2013年08月アーカイブ

2013年08月31日

星の光

ありのままに受け入れようと思う。

私が生きてきた時間の中での
過ちや、
歓びや、
悲しみや、
後悔を。

それが、人にとってはばかげていても、
とても小さなはかないことでも、
そのときそのときを
それなりに生きてきたのだと思う。

過去、悲しい恋もしたし、
人を命がけで愛したし、
でもたくさんのこともあきらめて、
その思い出を大きな箱にいっぱいつめて
リボンをかけて海に捨ててきた。

それでも、仕事や人の出会いや、子どもたちに、
すべての情熱を希望という名のもとに
体ごと投げ出せば、
何かに出逢える気がして、
いつも走って生きてきた。

これからも、私はそういう生き方しか
できないのだと思う。

それが、私のありのままなのだと
最近よく感じる。
私の中にある想いに嘘などつけない。

これが、ありのまま。

ありのままは、時に悲しく、淋しく、
そして自由なのだと、
遠く光る一点の星を見上げていたら、
ほんの少し涙が出てきた。

都会の雑踏のうそっぽい光の中で、
本物の星の光は
なんと薄く、遠く、切ないのだろう。

だけど、あの光だけは、
私たちに本当のものとして、
輝いている。

そんなことを考えた
夏の終わりの日曜日だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:24 

2013年08月10日

愛のサプリメント

「女性には、やはり愛が必要なのか?」

ある日の新聞の公告で見た、
サプリメントのコピーだ。
つまり「愛」の影響が女性を若くキレイにさせる。
そして、売っていない愛をどう手に入れるか…
それが問題だ、と言っていた。

そんな事はすっかり忘れて、日曜日の夕方から、
芝居をずっと続けている私のいとこに久しぶりに会って、
ご飯を食べながらお酒を飲んだ。

彼は50歳近くになるが、映像の仕事をしながら、
下北沢とかの小さな劇場で、
アーサー・ミラーの作品を演じたりしている。

いとこの中でもだんとつ、
彼のことは心から尊敬している。
大らかで、優しくて、ユーモアがあって、
夢があって、そして魅力的な人だと思う。
そしておまけに独身。

会話が弾んだ中で、
昔、ある有名な女優の劇団員だった彼の芝居を
観に行っていたので、
その女優さんのことを、ふと聞いた。
「彼女、最近みないけれど元気?」と。

彼女は、当時20歳近く下の俳優と付き合っていて、
とても素敵でかわいい人だった。
あれから、恋人だった彼は有名になり、
その女優さんとは別れて、今は結婚している。

そんなことはよくある話だけれど、
その後、その女優さんはストレスから病気になり、
怪我をして、今は記憶障害になっていることを知った。

大物舞台女優が、20歳も年の離れた俳優とは、
別れるべき覚悟があっての、
素敵な今の付き合いを
思い切りしているのだと思っていた私は、
少し戸惑った。

彼がすべてだったのだということ。
彼女の人生をかけて。
彼のために芝居を続けていたということ。
彼と別れてからの彼女は、
女優ではいられなくなっていったという事実。

「女性には、やはり愛が必要なのか」

朝読んだ新聞のサプリメントのコピーが、
何故かよみがえった。
強い、燃えるような、そしてひたむきな、誠実な、
男と女の愛の最後は、残酷で、悲劇そのもので、
ギリシャ神話やオペラの世界だけだと思っていたけれど、
本当に存在するんだ!と、
私は小さなショックを覚えた。

やはり「女性には愛」が必要なのか。

他人事のような、
でも、とてもとても大切なような、
一生のテーマのような気がしてきた。

まあ、形だけでも、
強い愛の影響を受けるような効果のある、
「驚くように魅力的になる」サプリメント、
買おうかな。

本当、人生いろいろあるなと、
今さらながら考えた不思議な一日だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:32 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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