2024年12月アーカイブ

2024年12月27日

今年の終わりに

今年も残すところわずかとなりました。

皆さまのご支援のおかげで、
無事に一年を終えることができましたこと、
心から感謝致しております。

来年はこのカウンセリングルームも
四半世紀を迎えることとなります。

来年もより一層の努力を重ねて
真摯に向き合わせていただきたいと思っております。

これからもどうぞよろしくお願い致します。

どうぞ、良いお年をお迎え下さい。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:04 

2024年12月24日

アダムとイブの物語

アダムとイブは「知恵の木の実」を食べました。

神からの大切な教えに反し、神を裏切りました。
その後、「自分達が裸であることを知り、恥じた」とあります。
あの時から人間は男と女は異性であると知りました。

そしてアダムはリンゴの実を食べたイブを責め
自分にも食べさせたと神に報告しました。
イブは私を誘惑した蛇のせいだといいながら
イブを助けてくれなかったアダムを責めました。

二人のお互いの罪の形は
今の現代社会の男と女にも似ていて
相手を責めることで自分を守りたい意識があります。
私たちの罪の本当の意味は
自分を正当化する方法(知恵)を知ってしまったことなのかもしれません。

(「ゆがんだ愛それから」からの引用)

ただ、この嘆きの中に希望があるとすれば
相手を責めるという気持ちの中には
共感・理解してほしいという気持ちがまだ、残っているからだとも思うのです。

それは
私たちは人を愛するということ
愛されるということの
大きな方法(知恵)を学ぶこともできるという事でもあります。

そんな事を考えながら
クリスマスイブの今日という日を
穏やかに静かに希望を持って過ごしたいと思いました。

そして
この日に心打たれた詩の一部を贈りたいと思います。

「人々の祈りの部分がもっとつよくあるように
 人々が地球のさびしさをもっとひしひしかんじるように
 ねむりのまえに僕は祈ろう

 一つの小さな祈りは
 暗くて巨きな時の中に
 かすかながらもしっかりと燃え続けようと
 今 炎をあげる」
          二十億年の孤独 谷川俊太郎

皆さまへ

メリークリスマス

投稿者 椎名 あつ子 : 16:10 

2024年12月18日

クリスマスプレゼント

忘年会シーズン到来でお忙しい方もいらっしゃるかと思います。

私は、正直にいうと友達が少ない方なので
この時期にあえて会おうと思う人は自分の中で特別な人となります。

先日も久しぶりに会った友達がいました。
ただ、その彼女とは長い間会うことができないでいました。

それは共通の友人からの様々な噂話から
何故か連絡を取り合うことができなくなっていました。
その噂話を他の人から聞いた後
お互いが確かめることもできずに
ただただ、時間が過ぎてしまっていました。

噂だと感じながらも
嫌な気持ちにはなっていましたが
日々の仕事や、家庭のことなどで追われていて
その彼女のことは少しずつ忘れていっていて
コロナの時期もあり5年ほどの月日が経ってしまっていました。

在るきっかけで最近彼女と偶然会うことがあり
また、久しぶりにご飯でも行こうとなって
その日を迎えることができました。

久しぶりに会うまでの月日の中で
何をしてきたのか、どんなことがあったのか
子ども達の事や、身体の変化や、仕事のことや、
たくさんの事を話しました。

そしてあの時の噂話の問題についても。

そして噂話をした人の今の生活などを聞いているうちに
私たちがその噂を疑うことなく
なんとなく受け止めてしまい
あの時、そのままにしてしまったこと
なぜ、あの時もっと会おうとしなかったのか・・・

そして
あの噂話が

たくさんの偽りであり
その人の保身から来る言葉でしかなかったことが分かって

私たちは、お互いのモヤモヤした嫌な気持ちから解放されました。

彼女と食事をしながら話をしていて
昔、どれだけたくさんの場所に一緒にでかけたか
今でも可笑しくて笑ってしまう嬉しい時間であったかを
思い出していました。

人間関係は時にそれがたとえ噂話であっても
小さな誤解がいつのまにか
大きなしこりになってしまうことがあります。

私たちもそうでした。

でも、一緒に居た時間や笑った思い出は
やはりかけがえのない真実なのでした。

歳を重ねてくると
自分にとって本当に大切な人が誰なのか分かってくるのかもしれません。

大切だと思う人とだけ会えばいいし
そうでない人とは距離ができていくことも
自然な事とおもっています。

彼女とはこれからも
お互い自然な形で会って楽しい時間を過ごせると
思えることができますし
お互いを尊重して
彼女の今後の幸せを祈ることができる気持ちを
再び持てるようになったと感じています。

