2013年05月アーカイブ

2013年05月21日

5月18日のセミナーが終わって

先週の土曜日、第1回目の
「子どもの発達障害」についての
セミナーを行ないました。

お忙しい中で、このテーマに、
たくさんの方々が興味を持ってくださり、
足を運んでくださったこと、
そして、本当にみなさん真剣に聞いてくださり、
貴重な質問や体験も話してくださったこと、
心から心から感謝いたします。

私自身、毎回のことですが、
セミナー前はさまざまな思いがいっぱいになり、
緊張と不安との闘いとなりますが、
終わった後は、新しい方向性を知る
きっかけとなっていきます。

今回も、テーマはまだまだ
理解のされていない問題でもあり、
そこが一番の不安でもありましたが、
あまり理解されていない今だからこそ、
必要であるという実感と、
今後も世の中の人たち、社会全体に、
理解されていくために、
私に何ができるのか、
そして何が必要であるのかを、
本当に考えさせられた時間となりました。

2回目のセミナーは、
7月12日(金)9時30分~
同じ開港記念館で行ないます。

1回目と基本は同じですが、
子どもに対しての接し方については、
もっとたくさんの事例を元に話していき、
質疑応答の時間も
(今回は2時間のセミナーがあっという間でした)
もっととって、皆さんと一緒に考える時間を
作りたいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:24 

2013年05月09日

私の母へ

父の検査入院の日だった。
昨年の心臓の手術した後の様子を
みるための入院ということだった。

私は家で一人で不安になるだろう母を想い、
電話をして、
実家に戻るから夜ごはんを一緒に食べよう
と伝えた。

「あら、気にしなくて大丈夫よ。
 でも、ふきの煮物とせりの胡麻和え作ってあるから、
 食べにくる?」

母の言葉は、とても不器用で、そして優しかった。
素直に「嬉しいわ」とはいえない、
昭和ひと桁の女性の謙虚さなのかも
しれないと思った。

一緒に食事をし始めて、
ポツリポツリと声を震わせて
母はつぶやき始めた。

「あと何回、あなたとこうやって
 二人で食事ができるのかなと思うのよ。
 あと10年、生きれるのかしらと思うと…」

80歳近くになる母の心の中にある
淋しさと不安と恐怖を、
私は深く深く感じながらも、

「何いっているのよ。考えすぎよ。
 地方にお嫁に行った娘がいて、
 ずっと会えない人もいるんだからね。
 そんな弱々しいこと言わないで。
 心配しないで。」

と、笑い飛ばした。
母も「そうね」と言っていた。

あとになって、やさしいふきの味、
父がとってきたという春の香りのするせりの味を
なつかしく思い出しながら、

あと何回、このふきやせりが食べられるのだろうか

と、一人、少し泣いた。

あのとき、母と一緒に泣いてあげればよかったのか、
抱きしめてあげればよかったのか…

いろいろと考えて、あのとき笑い飛ばした私も、
やはり不器用だなと、
母に似ている自分に気付いた。

今週の母の日の日曜日、父は退院する予定だ。
今度は三人で夕飯を食べよう。
そのときは、少しは老いた二人の心の内を
静かに聞いてあげようかな。

いや、やっぱり、
私は笑って元気に言おう。
「今は、人生100年よ!
 あと20年以上もあるからね!
 よろしくね!」
と。

何故なら、私はまだ、将来の悲しみへの
覚悟ができていない。
だからまだ、笑うことしかできない。
ずっとずっと、本当は笑っていたい。

これが、私の本当の気持ち。

このブログを読む日が、私の母はあるのかな。
読んでほしいような、知らないでほしいような、
そんな気持ちで託す、
私の心からのメッセージ。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:33 

2013年05月04日

停止するということ

その日の休みの日曜日は、
一日何もしないと決めた。
いつも行く日曜日の午前中の乗馬も
キャンセルして、
10時頃、野菜入りおかゆを食べ、
その後は、ベッドの中でゴロゴロすることにした。

こんな日を作るなんてことは、
何年ぶりだろう。
私は、どんなに疲れていても、
日曜日はもったいなくて、
朝からたくさんのスケジュールを入れないと
気がすまない。

海までドライブしたり、
東京までウィンドショッピングしたり、
岩盤浴に出かけたり、
キッチンに立って、いろいろ食事を、
半日作っていたり…

その日は昼間の光から、
夕方のオレンジ色に変わる光まで、
ブラインド越しに感じつつ、
ベッドの中で起きたり寝たり、
また起きたりしていた。

まどろむ時間とは、
こういうことをいうのかなと思いつつ、
それでも頭の中は何かを考えていた。

過去のこと、
これからのこと、
明日からのこと、
仕事のこと、
一人暮らしの娘のこと、
たけのこの時期だということ…

それはそれは、たくさんのこと。

それでも全く何もしない。
動かない日。
停止するということ。
何かに向かって動き出すという行動力と、
そして反対の全てを、まず止めてみること。

体を止めてみたとき、
頭の中は動き出す。

おもしろいなと思った。
停止する時間の大切さを感じられて、
そしてまた、動き出したくなった。
やはり、私の根本は、
何かしないといられない性格らしい。
でも、停止することは、すごいことだと思っている。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:25 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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