることもありますし、
また体力の衰えをお互いが感じ始めて、
お互いを気遣える関係になれることもあります。
そのために、今まで言いたくても言えなかったことを
カウンセラーを通して
吐き出して、理解しあった上で、
もう一度、老後を見つめ直すお二人も
ここ横浜心理ケアセンターには
たくさんいらっしゃっています。
カウンセラーは裁判官ではありませんので、
どちらが正しいというジャッジをする立場では
ありませんが、
新しい道へと導いていくお手伝いは
できると思っています。
今さら、第三者のカウンセラーに相談したって
自分たちの事だから
仕方がないと思っている方々も
たくさんいるとは思いますが、
たくさんの事例を知っているカウンセラーに
一度、話をしてみることが
これからの何かしらのきっかけになるとは思います。
一度、話す勇気と、
吐き出してみる覚悟を持ってみませんか?
次回は、モラルハラスメントの相談についてです。
☆夫婦のカウンセリングについてはこちらをご覧ください
2017年04月06日
離婚におけるさまざまな問題について ~お金のトラブルについて ②家のローンについて~
ここ横浜心理ケアセンターに来る人の中で
結婚したばかりで
お金の使い方についての価値観の違いや
共稼ぎの人の場合の家事分担の考え方の違いで、
ぎくしゃくしたり、
また、相手からの言葉の暴力などで、
疲れ切ってしまっている人は数多く
相談数も年々増えてきています。
また、こういったご夫婦でも
子どもができたり、
家を購入すれば
どうにか意識が変わって
夫婦の絆が強くなると考えている方も多いのも事実です。
夫婦の絆が強くなる場合も、
もちろん無くはないですが、
やはり価値観の違いは
子どもの誕生や家の購入で
変わっていけるものでもないことを
知っていただきたいとも思います。
また、ローンを組んで
家を購入した後、
家の名義が例えば夫であっても
結婚後に購入した場合は
夫婦の財産とみなされます。
そのため、将来離婚といった状況になった場合は、
残っているローンの半分は
妻側も払う義務がでてきます。
家を売る場合、
買ったときより、値段が上がっていれば、
ローンと差し引きして
その半分は自分の持ち分ですが、
売値が下がっている場合は
マイナス分の1/2+ローン返済の1/2が、
それぞれの持ち分の金額となります。
妻側が子どもを抱えて
生活をするだけでも大変な上に
借金までも上乗せさせられてしまうケースも
残酷ではありますが、
数多くあります。
主婦である場合、
家の名義が夫だから
自分にはローンを払う必要がないと思ってしまっている人も
実はたくさんいらっしゃいますが
ローンを含むすべてでお互いの財産ということとなります。
こういった事を考えると
結婚前に相手をきちんと知ることが
当然必要ではありますが、
離婚にならないために、
修復する方法を現実的に考えていくことも
大切になっていきます。
ここ横浜心理ケアセンターでは、
相手の考え方をまず理解する方法や
怒りのコントロールをして攻撃的な伝え方にならないような
コミュニケーションの方法を学ぶなど
修復に向けてのアドバイスを
させていただいております。
違った環境で育ったお二人にとって、
価値観の違いは
当たり前に起きてくる問題ですので、
「ふつう~である」といった自分の考え方を
相手に押し付ける前に
相手の感覚をどうしたら受け入れていけるのかを
考えていくことも必要な場合があります。
離婚が避けられない場合も
もちろんたくさんありますが、
まず、修復が少しでも可能であるのであれば、
一度、ご相談に来ていただきたいと思っています。
いろいろな法律がからむ問題を
弁護士同席の上で
一緒に考えていきませんか。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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