今回の再会は
神様が私に与えてくれた
素敵なクリスマスプレゼントとなりました。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:25 

2024年12月09日

むくどりの夢

最近、むくどりの大群被害によって住民が困惑しているというニュースをみて
なんともいえない気持ちになりました。

むくどりは、私にとって懐かしく、温かな大切な思い出の鳥だったのです。

小学生の時、母が買ってくれた絵本で今でも覚えているのが
「むくどりの夢」という大きめの本でした。

むくどりと聞くと今でも切なくも温かな気持ちになることを
思い出して、探して新しく取り寄せました。
昔読んだ本とは、絵が違っているように感じましたが
お話しの内容は同じで、あの頃の事を思い出すきっかけとなりました。

広い野原の真ん中に古い栗の木がありました。
お父さん鳥とむくどりの子は栗の木の穴の中で一緒に暮らしていました。

秋もくれてススキの穂が白くなるとお父さん鳥はその穂をくわえて巣の中に持ってきてくれました。
穂はとても温かくて
お父さん鳥とからだをすり寄せて一緒に寝ることが楽しみでした。
けれども、天気の悪い日が来て、外に出れない日が続いて
ふと、お母さん鳥のことを思い出しました。
お母さん鳥はこの世にはいなくなっていました。
けれどもむくどりの子はそうとは知らずに
お父さん鳥が「遠いところにでかけていった」と教えてくれていたので
いつかお母さんは帰ってくると思っていました。

ある日むくどりの子が聞きます。
「お父さん、お母さんはまだ帰ってこないの」
お父さん鳥は静かにいいます。
「もう少し待っておいで」
「今頃は海の上を飛んでいるの」
「ああ、そうだよ」

それから月日が経って
ある夜中にカサコソ、カサコソと羽の擦れ合うような音がして
むくどりの子はいいました。
「おとうさん、おかあさんがかえってきたよ」
お父さん鳥はびっくりして目を開けますが
すぐに気がついて
「いやいや違うよ。風の音だよ」といって目を閉じます。

それでもなかなか眠れないむくどりの子は巣を抜け出して入り口まで出てみると
一枚の枯れ葉が風に吹かれて音を立てていたのでした。

むくどりの子はどうしてもその音がお母さんの羽のように感じて
お母さんのささやく優しい声のように思うのでした。

次の日、むくどりの子はその一枚の枯れ葉が風で飛ばされないように
巣の中にあった長い馬の尾の毛をくわえて
枯れ葉を枝にしっかりとくくりつけました。

その様子をお父さん鳥は見つめていました。

その夜、むくどりの子は夢を見ます。
身体が白い1羽の鳥が飛んできました。
「おかあさん」と呼ぶけれど
その白い鳥は何も言わずにむくどりの子を優しく見つめていました。

次の日のあさ、
一枚の枯れ葉の上に薄い雪が粉のようにかかっていました。
それを見てむくどりの子は
昨日の夢は、この白い葉であったのかもしれないと
自分の羽で叩いて葉の雪を払い落としてあげました。

お話しはここで終わりとなっています。

親が子どもを想う気持ちと子どもが親を感じる気持ちが描かれていて
切なくて、やさしい、ものがたりでした。

お父さんから教えられた
おかあさんは遠くに出かけているのだという言葉が
いつの日か
それは子どもを悲しませないように
子どもを守るためについた優しい嘘であったと
子どもが気付く日まで
一緒に包み込んでくらす

それは、親として、
子どもが親離れする日までの現実の日々であるように感じました。

最近は、子どもにより早い内に現実を伝えることも多くなっていますが
この絵本を読み返して
子どもの心に今しばらく寄り添いながら
真実を伝えない時間も
もしかしたら
必要な時もあるのかも知れないとおもったのでした。

それが優しい思いやりのある子に育てる
方法である場合もあるのかも知れないと

むくどりの子は、いつの間にか
雪のかかった白い枯れ葉がお母さんではないことを
知りながらも
自分の羽で雪をはらってあげるという
思いやりの心をもった子に成長したのですから

「むくどりの夢」(浜田廣介著)

私のそばに置いておきたい絵本となりました。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:13 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

月別アーカイブ

カレンダー

2024年12月
« 11月   1月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

オススメ