2008年04月アーカイブ
2008年04月30日
恋人
三浦の家の庭に、
ヨットがやってきた。
ヨットといっても、
ボートに帆とエンジンと
オールがついた、
かわいい大きさ。
友達と、お金を出し合って購入した。
帆をつければ、
風に乗って走れるし、
波が少し強い日は、
エンジンがあるから安心だし、
いざとなれば
オールで漕げるという、
何でもできちゃう便利な子だ。
この子は、誰もいないときは、
三浦の家でお留守番。
名前も付けた。
カヤックと違って、
海の風を肌全体で感じることが
できる気がして、
少しカヤックから離れてしまいそうで、
贅沢な心配をし始めている。
三浦の家と出会ってから、
もう4年が過ぎた。
三浦での週末の過ごし方は、
私に様々な体験や出会いを
与えてくれた。
また、自然と触れ合うことが、
とても身近な生活となった。
加山雄三の「海、その愛」は、
海の上での、私のテーマソングとなってきた。
「海よ、私の海よ…
大きな、この愛よ…」
これからこそが、
その愛をいっぱい感じられる
季節となってきた。
海は、私の恋人なんだ。
時には厳しいけれど、
やはりいつも、
私を自然と受け止めてくれている。
しかも、永遠の恋人。
海はどこへも行かないし。
安心して、
すべてを託してみよう。
そしたら、もっともっと、
私らしくなれるかもね。
2008年04月28日
再会
大切な友人が、
子宮がんを宣告された。
今日が手術の日。
彼女は、自分の二人の娘に
遺言状を書き、
もしもの日のために、
財産を銀行の金庫に預け、
すべてを整えて入院した。
私は今日、手術の終わる頃の時間に
病院に出かけた。
手術後の彼女には会えないから、
終わって目が覚めたときに
渡してもらいたい手紙と写真集を、
ナースステーションに
預けるために。
写真集は
「あさのひかり」
というタイトル。
美しいさまざまな自然の朝の光が、
美しく写されていて、
心に安らぎを与えてくれる本。
私は、彼女が闘いの後、
目が覚めたときに見て欲しいと思った。
新しい人生が始まっていくために。
離婚後、彼女は、
ひとりで仕事をして生きてきた。
二人の娘のうち、一人は元夫の下へ、
もう一人は嫁いでいった。
彼女は、たくさんの鏡と絵に
囲まれた広いマンションで、
がん告知から今日の手術日まで、
弱音ひとつ吐かず、
たった一人で過ごしてきた。
どんなに苦しかっただろう。
どんなに不安だっただろう。
そしてどんなに怖かっただろう。
そしてこれからも一人で、
いつの日かの不安とともに
生きていくのだろう。
私は、女性が一人で生きるという
本当の意味、そして本当の現実を、
知った気がして、
とてもつらくなった。
彼女に私ができること。
それが、今日の私には、
あさのひかりを見せてあげること、
それだけだった。
だって、どんなに彼女の立場に
なってみようとしても、
私は今、健康だから。
彼女のはかり知れない気持ちには、
到達できない。
それが事実。
でも、私にとっては
かけがえのない大切な友達。
近いうち、元気な彼女と、
再会できる日を、
とにかく待っている。
心から、心から、
再会を祈っている。
2008年04月23日
刺激
今日は、友達のバースディもあり、
春のパーティの日。
本日の手作りメニューは、
エスニック料理。
部屋中にカレーやスパイスの
香りが立ち込めはじめる。
さまざまな人たちの顔を
想像しながら、
野菜を切り、
とり肉を串に刺し続ける。
全く違う仕事を持った人たちが、
同じ場所に集まるといった出会いは、
とても刺激的。
私は、時に、
刺激が必要なのかもしれないと感じる。
大声で笑って、
歌って、
食べて、
ぐったりと疲れて、
ぐっすり眠る。
明日からのパワーを、
たくさんの人から、
たくさんもらう。
人からのさまざまな情報は、
本から得ることよりも、
メディアから知ることよりも、
経験の上に成り立っているから、
これもまた、刺激的。
人の話を聞けることに、
今日は感謝する日となりそう。
2008年04月21日
お誕生日
春の、白い手編みの
ワンピースを買いました。
小さかったあの子が
16歳を迎えます。
乳歯がなかなか取れなくて、
レストランで大声で泣いた彼女。
お迎えが少し遅れて
半べそをかいた彼女。
そんな彼女も、
美しい少女となり、
恋をする季節となりました。
年上の彼は、
留学という道を選び、
愛する2人の道は、
別れなくてはならない状態が
目の前に来ています。
小さな心の中で、
その運命を受入れ、
自分の将来へ向けて進んでいく
混乱の思いを、
どう分かってあげればいいのでしょう。
それはまさに青春で、
青春は甘く切ないのよと伝えれば
分かるのでしょか。
昨日の夜、ライブで聴いた曲で、
彼女を思い出しました。
「あきらめないで、
でもはまらないで、
ひとつひとつこなしていこう」
美しい少女の心を壊さないように、
そのために、私も心の中で、
静かにあなたへ歌を歌い続けます。
つらいときは、ここにおいで。
私は、いつでも
あなたの味方です。
2008年04月18日
裸の王様
裸の王様ってどういうこと?
人はさ、偉くなると
自分が何でもできるように
思えてくるんだよ。
そして、そうゆう人を
上辺の賛美で喜ばせる人も
出てくるのさ。
それに偉くなると、
よく考えなくなって、
自分を賛美してくれる人が
一番大切に思えてくるんだよ。
本当は、真実を伝えてくれる人が
一番大切なはずなのに。
「王様、裸ですよ。」
とね。
だから、裸の王様は、
とても愚かで、
本当は淋しい人なのよね。
…と、ある子に説明しながら、
ふと考えた。
王様だけど、裸でいられる、
つまり、素の自分でいられる、
という意味にとったら、
それはステキかもね。
もちろん、裸の王様のお話の意味とは
違ってくるけど。
それは、裸でいられる王様と、
いうことかもしれないね。
裸の王様ではなく、
裸でいられる王様。
そういう人に会えたらいいね。
「昔々、お金持ちの王様は、
自分から裸でいようと
決めていました……」
それはつまらないお話ですか?
そういう童話があってもいいよね。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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