2013年03月アーカイブ
2013年03月23日
私のカウンセリングとは
「カウンセリングとは、
話しをひたすら聞いてもらって、
癒してもらう場所」
という認識を持っていらっしゃる方が、
まだまだ多いことを知りました。
確かに、「傾聴カウンセリング」では、
クライアントさんが
ご自分の悩みや出来事をカウンセラーに話し、
共感、理解していただくものでもあります。
人に話すことで、自分の心の中を整理したり、
客観的に考えられるようになるからです。
ただ、ここ、横浜心理ケアセンターでの
カウンセリングは、
病気の治療や、その問題の改善目的のための
時間であるということを大切にし、
重視しております。
共感、理解の傾聴は当然ですが、
それよりも、その人の物の見方の見直しや、
ご自分の長年の固定観念的な考え方を
まず知っていただき、
変えていくためのアドバイス、
また、さまざまな認知行動療法を用いて、
新しい生き方や、新しい行動力をつけるための
方法などの指導をしたりしております。
そのために、カウンセリングの時間は、
癒されることばかりではなく、
時に、自分と向き合うことから来る
苦しみや、気付きがあるため、
辛いときもあるものです。
心の中にたまった膿のようなものを出すときは、
みなさん、多少の痛みを経験します。
しかし、この時間を越えられたとき、
心の中から軽くなり、
新しい自分を発見することとなり、
大きな自信と、見違えるほどの、
真からの美しさからくる輝きを、
知ることとなるのです。
ここを「卒業」していく方は、
みなさん、大きな翼を広げて、
新しい世界へ飛び立っていかれます。
この姿を見られることは、
本当にカウンセラー冥利に
尽きるものでもあり、
喜びでもあります。
カウンセリングの本当の意味を、
もっと多くの方に知っていただき、
体験していただきたいと
心から感じています。
2013年03月16日
バランス
いつものように春が来た。
人との別れと、新しい出会いと、
少し冷たさの残った優しい風と、
人を少しでも、木々の芽のように
上へ上へと導こうとする、
大地のエネルギーを感じる季節。
この自然の力に負けそうにもなる。
もう、これ以上いいかなと、
思いたくもなる。
それは、まるで別れた人に、
ふと電話したくなる感覚に似ていて、
ある意味、人を混乱させる時でもある。
混乱してもいいのだと思う。
私たちは、完璧ではないから。
人間だもの。
それでいいのだと思う。
でも、決断はしよう。
混乱しつつ、迷いながらも、
次の行動を探そう。
しっかりと先を見よう。
混乱しながらも、先を見るという、
ある意味、矛盾しているようだけれど、
それが、つまりすべてバランスなのだと思う。
最近、馬に乗り始めて教えられたこと。
それは、バランス。
きちんと、鞍におしりを付けて、
馬を走らせる。
バランス感覚の中で
しっかりと重心はキープする。
つまり、地に足を付けることと
同じなのかもしれない。
それを忘れると落馬する。
人生と、馬に乗ることは似ている。
私は、春の日を感じながら、
そんなことを思った。
春を意識しよう。
すべてバランスなんだと。
そんなことを考えさせられた
一日だった。
2013年03月09日
作家 森瑶子
昔、森瑶子という作家がいました。
私は、彼女の生き方に惚れて、あこがれて、
カウンセラーになったきっかけも
彼女から与えてもらいました。
偶然か必然か、三浦に部屋を借りて、
週末にカヤックを楽しんでいた頃、
それが、彼女の別荘の近くであったことを
後で知ったり、
私の娘の親友のお姉さんが、
森瑶子さんの娘の学校と一緒だったり、
とても小さなことだけど
森瑶子さんとのつながりを
何故か意識していました。
彼女は、ワインとたばこがお友達で、
52歳で胃がんで亡くなりました。
私も、彼女の年齢に近付いている中で、
生きている間に何ができるのかを
考え始めています。
森瑶子さんは、何十冊もの本を残し、
風と共に去りぬの翻訳も手がけ、
ご自身のこと、そして娘、夫との葛藤を
エッセイにもたくさん残しています。
おおらかでおしゃれで、ユーモアがあり、
そして人としても凛とした生き方を
最後まで貫いた私の尊敬する女性。
ほんの少しでも、彼女のように、
ありのままの姿を隠さず
凛として生きていたいと思っています。
彼女の亡くなった年齢が気になり始め、
愛と死について考えている
今日この頃です。
2013年03月01日
Lover
昨年の私のお誕生日は、
人生の大きな区切りの時でもあった。
年齢的にも、体力的、精神的なおとろえを
感じずにはいられなくなり、
今まで普通にできていた事に
時間がかかったり、
踏ん張りがきかなくなったりする
時期にもなっていた。
焦りと不安と切なさを追い払うため、
「新たなことへの挑戦」
を、探して出会えたこと。
馬に乗ってみる。
乗馬に挑戦しようと思い、始めて、
8ヶ月が経った。
高貴なスポーツのイメージが強く、
なかなか踏み込めいでいたけれど、
やり方によっては、
そんなに高すぎるスポーツでは
ないことを知った。
初めは、馬が大きすぎて、
触れることさえも恐く、
乗るなんて、もっと恐怖だった。
相手は、当たり前だけれど機械ではなく、
昔、買って、あっという間に乗らなくなった
パナソニックの「ジョーバ」の動きとは
全く違った。
馬は生きている。
馬にも性格があり、感情があり、
その日の体調や気持ちの波がある。
動きたくなかったり、足が痛かったり、
なんとなくつらかったり、
人とその思いは同じで、
その馬に乗るということは、
馬の「心のささやきを聴く」ことだった。
初心者の私の、下手な手綱の動きに、
戸惑ったり、イライラしたりしながらも、
パートナーの私に合わせようとする
奥深い優しさと、
私を受け入れようとする感情に、
ひたすら感動を覚えた。
私は、カウンセリングを、
馬から受け始めていた。
私が調子が悪く、馬が元気なとき、
その日はお互いに壁があり、
良いコミュニケーションは生まれない。
また、馬がつらいとき、
私がやる気満々でも、
それは一方通行のコミュニケーションで、
お互いにパートナー同志が、
お互いを尊重して、
初めて、馬はリラックスして、
私を乗せて走る。
自由に動き出す。
馬から降りて、体を拭き、ブラッシングし、
麦入りのお水をいっぱい飲ませ、
りんごを感謝とご褒美にあげ、
顔をゆっくりとなげるとき、
馬は目を閉じる。
私の顔に、顔を近づけてくる。
そこには信頼があり、
恐怖はどこにもない。
魔法にかかったような、
究極な安らぎが、そこにはある。
私は、大切な信頼できる
パートナーでもあるカウンセラーと
出会えた気がしている。
乗馬は、70歳までできるスポーツと言われていて、
私は、生涯大切な人と出会えた喜びを
ひしひしと感じている。
恐怖や不安を越えて、
感じあうままに走ることの意味、
それは、生き方そのものと、
今は心から感じ、
年をとることも悪くないなと思い始めた
今日この頃である。
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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