2007年11月アーカイブ

2007年11月28日

女心

切なすぎるおんな心のメールを読んだ。
胸が張り裂けるばかりの思いの中で、
彼を愛し、
彼のやってきた過去の行動を
憎み、苦しみ、絶望し、
彼女は狂い始める。
狂っている自分を知りながら、
止めることのできない感情を
さらけ出してきた。

どうしていつも私を傷付けるの?
あなたは、たくさん
私を傷付けた。
私はあの頃、愛されてなかったのに、
私はずーっと愛されてないと分かっていても、
私はあなたを大好きだった。
不安になったり、心配するのは、
いつも私。
あなたはいつも忘れるの。
好きと思うことと、
本当に好きは違うと思う。
あなたは私と結婚した。
でもつらい。
思い出したくないことばかり。
傷がふさがらない。
開いたままなの。
………

大人になった女は、
一人の人を愛したとき、
これが最後の恋愛であることを願い、
子どもを産む時のように
命をかける。
それは、無意識に。

子どもを産む機能のない男は、
その女の気持ちを、
時に重いと思うだろうし、
恐いと思うだろう。

でも男も、女という母親から
産まれた命であることに変わりはない。
でも、男は女を、
時に残酷に苦しめる。
それもまた、無意識に。

彼女は素直な人だと思う。
正直すぎるから苦しみ、狂ったようになる。

私だけを愛して。
私だけを見つめて。
私だけを守って。

女はみんな、求めているのかもしれない。

でも、女にもプライドがある。
もうひとつの命を
この世に送り込む能力がある以上、
いくつになってもプライドがある。
だから、選ぶ。
この人に命をかけて、
一緒にいてもいいのか
悩む。考える。
そして、それも無意識に。

狂い始めた彼女は、
純粋で、優しすぎて、
とても愛しいけれど、
これはきっと、
男には分からない世界なのだと思う。

夜中、2時。
彼女のメールが、私の心に突き刺さる。

私も同じ女です。
あなたを分かりながら、
狂いきれない自分がいます。
だって、狂ったら終わりがくるの。
子どもを産み、
育て、
放置され、
あきらめ、
絶望し、
また生きていく。

たくさんの女は、
狂いたくても狂えずに生きていく。

愛は、底知れず深い。
恋をしたことのある、たくさんの女は、
一度は思うでしょう。

消えてしまいたい。

だって男は、この女心は、
難しすぎて分からないから。
きっと、分かりたくないから。

何枚にもおよぶ切ないことばの
数々の中にある真実を、
知れば知るほど、
女に生まれてきたことが、
私にとって意味があることだと
痛切に感じた。

眠れない日となった。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:25 

2007年11月26日

テレパシー

昔からの友人が、
本当に久しぶりに電話をくれた。

それは、お互い普通は
仕事をしている時間帯にもかかわらず、
その日に限って、偶然、
電話をとった。

ここ数日間、少しへこみがちだった私を
知っていたかのように、
電話をもらったとき、
テレパシーってあるんだと
納得した瞬間だった。

「大丈夫。
君は間違ってないよ。」

なんて素敵なことばだろう。
そして、初めて人から言われた
ことばのように感じた。

嬉しくて、涙がバーっと
出そうになったのに、
あまりの感動と驚きで、
ことばがなくなった。

人は、絶望してもことばを失う。
けれど、感動でも、
ことばを失うものなんだと
気付かせてくれた人だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:29 

2007年11月23日

幸福感

遠い昔に行ったことのある
ファミリーレストランのステーキハウスに、
心が揺れた日だった。

どうせなら本店へと、
高速を使って車を走らせた。
着いてみたら、すごい人の数…
店員さんに待ち時間を聞いたら、
90~120分ですと言われ、
貧血が起きそうだった。

一緒に行った友人は、
待つ気まんまんで、
あきれながらも付き合うことにした。

そこの店は、いつも混んでいるらしく、
待合室が別にあり、
トランプやオセロなどが
用意されており、
軽めのスナックと飲み物も
注文できるようになっていた。

家族連れの人たちは、
イライラする様子もなく、
みんなで楽しそうに
トランプをやっていた。
私たちも、オセロをすることに
したのだけれど、
私は、この雰囲気に、
最初どうしてもなじめず、
自分一人が浮いている気がして
ならなかった。

90分ほど待って、
やっと名前が呼ばれ
席に着くことができたとき、
知らぬ間に、誰よりも、
子どものようにはしゃいで
メニューを開いて食事を選んでいた。
この感覚、遠い昔、
子どもの頃に味わった
幸福感だったことに、
気付くことができた。

静かな幸福。

こんなところにもあったのか…と、
ちょっといいとこ見つけた気分に
なれた日だった。

投稿者 椎名 あつ子 : 16:06 

2007年11月21日

Sちゃんへ

Sちゃん、
あなたを久しぶりに見ました。

声をかけることは
できなかったけれど、
少しうつむきかげんに歩く
あなたを見て、
少し心配になりました。

淋しくはないですか。
ちゃんと眠れていますか。
お母さんとはうまくやっていますか。
友達はできましたか。
居場所はできましたか。

いろんな事があって、
それ以来、会っていないけれど、
私はあなたが、
誰よりも傷付きやすく、
やさしい子であることは知っています。

どうか、この気持ちが、
風を渡って届きますように。

投稿者 椎名 あつ子 : 20:25 

2007年11月19日

甘く甘く

今日は、
バニラのろうそくを
ともしながら、
仕事をしていた。

甘い甘い香りが
部屋中に広がり、
たくさんの花に
囲まれているような気分で
幸せだった。

人は、甘い感覚を
自然に求めているのかもしれない。

甘いデザート、
甘いピンクのような香り、
そして、甘いことば。

甘い感覚は、
こんなにも人を優しくする。

今日の私は、
とてもとても穏やかだ。

投稿者 椎名 あつ子 : 18:27 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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