2009年06月アーカイブ

2009年06月26日

神様

たとえ、そのことばが伝わらないとしても、
あきらめることなく、言い続けよう。

たとえ、真実が伝わらないとしても、
いつも誠実でいよう。

たとえ、反発されても、
そしてたとえ、嫌われても、
言わなくてはならない時は、
その人のために、
はっきりと事実を伝えよう。

聴く必要があると同時に、
心の専門家として、
目的がぶれてはいけない時があると、
私は思う。

だから、苦しい時もある。
傷付くこともある。

その代わり、翼を広げて飛び立つ姿を、
見送りだすこともできる。

私は、カウンセラーという仕事に、
私の血と汗と神経と心と、
すべてをかけて生きようと
決めたあの日から、
それだけは変わらない。

そう、神様が私の命を救ってくれた
あの日から。

私は、私の中の神の存在を
信じている。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:49 

2009年06月22日

男友達

古くからの男友達から
久しぶりに電話があった。

彼は、何年か前、
ガンの手術をしていて、
着信とともに彼の名前が
表示されたとき、一瞬、

「どうしたのか」

と恐くなって、身を構えた。

「おぉ、久しぶり。
一人旅、良かったみたいじゃないか」

優しい、いつもの声だ。

「何で知ってるの?」

「ブログに書いてあって、
オマエらしく、いい感じと思ってさ。
それと、お誕生日、ごめん。
何もしなくて。
ちょっとその頃、調子悪くて…」

お互い、調子悪かった理由については
触れないという関係性が、
もう20年以上、できあがっている。

男友達は、いつもさっぱりとしていて、
それでいて、どこか優しい。
頻繁に会う必要も見当たらず、
細かいことも聞かない。
元気なら、それでいい。

男女の友情は、
確かに成立すると、
私は、自信をもっていえる。

何故なら、
こういった何人かの男友達が、
やはり、私にとっては、
長い歴史の中で
築き上げられていることは、
事実だから。

女友達にはない何かが、そこにあると、
実感した日でもあった。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:29 

2009年06月16日

けんか

明け方だと思う。

夢の中で、ある曲が、
ずっと頭の中で鳴り響いていた。
それは、静かで落ち着いた
オーケストラのバックの中で、
その声は、ずっしりと心に残っていた。

昨日の夜、
私は長女とけんかをしていて、
電話をかけて、
もう一度、話し合った日だった。

けんかの原因よりも、
私のことばの足りなさで、
誤解が、お互いの中に残っていることが
いやだった。
伝えきれないことばの中に、
どれほどの深い愛情が
あるのかということを、
知ってほしかったこともあった。

私たちは、落ち着いて、笑って、
電話を切ることができた。

その何時間か後、
夢の中で聞いた曲。

「過ぎ去る日々の中
人々はどれだけの望みを
嘆きと歓びの狭間へと捨てるのだろう
時折寂し気に映る都会の電飾でも
すべてをありのまま
受け入れて生きていこう
愛があたためるから」

そう、娘だから、
すべてを受け入れていこう。

不思議な感覚の朝となっていた。

(吉田美奈子「愛があたためる」より一部引用)

投稿者 椎名 あつ子 : 14:22 

2009年06月08日

信じる力

夜中のNHKの番組で、
アラウンドフォーティーの
女性歌手たちが、歌っていた。

松田聖子、ユーミン、今井美樹、
一青窈、竹内まりや、高橋真梨子…
それぞれのヒット曲を、
今の彼女たちの
新しい歌い方で表現していた。

ヒットした頃とは違う自分を、
どれだけ堂々と歌えるのか
これは、見てる側には感動もあり、
また、何か切なくもあり、
人によって感じたことは
さまざまだった。

ただ、今、その人に
自信があるのかどうかだけは、
なぜか伝わってきて、
分かってしまう気がした。

どんなにつくろって、
華やかに見せても、
その人の本質にある自分を信じる力は、
分かってしまうものなのかもしれない。

自分を信じる力。

これはどんなときでも
必要なエネルギーなのかもしれない。

有名になっている人も、
普通の人も、
お金がたくさんある人も、
そうでもない人も、
最後は、

自分の力で生きていく

という感覚が、
その人にあるかどうかで、
大きく違ってくる気がしている。

そんなことを感じながら見れたこの番組は、
私の誕生日の日でもあり、
大きなプレゼントとなった。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:39 

2009年06月04日

実は、1ヶ月前のゴールデンウィークに、
はじめて休みをとり、
一人旅をしてきた。
開港150周年の年、
ここの10周年記念でもあり、
自分へのごほうびでもあったけれど、
本当は、私にとって、
転機でもあったのだと思う。

日々、たくさんの人たちの
人生のドラマとかかわっていく中で、
自分自身の女性としての生き方、
そして母親として、
子育ての反省も振り返って
見つめ直したかった。

誰も知り合いのいない、
言葉も通じない世界で、
私は楽しめるのか、
それとも、孤独を感じるのか、
私の自我は、
果たして確立しているのか…
大袈裟なようで、大切なテーマだった。
私らしさと自由に向き合えるのか、
確かめたかった。

モネの家を訪れた。
モネの描いた睡蓮の世界を感じるため、
スケッチブックを持って、訪れた。

私が20歳の頃、
はじめて訪れたシャンソン小屋にも
足を運んだ。
あの頃の感動を、今もなお
感じられる感性が、
私に残っているのか知りたかった。
そのシャンソン小屋は、
何も変わらず、
ひっそりと残っていた。
店のオーナーらしき人に、
フランス語のできない私は、
英語で話しかけてみた。

「ここに、昔々、遠い昔、
私が20歳の頃、来たの」

年老いている彼は、目を輝かせて、

「僕を覚えているかい?
ここは何も変わっていないよ。
僕も、あの頃と同じさ」

変わらない…

なんて素敵な言葉だろう。
変わらないこと、
変わらない感覚が、
どんなにか大切なのか、
教えられた気がした。

若い私と一緒に写真を撮った彼は、
この人だったのか。
変わらない空間で、
毎晩、シャンソンを
歌い続けてきたのだろう、きっと。

私もここで、変わらず、
カウンセラーでいることがすべてであると、
本当に実感できた。

人のために歌い続ける彼、
そして、人の人生を聴き続ける私、
42歳から、亡くなるまでの40年近くを、
睡蓮を描き続けたモネ。

すべてがつながった。

私は、この答がほしかったんだ。
この答をだすために、ここに来たんだ。

私にとって、最高の旅となっていた。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:22 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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