2024年01月アーカイブ

2024年01月30日

平等であるということ

親からの子どもへの平等な愛情とは?
一体どういったことなのかなと考えさせられることが
最近数多くありました。

親として[きょうだい]へのサポートは
それぞれの個性や性格の違いを意識して
それぞれに合ったアプローチや愛情の与え方をすることが
本当に大切な事なのだなと思いました。

私は[きょうだい]に対して
平等に同じ量や形の愛情を注ぐだけではなく
その時その時の状況で一番愛情を必要としている方に
与えることがあってもいいのだと思っています。

例えば、繊細でいろいろな事に敏感で
学校内でも内気な方であまり自己主張はせず
お友達の言葉や行動に従順な子には
いつもお友達に気を遣っているので
お母さん、お父さんの優しい声がけがたくさん必要ですし、
この子の自己肯定感を高める意味でも
焦らず手出しをしすぎずに見守っていく中で
小さな事にもほめて自信をつけてあげることなど
特別に集中してもいいと思います。

また、反対に社交的ではっきりと自己主張もし
周りの子の事を気にかけることよりマイペースな性格な子には
多少放任にしていても大丈夫である場合が多くあるように思います。

こういった性格が違う[きょうだい]に同じ愛情を与えてしまうと
繊細で内気な子の方が自分への愛情が少ないと感じてしまう場合も
よくあります。

また、子どもが二人以上いる家庭では
ついつい下の子には甘く
上の子には厳しくなってしまうケースも多いものです。
しかし、親として「平等」を意識しすぎてしまうと
上の子にとっては受け入れることがつらい
不平等である場合もあるように思います。

何故なら上の子は生れてきた時は一人っ子で
親の愛を独占できていて
それが当たり前として生活してきているからともいえます。

また、親の気持ちとしても
自分の気持ちを理解してくれて
自分の言うことをよく聞いてくれる素直な子
いい子に愛情を多く与えてしまっていたり
親に対して心を和ませてくれる方などと
親自身の都合で愛の与え方を区別してしまっていることもあるようです。

Aさんの場合は(Aさんは特定な人物ではありません)
女の子、男の子という順番の[きょうだい]2人なのですが、
上の女の子はしっかりしていて頭も良く
学校でもリーダーシップ的存在です。
下の男の子は少しやんちゃで甘えん坊で
嫌な事は絶対に嫌でお母さんをよく困らせています。

下の男の子は上の女の子によくちょっかいを出し
わざと女の子のおもちゃで遊んだり、
女の子の泣いた顔の真似をしたりして
最後には上の女の子にものすごく怒られ
ぶち合いの大ゲンカになります。
そんな時お母さんは「うるさーい!やめなさい!!」と
2人に対して注意します。
お母さんはいつも平等に
2人に対してケンカをやめるように言い続けていました。

何度注意してもケンカはほぼ毎日繰り返され、
ある日、下の男の子が上の女の子の顔にケガをさせてしまいました。

その後の状況がどうであったか、どう注意したか
お母さんもあまり覚えてはいない様なのですが、
そのことがあってから2人の[きょうだいは]仲が悪いままで
そのまま下の男の子が大学生になった時、
下の男の子がお母さんに言いました。
「僕はあの女を許さない」

こういった[きょうだい]の不仲が大人になっても引き続いている場合は
[きょうだい]間で相手に対してコンプレックスや憎しみ怒りなどが
芽生えていないかが今後の関わりの中でも大切になっていきます。

そういった[きょうだい]の問題を抱えたままの場合
大人になっても人間関係や社会に対して不信感を抱きやすくなり
敵視するようになります。
また、異性に対しても独占的、支配的になりやすく
問題が大きくなりうる可能性があります。

[きょうだい]のケンカは当たり前ではありますが
大人になってからも不仲が強い場合においては
時に親の問題としても受け止めていく時期で
親としての接し方に不安や心配や見直しが必要であると思われる場合は
気にかけて様子を見ていただき専門家に相談されることも
必要であるのかもしれません。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:40 

2024年01月26日

船の旅の終わりに

横浜中華街にある老舗のバーレストラン
「ウィンドジャマー」がもうすぐ創業51年の幕を下ろします。

このお店は船体をイメージしていて
ジャズの生演奏を聴きながら
美味しい数々のオリジナルカクテルや
ピザや大きな大きな手作りハンバーガーが
食べられる場所としても有名な所でした。

2階建ての広く重厚感のある木の船内での時間は
私にとってとっても特別でした。

平日の日は1階の観光客の多い船内ではなく
2階の静かな船内が私は居心地が良く
大好きでよく出かけていました。
2階にはNさんというクルーがいつもいらっしゃって
彼はいつも礼儀正しく、物静かでありながらも
立ち振る舞いにプロの姿勢が感じられ
まさにフランスのギャルソンのような人でした。

