2022年09月アーカイブ

2022年09月20日

不登校について考える

まだ蒸し暑い日も続いておりますが
気温や気圧の変化も激しく
秋の風も感じはじめた今日この頃です。

こういった季節の変わり目は
誰もが体調を崩す時期でもあります。

そしてまた、こういった時期は
自律神経の乱れやストレスからくる
子どもの起立性調節障害が増えています。

起立性調節障害とは
循環器系の調節がうまくいかなくなる病気で
血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたりしてしまい
本人にとってはとてもつらい状態です。

また、自律神経の乱れ以外の要素に
精神的や環境的なストレスも原因となります。

そしてまた、子どもの起立性調節障害の3分の2が
不登校になりやすいともいわれています。

朝が起きれない
疲れやすい
ゴロゴロしがち
夜眠れない
集中力低下
やる気がなくて布団の中でゲームばかりしている
不機嫌

などの症状があるため親は
「サボっているのではないか」「仮病じゃないか」
「ただの反抗期ではないか」と思ってしまいがちで
誤解をしてしまい
ついつい厳しく叱ってしまうことで
親と子どもとの対立が進み
悪循環を繰り返してしまうことがよくあります。

「学校に行きたくない」と
もし子どもに言われたら
親としてどうしたらいいのでしょうか?

この言葉を聞いて混乱しない親はいないと思います。
親としてとにかく原因を知ろうとして
いろいろと聞きたくなります。
原因が分かれば解決策も見つかると思いますので
これも当たり前です。

ただ、
原因が説明可能であればそれはラッキーで
原因不明であったり、説明しにくい
モヤモヤした感情の不登校が少なくないことも現実です。

「甘えである」「学校に行くことはふつうである」
と決めつけてしまう前に、
「どうして学校に行けないか」を
一番悩んでいるのは子ども本人で、
学校にも家にも居場所がないと
苦しんでいるのも子ども本人なのかもしれません。

不登校はすぐに解決しないのも当たり前で
それが、何よりも焦る気持ちに拍車をかけて悩むのは
親も子どもも同じです。

この同じ苦しみを味わっている時だからこそ
この難しい問題について
ゆっくりとじっくり親子で向き合う気持ちが大切で
一緒に乗り越えようとする優しい覚悟が
もしかしたら今後の解決につながるものなのかもしれません。

それでも、
混乱している
苦しい
つらい
淋しい
どうしてなのか
何がわるいのか

を家族だけで抱え込んでしまっている場合は
専門家に委ねることもそれは「賢い考え方」かもしれません。

ただ、その前に、不登校を
「学校に行けないのはふつうではない」
という決めつけた考え方をやめて、
今は、親子で一緒に向き合う時期なのかもしれないので
あえて「学校に行かないで体調を整えよう」
と意識して考えてみることも必要かもしれません。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:35 

2022年09月06日

子どもに傷を残す夫婦関係とは

ここ最近カウンセリングをしていて
特に痛感していることがあります。

私達には毎日たくさん過ぎる
ストレスがかかっているということです。

今もなお、コロナの感染から解放されることのない生活のストレス、
テレワークでの家庭内の環境・空間のストレス、
ウクライナ、ロシアの戦争などの影響からくる
物価高による生活苦によるストレス、
毎日のようにニュースで騒がれている様々な
将来を不安にさせる事件などのストレス。

書き出したらきりがないストレスの中、
みんながイライラしていて
みんなが不安で、みんなが心配で、そして、
それが家族問題に大きな影響が出てきている様に感じています。

夫も妻も大変で、それでいて子どもたちも大変な状況の中
特に夫婦関係が壊れはじめている場合、
夫も妻もお互いが精神的に脅しあったり
軽蔑しあったり、暴言を吐いたり、
自尊心を傷つけあったり、
責めあったり、人格否定をしたり、
そういった内面的なDVは
それらが肉体的なDVではなくても夫婦二人にとって
それは苦痛であり疲労でしかありません。

そしてその苦しみは間接的に
自分たちが考えている以上に残酷にも
大切な子どもたちに
虐待をしてしまっているといえるのです。

それは後に子どもたちにとって大きな傷となり
取り返しのつかない感情を
植え付けてしまうことになりかねません。

子どもたちは夫婦の叫び声、怒鳴り声、涙、物が壊れる音、
無視する時の冷たいまなざし、憎みあう言葉、痛みなどを
ドアの向こうで自分の部屋のベッドの中で
怯えながら聞いています。

子どもの無邪気な、純粋な、子供らしい心はガラスのように
粉々になりかけています。

ピアジェの子どもの発達理論などでは
2才~7才、または11才までの子どもたちの脳は
自分中心的な見方をしているため様々な出来事、
例えば、夫婦のケンカの原因などは
すべて自分のせいであると勝手に思い込んで
脳にその記憶をインプットしてしまうと言われています。

精神的、肉体的な暴力の記憶の苦しみや悲しみは
その子どもたちへの影響として将来、
新たな被害者として繰り返されたり
または、新たに加害者となってしまうかもしれないのです。

しかし…
今の現実の中で悩み苦しみもがいている夫婦にとっては、
頭では分かりながらも、子どもたちの心についてまで
考える余裕がないのも当たり前で、それが現実でもあります。

私が今日この場でお伝えしたいのは
今、夫婦関係が崩壊しはじめ
子どもたちに精神的(肉体的)面前DVを
与えてしまっているとしたら、
それを夫婦だけで解決しようとせずに
市、区などの相談窓口で相談してみたり
離婚だけでなく円満調停について弁護士に聞いてみたり
または、精神科や心療内科、婦人科などで
イライラなどを抑える薬について相談してみたり
そしてまた、カウンセラーや臨床心理士など
専門分野の人に話をして解決策を見つけてみたりなどの
方法を探し、他の人の力を借りて
楽になることも必要だと思います。

私はその人その人に合った
抜け出す方法の解決策が
必ず見つかるものだということを信じたいと思います。

そして少しでも不幸な人生の連鎖を
減らしていきたいと思っています。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:53 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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