2006年10月アーカイブ

2006年10月30日

いじめ

いじめによる若い子の自殺のニュースを、
新聞やテレビで知るたびに、心が痛みます。

長い間、いじめの中で苦しんだ
その子の心を思うと、
大人である私たち、つまり、
学校の先生、両親、スクールカウンセラーなどが
できること、気付くことが
もっとあったのではないかと
考えさせられます。

私のところに来る若い子の相談にも、
たくさんのいじめの問題があります。
10代から始まり、
お母さんに連れて来てもらって通っています。

いじめを受けている子のなかには、
母親に打明けられる子と、
何も言えないでいる子とがいます。
打明けられる子は、時に母親の判断で
カウンセリングを受けています。
でも打明ける勇気がない子は、
ひとりで心の中にしまって苦しんでいるため、
誰にも気付かれないままになります。
そのままの状態では、
いつか解決するというわけでもなく、
大人になってもその心の傷を引きずり、
そのために人が恐くなってしまい、
社会に出られなかったり、
また、人を信じられなくなったりと
いったことが起こり、
生き辛い生活がずっと続いてしまいがちです。

子どもたちはそうなる前に、
必ずSOSを出します。
気付かれないように、
または気付いてほしいために出しています。

子どものSOSの例です。
・最近、食欲がおちている。
・最近、眠れない様子だ。
・最近、部屋にいることが多いようだ。
・最近、あまり話さなくなっている。
・最近、学校に行きたがらない。
・最近、急に話すようになっている。
 (以前よりも)
・最近、外に出て、帰りが遅くなる。
・最近、イライラすることが増えている。
・最近、メールばかりしている。

良いことのようでも、SOSの場合はあります。

私たちができること、
それは、子どもの変化にまず、
気付くことから始まります。
1ヶ月前、もしくは1週間前の状態が、
昔と何か少しでも違うようであれば、
「アレ?」と感じてほしいのです。

しつこく聞くのではなく、
また、心配しすぎて反応するのでははく、
神経質になりすぎず、
そっと、「何かあった?」と
聞いてあげてください。
そのとき答えなくても、見守り続けて、
そしてそういった問いかけを続けてほしいのです。

このたび、

 「子どものSOSが聴こえますか」
 親のストレスと子どものストレスについて

と題して、講演会を行なうことが決定しました。
8月25日に野毛地区センターで行なわれた
講演会の第二弾です。

親のストレスが言葉の暴力となったときに、
子どもに与える影響やその対処法について、
また、今、社会問題となっている
「いじめ」や「子どもの自殺」についても、
言葉の暴力が、どのようにそこに
つながっていくのかという点に
触れていきたいと思います。
我が子がいじめられているのか、
いじめられていないのか、
それを親として察知していくための方法、
また、いじめられているかもしれないと感じた場合、
どういう言葉がけを行なっていけばよいのか、
という点を、あわせてお話したいと考えております。

お子さんのいらっしゃる方や、教育関係者の方など、
みなさんのご参加をお待ちしております。
私たち大人にできるこをと、
ぜひ一緒に考えてみましょう。

日時 11月28日(火) 10時~12時
会場 横浜市中区野毛地区センター
会費 無料

詳細は横浜心理ケアセンターまで
お問い合わせください。

TEL&FAX 045-226-9733
MAIL   atsuko@shinri-care.com

投稿者 椎名 あつ子 : 18:52 

2006年10月27日

ことばあそび

「私はKing トランプのKing
 私はSmorking 私はSM or King」

と、ことばあそびをしていたヒトがいます。
彼は、トランプのKingのような
ひげをたくわえています。

私は、こういう理解しがたい特殊な楽しい人が
知り合いにいることで、仕事が続けられます。

この人のくしゃみは、いつも連続10回です。
イヤなことも、すべてぶっとびます。

私にとっては、本当に貴重な人です。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:59 

2006年10月25日

空間

静かな午後、
窓からブラインドに通り抜けてくる優しい光を感じながら、
私の大切な空間で本を読んでいました。

そこは、
アンリ・ルソーの大きな絵と
白いベッドと、
遠い昔アラブの国で買ったペルシャ絨毯、
狭いけれど大切な空間。

人が生活する空間は
みんなそれぞれ必要な場所です。

私たちは空間から空間へ
場所から場所へと移動して生きています。

でも、私たちは移動の距離を感じたり、
意識したりはしないものです。

そして自分は、
場所が変わっても、
空間が変わっても、
生きる場所が変わっても、

私は私。
人は人。

その本質は変わらないのです。

つまり、イタリアに行っても、
三浦に行っても、
たとえ、宇宙に行っても、
私の本質は何も変わってはいないということ。
変わろうとしなければ何も変わらないこと。

人にとっての空間と場所を感じた午後でした。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:46 

2006年10月23日

愛と怒り

舞踏家の大野一雄先生が、
もうじき100歳のお誕生日を
迎えようとしています。

そんな時、先生のお弟子さんの
ひとりである方から、
ご案内のメールがきました。

お弟子さんである彼は、舞踏を学びながら、
知的障害者との、おどりのワークショップを
続けていらっしゃいます。
私も一度、そのワークショップに
参加させていただいたことがあります。

今回は、南アフリカのダンサーとの
コラボレーションとして、
参加となるようです。

今回の作品のテーマは
「愛ゆえの喜びと不安」
らしく、
彼のダンスには愛と怒りがあると
感じたダンサーからの
コラボレーションの誘いだったようです。

人が人を愛する時、
そこには喜び、
そして不安、
時に怒りが、
折り込まれているのかもしれません。

私は、あの日のワークショップでの
彼の瞳の奥にある激しさの意味が
分かった気がしました。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:45 

2006年10月20日

変わらない形

関内にある魚料理のお店に
行ったときのことです。

そこは、オーナーである御主人が
とても優しく穏やかな人で、
従業員の女性もかわいらしく、
とても気持ちのいいお店で、好きでした。

先日行ったとき、料理長でもある板前さんが、
他の人に代わっていました。
前の板前さんは、体の大きな、
男らしく気前のよさそうな人でした。
先日代わった板前さんは、
とても繊細そうで、機敏な仕事ぶりでした。

前の板さんも、今の板さんも、
どちらもステキなのですが、
前の板さんがどうしてやめてしまったのかと考えて、
少し淋しい気持ちになりました。

料理のメニューが
特別変わったわけではないのですが、
やはり味付けは微妙に違っていました。

それでもオーナーの御主人の穏やかな笑顔と、
従業員の女の子の愛らしさは変わらずで、
やはりいいお店です。
新鮮な魚、粋な料理、
そして、あたたかい店の雰囲気。

人が、時代と共に変わっていく中で、
変わらない形と、
変わらない物を、
守り続けていくことを、
私も心して決めたのでした。

そして、いつでも穏やかな笑顔を、
この店のオーナーのように、
どんなときでも忘れないこと。

人が変わっていく中で、
さまざまな思いや、不安や、
いろいろな感情を、
秘めて秘めて、
もう一度、新しい気持ちで動き出すこと。

私もそういった生き方をしたいと
思っています。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:55 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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