2019年08月アーカイブ
2019年08月27日
百日紅
庭のサルスベリが
今年も咲きません。
初夏~秋にかけて
長い間鮮やかな紅色の花を
咲かせるはずなのに。
毎日、庭に出て、
待ち続けて見ているのに、
咲くようには全く思えません。
サルスベリは
咲きたいと思っているのでしょうか。
それとも、まだ咲きたくないのでしょうか。
この場所の何かが
気に入らないのでしょうか。
葉は元気に茂っているのに
花だけが咲きません。
サルスベリの木を買った年の初夏には
かわいらしい紅色の花を
咲かせてくれて
ウキウキした気持ちになったのに。
昨年も今年も
見れていないのです。
あの頃と何が違ったのかと
考えてみました。
それは、私に余裕がなく、
あまり庭に出ていなかったのです。
ゆっくり庭を見渡すこともせず、
お水だけはあげていたのですが、
心がそこにはなかったのです。
花は正直なのかもしれません。
その姿は、ふと
夫婦の関係みたいだなと
思ったのでした。
最初は気にかけて、
よく見つめ合って
興味を持っていても
だんだん、現実の生活に追われて
相手の顔も様子も
気にしなくなる。
食事だけは用意するけれど・・・。
サルスベリは
悲しんでいるのでしょうか。
あきらめてしまったのでしょうか。
それとも、怒っているのでしょうか。
もう一度、
花を咲かせてくれませんか。
貴女をもう一度、
ちゃんと見つめてみるから。
もう、秋になろうとしている
今日この頃でした。
2019年08月22日
大切な一箱
「人生で最も難しいこと
許すこと
忘れること
信じること」(作者不詳)
夫婦関係でも
親子関係でも
恋愛でも仕事でも
今の環境でも・・・
何もかもに疲れたとき
人から裏切られたとき
過去のつらい出来事が
どうしてもよみがえってしまうとき
自分への評価がなかなか上がらず
認めてもらえてないと感じたとき
自分ばかり大変な目にあってるように
感じるとき
自分はだめな人間だと
自分を責めてしまうとき・・・
許すこと
忘れること
信じること
これが必要なのだと
改めて感じます。
ただ、
許し方
忘れ方
信じ方が
わからないことが多いのも
事実です。
どうしたら許せるのか
どうしたら忘れることができるのか
どうしたら信じれるのか
答えが出ないときもあります。
ただそれは、
自分の中で
本当はまだ
許したくなくて
忘れたくなくて
信じたくないのかもしれません。
その問題をまだ
無意識にでも
解放したくない
自分がいるのかもしれません。
そんな時は、今は
時間が必要なのかもしれません。
許すこと
忘れること
信じることの問題を
置いておくことが
必要なときもあると思います。
人に話してみることも
必要かもしれません。
解決しようとすることが
すべてではなく、
押し込めてしまうのでもなく、
きれいな箱に
そっとしまって
開けてみれるときまで
そばに置いておいてもいいのだと
思います。
私も
きれいな箱にしまって
白いリボンをかけて
とってあることがあります。
いつか、
白いリボンをとって
箱を開けて
見ることができる日が
来るかもしれないし
箱の存在すら
忘れてしまうかもしれないし
ポイっと捨てられるかもしれません。
待つことも
大切な気がしています。
2019年08月06日
空間
私の好きな本の中に
『さまざまな空間』ジョルジュ・ペレック
があります。
「生きること、
それは空間から空間へ」
パリ生まれの彼は、
さまざまな空間を
ベッド、アパルトマン、通り、
地図(カルチェ)、街、国、世界、
そして空間の中の空間と
フランス人らしく
おしゃれに綴っています。
それで、私の大切な空間は
どこだろうと
ふと考えたのでした。
まず、一番はベッド。
私は、広くて白いベッドが好きです。
そのベッドで
何の予定もない日曜日は
ほぼ半日以上を過ごします。
コーヒーを飲んだり、
サンドウィッチをたべたり、
スマホを観たり、
そしてまた寝たり・・・
これが大切な空間での時間。
次にキッチン。
この空間は、私にとって
ストレス解消の場所。
大きな冷蔵庫の中から
好きな食材を選んで
好きな料理を作ること。
それは、家族にだったり、
友人にだったり、
自分のためだったり。
だからキッチンの色は
私の好きな色。
うすいターコイズブルー。
そして、最後に
大切な大切な空間。
それはカウンセリングルーム。
私の全ての存在の意味が
そこにはあります。
たくさんの人と出会い、
たくさんの人の心の声を聴き、
たくさんのことばを発し、
泣き、笑い、悩み、考える空間。
まさに
「さまざまな空間」は
「生きること」そのものなのだと、
空間から空間へ
人はみんな小さな旅を
しているのだなと
思ったのでした。
2019年08月01日
自己の教育と子どもの教育
「両親が同時に自己を教育するのでなければ、
子供をひととおり教育することは不可能」
(アラン 原亮吉訳)
フランスの哲学者はこう言っています。
夫婦カウンセリングを行っていると、
日々この言葉を
考えさせられます。
夫婦は異性の関係ですし、
育った環境も違うわけですし、
感覚も、常識も、性格も、
たくさんのことが違う2人です。
その2人が結婚という形を
約束したのですが、
やはり、上手くいかない事も
多いわけです。
理解できないことが
あって当たり前である
とも思います。
それでも、どうしても、
お互いの人生において
マイナスばかりの事柄や
苦しすぎる関係の場合は、
離婚という結論を出す人も
最近本当に増えています。
ただ、2人の間に
子どもという命が
訪れてきた場合、
子どもは、2人の所有物ではなく、
違った人格を持って
生きていきます。
その違った人格の子どもを
理解しきれていない部分のある
夫婦が育てていくことになります。
教育は
何が正論か、何が正解かの
答えがどこにもない中で、
親は
自分の育ってきた環境を見習ったり
見習うことをあえてしない方向を選んだりして
独自の形で教育していきます。
夫婦2人でバラバラの考え方で
教育していってしまうことも
たくさんあります。
それでも夫婦が、
尊重しあえていたり、
大切に思い合うことが
できている関係であれば、
それぞれの役割で
教育の仕方が違っていても、
子どもがその形を
理解できたりもします。
ただそのお互いの教育の仕方を
夫婦2人が理解し、
認め、許可しながら、
同時に
自分自身の人間性を反省しつつ、
進歩していくために
学んでいく姿勢が
必要であるのでしょうね。
「自己の教育」
これは、本当に大切なことである
とは思いつつも、
とても難しいことだと
実感しています。
人はいくつになっても
学ぶべきことが
多いのですね。
生きている限り、
勉強が必要なのかもしれません・・・
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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