2018年08月アーカイブ

2018年08月28日

夫婦の形~秋の訪れ~

夏が幕を降ろそうとしています。

あの夏の熱い空気や、
焼けるような光、
体中の全てが蒸発してしまいそうな、
生死をさまようような
あの怒りに近い環境は、
すべて、少しずつ
思い出となりつつあり、
秋の訪れとともに、
すずしげな風は、
なぜか、あの頃とは違った空気を
感じさせてくれる頃となりました。

男と女のドラマを毎日のように見て、
感じている私は、
この夏の終わりかけの時期は、
やはり悲しげな時期でもあります。

ここに来ている夫婦や恋人たちは、
確かに花を見て笑い、
青い空をみて
どこまでも登れるような希望に
満ちていて、
触れ合うたびに心が躍り、
お互いを愛しいと思っていたはずなのです。
なのに、あの頃は、
遠い遠い憧れになって行ってしまっています。
好きだよ。と
素直に伝えたはずが、
今は、会話をすること、
話し合うこと、
好きだよということに、
どうしてなのか、
意味や理論や形が
必要となってしまったのです。
まるで夏から秋に
変わったかのように。

男はあの頃のようでなくなり、
女に話すことがめんどくさくなっていて、
それを、仕事のストレスのせいにしています。
女は優しいことばをかけることも忘れて、
男が気づいてくれないことや
わかってくれないことや、
いつも疲れていることにいらだちを感じ、
私だってこんなに大変なのにと
文句ばかりを言う
美しくない物と
変化してしまっています。
男は、癒しのない家に帰らなくなり、
女は、子どもと一緒に残されて
ますます悲しくつらく
醜く孤独になっていきます。

女性たちよ、私たちは
命をかけて1つの命を
生もうとした時がありました。
男たちよ、あなたたちは
妻と子どもをたしかに守ろうとしました。
あの時。
その、在り方が今は変わってしまったのは、
相手のせいではなく、
自分の心の変化です。
相手の責任にする前に
自分の変化に
まず気づいてほしい、
と思ったりしています。

夏は終わりかけているけれど、
落ち着いた、安らかな秋が
訪れようとしています。
秋は秋で
とても美しいはずなのです。

男と女は、
これからが本当の意味で
実を結ぶ時なのだと
私は思いたいのです。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:31 

2018年08月02日

フランス的夫婦の形

昨日は、食事をしながら
フランスのシャンソンを
聴きました。

エディット・ピアフや
ジュリエット・グレコは
よく聴くのですが、
昨日は、ピエール・バシュレ
(Pierre Bachelet)の
「guitte moi」(私から去って)
を聴いて、はまってしまいました。

この歌詞の訳はざっとこんな感じです。
「あなたを愛していたよ。
 でも、もうベッドは氷のようで
 幸せなカーテンも
 何の意味もなくなって・・・
 でも君はそんなことは
 重要ではないと言っている。
 二人でただ黙って
 ご飯を食べ、
 沈黙を破るためにテレビを見て、
 それは死より良くない。
 僕を愛しているふりをしているうちに、
 まだ間に合うから
 僕がいじわるになる前に
 どうか僕から去ってくれ」

つまり、フランス人らしいなと思って
はまってしまったわけなのです。

これが日本人になると
(特に夫婦カウンセリングの現場では)
相手の欠点や不満を言い、
ひたすら相手のせいにだけして
結果、一緒にいても意味がないから
別れるとなるケースが
多い気がしました。

このフランスの曲を聴いていると、
別れにも、
優しさや思いやりが
残っているうちに・・・
去って欲しいという
心理的な表現が
数多くある気がしたのです。

国が違うと、
こんなにも
男と女の物語の中の表現が
違ってくるのだと、
感心してしまいました。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:29 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

月別アーカイブ

カレンダー

2018年8月
« 7月   9月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

オススメ