2007年07月アーカイブ
2007年07月30日
ポリシー
久しぶりに、
三浦の家を訪れた。
クリエイティブな仕事をしている
友達4人と、
そして私の友人1人とで出掛けた。
雨の日の三浦にもかかわらず、
たくさんの刺激的な話で盛り上がり、
あっと言う間に、夜中の3時になった。
雨は降り続けていた。
ひとつのものを、
自分のポリシーを曲げないように、
人に受け入れられるように、
その葛藤の中、作り上げていくための、
精神力と果てしない時間。
そしてまた、出来上がった作品への
それぞれの人の厳しい評価。
彼らは、それでも作り続ける。
私の生きている世界とは
全く違う彼らの生き方の中で、
私の友人1人の言葉が
新鮮だった。
「私、子どもが欲しいんです。
だから今、結婚したくて
仕方がないんです。」
ポリシーを持ち続けるといった
それぞれの厳しい考え方の議論の中で、
彼女の言葉はなんとなく
ほっとできた言葉だった。
そうよね。
人と生活し続けることも、
ある意味、努力が必要なこと。
責任を持つことだもの。
それも生き方のポリシーのひとつ。
楽しい週末だった。
2007年07月27日
平等
障害を持つ子どもの母親と、
障害を持つ子どもの
兄弟である若い女性。
その母親と若い女性の
親子の関係の話。
母親は、障害者である子どもと、
健常者の子ども、
2人に変わらない愛情を
平等に与えてきた。
母親は、2人を健常者と思い、
差別なく育ててきた。
でも、障害を持つその子は、
時に大きな体を持て余すかのように、
家の中で叫び続け、走り続け、
どんな時も一緒にいることを
強制する。
妹である彼女は、
一人暮らしをしながらも、
週末はその家に戻ってくる。
母のために。
その障害を持つ兄弟のために。
母は心から、彼女に説明する。
「あなたは気にしなくていいのよ。
自由に生きていいのよ。」
彼女は、昔も今も、
何も変わらない環境に不安を感じ、
将来に絶望し、
健常者と変わらない接し方を
その障害の子に対してしている母親に
怒りを感じながらも、
自分だけがその兄弟に
差別意識を持っていると、
罪悪感を感じ、苦しみ、悩む。
母が死んだら、
誰がこの子をみるのだろう。
私しかいない。
でも、自由にしていいと
説明されている。
この、どこまでいっても平行線の
環境と考え方に、
何かしらの答を求める。
母親の苦しみと、いたわりの愛情。
彼女の苦しみと、いたわりの愛情。
どちらも同じなのに、
この2人の間には、
その障害の子に対して、
親の立場と兄弟の立場といった
大きな壁がある。
親としての責任と、
兄弟としての将来の責任。
どちらが重い責任なのだろうか。
国は、こういった2人の運命に対して、
何を与えてくれるのだろうか。
受け止めなくてはいけない現実に対して、
誰が何をしてくれるのだろうか。
そしてまた、その障害者である
その本人の苦しみに対しては、
どうなのだろうか。
平等という言葉の重さを
感じずにはいられなかった。
果たして、本当に、
平等はあるのだろうか。
同じことが、本当に平等なのか。
そんなことが、ぐるぐると、
頭の中で回り続ける。
そんな日だった。
2007年07月25日
暑い夏の始まりに備えて、
髪を切りに行った。
スタッフの数も多い、大きな空間の
きれいなその美容室は、
数多い元町の中でも、
昔から成功を収めている所だと
思っている。
その美容室のオーナーは、
栗毛色に髪を染め、
なかなかユーモアのある
素敵な50代の男性だ。
また、若いスタッフの
お客様への対応もいつも気持ちよく、
教育されていて、
オーナーである彼の
指導のあり方を感じさせられていた。
その彼が、今日、
私の髪を切りながら質問してきた。
「僕も心理学を学ぼうかな。
人との接し方も、スタッフの教育も、
みんな言葉ひとつだからね。」
もう十分、分かっていらっしゃるのではと
心の中で思いながらも、
彼の仕事への前向きな謙虚さを
見た気がした。
やはり、認められてきた人は、
努力しているということ。
努力は、し続けるということ。
それも、義務ではなく、自然にね。
きれいに、さっぱりとした髪を撫でながら、
心に手を置いて、
静かな元町を歩いて帰ってきた。
2007年07月23日
覚悟すること
ジェーン・バーキンが
訪日したという。
彼女は、私の愛して止まない
セルジュ・ゲンズブールの
奥さんだった人。
ゲンズブールが亡くなる3日前、
彼女に、カルティエのダイヤのネックレスを
プレゼントしたというエピソードを、
雑誌で読んだことがある。
セルジュ・ゲンズブールとの生活の中で、
彼女が学んだことは、
「愛することというのは、
ひとつの覚悟をすること」
らしい。
この2人は、結婚して9年後、
離婚したが、
その後も彼が亡くなるまで
友達として交流があったらしい。
やはり、いい男に愛された経験のある女は、
いつまでも美しい。
彼女は、長い髪を、ばっさりと
ベリーショートにして、
表情豊かなオーラを発散し、
今でも愛の真っ只中にいるようだった。
愛することに制限はないといった
聖書の中のことばを、
そのまま受け継いでいるようで、
素敵な年の取り方をしている女性の
1人だと思う。
覚悟すること…
なるほどね。
でも、この意味が、
ジェーン・バーキンの年になったとき、
私には、もっと深く深く
理解できるようになるのだろうか…
などと考えた日。
2007年07月20日
花火
横浜の国際花火大会が、
台風の影響ということで中止になった。
毎年、1年の中のひとつの大きな行事として
楽しみにしていた日だったので、
なんか力が抜けてしまった。
淋しさを紛らわそうとして、
7月4日のアメリカの独立記念日の
花火を想い出していた。
N.Y.滞在中に、たまたま居合わせた
この特別な日には、
街中の人がマンハッタンの中心に
集まり始め、お祭り騒ぎだった。
この日、私は、
五番街から少しだけ離れた
アパートメントホテルの屋上にいた。
屋上は、きれいにイルミネーションで
飾られていて、
たくさんの人が花火を見に訪れていた。
ビルの合間から見えた花火は、
日本の夏を思わせるそれではなく、
アメリカの国旗を想像させる
きらびやかな、様々な星型の光だった。
クライマックスの頃に、
ルイ・アームストロングの
What a wonderful world が
鳴り響いた。
体全身で、アメリカを感じた一瞬だった。
様々な国籍の人たちが、
一緒に、この独立記念日を祝っていた。
抱き合って空を見上げる若い2人。
喜びと悲しみの両方ともとれる表情で
見つめる老夫婦。
子どもと一緒に大声で
曲に合わせて歌っていたスパニッシュ系のママ。
それぞれの人の感動の渦の中にいると、
まるで私までもが、アメリカ人のような
気分になっていた。
確かに、この曲にぴったりの夜だった。
「なんて素晴らしい世界なんだろう」
こんな気持ちになれた自分が
とても久しぶりであることに気付いた。
それでも、この国の戦争は
まだ終わっていない。
変わり始めている世論の中、
ここに集まった人は、
このアメリカの姿を、どう捉えていたのだろう。
そんなことを感じた日だった。
そして、インディペンデンスという言葉の意味を、
自分の生き方と照らし合わせた日でもあった。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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