ウインドジャマーは私にとっては
いつも近くにある船で乗りたくなったらいつでも行ける存在でした。

でもコロナになりお店が休業している時期も重なり
気づいたらだんだん行かなくなってしまっていました。

久しぶりに昨年の夏には再び出向いて行きましたが、
2階の船内はクローズとなり1階だけとなり
私にとっての大好きな静かな空間がなくなり
Nさんとの会話もなかなかできなくなって
淋しい気持ちのまま時間が過ぎていってしまいました。

そして昨年12月に
突然「ウインドジャマーの航海を終える」という
閉店のお知らせを知りました。
いつでも行けると思っていた自分に対して
大きな後悔をしました。

閉店間近の店の前には
最後に生演奏を聴きながら
オリジナルカウテルと食事をしたい人たちが
たくさんたくさん列に並んでいました。
2時間待ちということで、
私はその光景に戸惑いながら列を外れて
お店の横の入り口辺りでNさんに会えないかと思いながら待っていました。

30分程してNさんがひょっこりたばこを吸いに外に出てきました。

私はNさんに近づいて泣きそうになりながら言いました。
「長い間お疲れ様でした。一度最後にお別れを言いたくて。
お会いできて良かったです。本当にたくさんありがとうございました。」
私とNさんはハグしあいながら何度も握手をして別れました。

Nさんとはいつかどこかで、ばったり会うことがあるのかもしれないし
もしかしたら、もう会うこともないのかもしれません。

ただジャズの曲が静かに流れる2階の船内で食べた
ラムチョップの味
アンチョビピザの味
そしてNさんと話したささやかな時間。

私の癒やされた空間と時間が
たしかにそこにあったこと…
まさか、こんな別れが突然のように訪れるとは思っていなかったけれど
長い間の思い出はずーっと、ずーっと私の心の中に残ることとなっていくでしょう。

ウインドジャマー
素敵な船の旅の時間を
心からありがとう。
そしてクルーのみなさんもお疲れ様でした。
またどこかでお会いできたなら…
またね…

投稿者 椎名 あつ子 : 14:40 

2024年01月17日

心に寄り添えたら…

人間ドッグに行ってきました。
毎年、この時期に行くことにしていますが、
検査結果が来るまで緊張の日々が続きます。
いままで、何回か引っかかっていて、そのたびに精密検査になり
一度は手術も経験しました。

あの時は
とにかく、不安と恐怖で夜が長く辛い時間でした。
生きていることが当たり前ではなく
与えられた命が残り少ないのかもしれないと死をも意識した時でした。
そんな時に
病院の先生、看護師さんたちの献身的なケアや言葉かけにどれだけ救われたか、
家族や身近な人からの優しさにどれだけ涙したか。
今も鮮明に覚えています。

「後悔がないように毎日を大切に生きよう」と誰もがよくいう言葉ですが
後悔せずに現実を受け止めていくことは
なかなか難しいことであるとつくづく思います。

それは肉体的な病気や症状にだけ言えることではなく
精神的、心理的な状況も同じことが言えると思います。

生きることは楽ではなく大変な事が
ある日突然訪れて
それは、絶望に近いことも多いと思います。

今、能登半島地震で家族を亡くされた方々、
今でも避難場所で不自由で過酷な生活をされている方々、
それらの方々を命をかけて助けてサポートしている方々。
また、日常の生活においても
夫婦、家族、子ども、仕事、生活面などで
たくさんの方々が悩み、苦しみ、心を痛めている現状を目にしています。

今年になって海外でも国内でも悲しいニュースが重なっていて
心が晴れることが少ない日々であるように感じていますが、
そんな時こそ、身近な人や、
そして自分の「心」に目を向けて
壊れないように、傷つきすぎないように、
少しでもお互いをあたため合って寄り添えたらと。

言葉で言う程、簡単なことではないのですけれど。
個人的にそう思った日でもありました。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:37 

2024年01月09日

2024今年のはじめに

新年明けましておめでとうございます。

2024年、新しい年がはじまりました。
横浜心理ケアセンターは本日9日から開室致します。

今年は年始早々から痛ましい出来事が続き
今もなお、寒さの中たくさんの悲しみ、苦しみと共に
言葉には表しきれない絶望を感じていらっしゃる方々も数多く
いらっしゃることと思います。

心のケアが必要と感じられる方々に
少しでもお力になれればと思っております。
今回の「能登半島地震」で被災された方、御家族の方々に1日限定数の中で
無料でお話を聴く時間を取らせていただきたいと考えております。

必要を感じられる場合は、
メールかお電話でご予約をお受け致したいと思っております。
詳しくは当センターHPトップのお知らせの所を御覧下さい。
よろしくお願い致します。

ここ横浜心理ケアセンターも今年で25年目を迎えます。
ここまでこられたのも、たくさんの方々のお力があっての年月だと
心から感謝致しております。

これからも様々な問題やお悩みに対して
丁寧に真摯に向き合って
よりいい方向へと進めるお手伝いを
させていただきたいと思っております。

今年もどうぞよろしくお願い致します。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:00 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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