2013年01月アーカイブ
2013年01月26日
命
「日本人10人死亡確認」
アルジェリア人質事件のニュースから
数日が経った。
先日の朝日新聞の天声人語には、
「家族は、悲しみを抱きながらも
仕事をし食事を摂り、時に泣き、笑い、
生きてゆかねばなりません」
と書いてあった。
資源を持たない私たち日本人が
生きていくための
石油であったり、天然ガスを、
豊富に私たちの生活に与えるため、
遠い国で奮闘している人々の中で、
今回、命をかけて、
そして失った人たちがいた。
20年ほど前、湾岸戦争のとき、
私の夫は、中東にいた。
いつ空爆されるかといった
緊迫した状況の中、
子どもをかかえて、日本で待つ私は、
毎日NHKのニュースだけを信じて
生きていた。
ニュースを見ることしか、
考えられなかった。
あの恐い数ヶ月がよみがえる。
戦争の後、数ヵ月後から、
私は子どもを連れて、中東に駐在員の妻として、
4年間近く暮らすこととなった時代があったが、
今回の事件は、他人事ではない思いで
見続けた。
亡くなった人たちの最期の心の叫び、
そして、その情報を待ち続けた後の、
最悪の結末。
悲惨という言葉以外、
見つからない絶望の中で、
最愛の人を失った家族の現実を、
国や、会社、社会は、
何を考え、何を感じるべきなのだろう。
私たちの生活が、どれだけ、
海外で危険の中、生きて仕事をしている人たちに
支えられているのか、
テロについて考える前に、
心からの感謝をしたい。
そして今回、犠牲に合った人たち、ご家族に、
ご冥福を心から手を合わせてお祈りしたい。
日々のいつもの普通の生活の中で、
突然やってくる悲しみ。
それは、残された人たちのすべてを壊し、
失うものだということを改めて感じ、
命を本当に大切に大切にしていきたいと思う。
そしてまた、この命の重さについて、
カウンセリングの中で、
できるだけ数多くの人に伝えていくことが、
今の私にできることのように思えた。
2013年01月21日
更年期について
宝島社TJMOOKという本に、
取材を受けた記事が載りました。
昨年の暮れに、
2時間に及ぶインタビューを受け、
その内容は、まさに女性の問題、
更年期についてでした。
女性の更年期の心の変化、
性生活も含めた夫婦の問題、
仕事と家事、育児の両立での悩み、
結婚についての問題、
自分の居場所の探し方など、
更年期の人に限らない、
日々のカウンセリングで
お話を聞かせていただいている内容についての
インタビューでした。
私たち女性は、動物学的にいうとメスであり、
どうしても物の考え方や捉え方が受身であり、
家族や社会に対しても犠牲的な感情に
なりやすいものです。
「こんなにがんばっているのに、
何故、私だけがこんなにつらいのか。」
「何故、子どもたちも夫も分かってくれないのか」
など、どうしても「何故」という
疑問の答を見出すために、
何かを探したり、考えたり、
そして、行動したりする前に、
ただ「悩む」というほら穴に
入り込んでしまうのです。
カウンセリングでは、
悩みを悩みのままにせず、
新しい見方や考え方、行動の仕方を
アドバイスしていく時間なのです。
悩みは、時が過ぎていく中で、
解決してくれるものも数多くありますが、
時が過ぎていく中で、新しい悩みが
生まれてくるものでもあります。
自分の悩みの傾向や、
自分の性格を知り、向き合うことで、
新たな悩みを、いつの日か
乗り越えていく自分に出会えていけるとき、
自信が身についていくという流れが
できあがっていきます。
女性にしかできない生き方を
凛として進んでいくお手伝いを、
今後もしていきたいと思っております。
また、今回、インタビューをしてくださり、
私のことばを忠実に記事にしてくださった
ライターの田中様に、
心より感謝いたしております。
ありがとうございました。
宝島社 TJMOOK
キレイを作る 女性ホルモン パーフェクト・バイブル
2013年1月16日発売 定価880円
ISBN978-4-8002-1562-9
2013年01月17日
雪の日
成人式は大雪ふぶきだった。
20歳の下の娘は朝から
着付けがあり、私も一緒に
つきそうこととなっていた。
着物に着がえ終わった娘は
美しすぎて、私の娘とは
思えない程だった。
あの日から20年、
思い出せない程の物語が
私と娘の間にはある。
湾岸戦争後、夫の仕事の関係で
赴任したアラブの国で、
下の娘の妊娠期間をすごした私は
妊娠7ヶ月目に出血をしてしまい、
3歳の上の娘を連れて
日本に帰国した。
無事出産した娘と上の子を連れて
再びアラブの国に戻ったのは、
下の娘がまだ3ヶ月の時だった。
アラブの国に住みながら、
夫の仕事関係のお客様接待に
追われる私の代わりに、
何もできないインド人のメイドに
二人の娘を預けなくてはいけなかった。
はじめての異国で、
生活や環境やことばの壁に
混乱しながらの私の子育ては、
決して彼女たちにいい環境とは
いえなかったと、今思い出しても
胸が痛くなる。
日本に帰ってきてから間もなく
仕事をはじめた私は、ほとんど
母に子育てをまかせていたので
どれだけ彼女たちに淋しい思いを
させたかと思うと、
何度も謝りたくなってしまう。
何年か前に、下の娘に
「ママはいつもいてほしい時に
いてくれかったじゃない」
といわれたことがある。
私は子どもに対しては、
最大な無条件な愛を
いつも意識はしていたけれど
毎日が仕事中心で帰りも遅く、
ゆっくりと時間をかけてあげては
いなかったと思う。
そんな、普通とは違った歴史の中でも、
彼女は素直に明るい素敵な子と
成長してくれた。
そして成人式のその日、
彼女は美しい着物姿を
私にプレゼントしてくれた。
「ママ、ありがとう」
娘のことばに心から
返したかったことば、
「こちらこそありがとう、本当に。」
天から降る白い大きな
たくさんの雪は、
決して忘れない最大の愛の形に
私は感じた。
その日、寒さの中でも心の中は
本当にあたたかい日となっていた。
2013年01月11日
笑うということ
明けましておめでとうございます。
今週から普段通りの時間で
仕事が始まりました。
休暇の間は、おせちを作ったり、
お墓参りをしたり、
お笑いのテレビに明け暮れたり、
後半は神戸の娘のところへ行って、
彼女の話を朝まで聞いたり、
新春吉本新喜劇を観て
笑い泣きしたりの生活をしてきました。
久しぶりの長い休みに
少し戸惑いながらも、
仕事以外のもう一人の自分と
思い切り向き合ってきました。
「笑う」ことが、
こんなにも素敵な時間なのだと、
あらためて感じることができ、
私はとても長い間忘れていた気がしました。
知らず知らず、自分の時間の中で、
思い切り笑うことも泣くことも
忘れてきてしまっていて、
「笑い」のある、ユーモアのある生き方を、
この年だからこそ、
もっと感じられる人となりたいと思った
お正月でした。
今年もよろしくお願いいたします。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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