2014年06月アーカイブ
2014年06月28日
痛み
やけどをしました。
スープを温め、少し目をそらしたら
吹きこぼれてしまい、
急いで火を止めました。
私は、吹きこぼれた汚いレンジを
きれいにしようと思って、
…思い切り触った瞬間でした。
そのあと、何時間冷やしても
じんじんと手のひら全体が痛くて、
どうすることもできませんでした。
心の痛みは、これ以上なのだと考えました。
こんなばかげた自分のミスであっても
とても痛いのに、
自分のせいでなく
心の痛みを持たなくてはならない人は、
本当に苦しい状況なのだと、
毎日の仕事の中で感じながらも、
あらためて痛感した瞬間でした。
やけどのように
目に見えて赤く腫れて
水ぶくれになるように
心も目に見えれば、
自分も人も分かるし
もっと理解してもらえるのに。
今さらながらだけれど、
苦しく、痛く、悲しい人たちが
それでも足を運んでくださって
前を向こうとしている心を、
もっともっと受け止めていかなくては…
私にとって、やけどは、
大切な人の痛みをあらためて知る
きっかっけとなれました。
2014年06月21日
彼
新たな挑戦をしようと決めて、
趣味で乗馬を始めて
3年目になろうとしている。
馬と触れ合うことでリフレッシュしたい。
馬とかかわることで、
今までにない何かを感じたい。
と、正直、甘い興味で始めた。
正直最初は、馬を触ることが恐かったし、
馬にまたがることすら、
本当に大変だった。
毎回、終わったあと3日間は、
激しい全身の筋肉痛に苦しみ、
あるときは、インストラクターが
持っていてくれるはずのロープが切れ、
私を乗せた馬は勝手に走り始め、
私は、その馬を止める技術をまだ知らず、
恐怖感と緊張と絶望の数分で、
やっと馬が止まってくれたこともあった。
そんな状態でも、
少しずつ乗っていくうちに、
馬の魅力にはまり、
馬と私のバランス、
つまり馬の気持ちと
私の精神の安定との関係が、
本当に大切であることを知り、
乗馬がどれだけ自己コントロールに役立つかを
知ることができた。
ただ、3年目になろうとしているこの頃、
乗っても乗っても次のステップに行けず、
自由に走ることもできず、
乗っている間は恐怖と緊張はあり、
自分が上達しているようには全く思えず、
モチベーションが上がらない日々が
続いていた。
自分はやはり、乗馬には向いていないとか、
インストラクターと私が
合わないのかとか、
なかなか忙しくて時間が取れないとか、
予約しにくいとか思い始めて、
1か月半ほど、乗ることをしなくなっていた。
私は、自分への言い訳をしはじめている自分に
気づかないで、時間が過ぎていた。
久しぶりに先週、
そろそろ行かないとまずいかなと、
半分、訳の分からない義務感で乗りに行った。
気温が30度以上ある
夏のような暑い日曜日だった。
久しぶりであることも気もせず、
当たり前のようにいつもの馬場に行った。
私が一番大好きで、一番愛していて、
一番、お互いのバランスが合うことのできた馬が、
いなかった。
いつも彼がいたはずの馬場は、
空っぽだった。
私が、自分にずるい言い訳をして
行かなかった間、
彼は脚の怪我が原因で…
死んでしまったと聞かされた。
あんなにあんなに大切で、
私をいっぱいいやしてくれて、
他の馬とは味わえなかったはずの
特別の彼は、
私が知らない間に逝ってしまっていた。
彼が、怪我でここまで苦しんでいたとも思わず、
最期になでてあげることもせず、
休みがちだった彼を心配しつつも
私は自分勝手に、一番いやしてくれたはずの彼を忘れて、
見捨てていたのだと知った。
あれから2週間がたった。
私は今日、悲しみと罪悪感を忘れないために、
再び馬場に出かけた。
新しい馬が、そこにはいた。
馬がやっぱり好きだから、
あの目にいやされるから、
本当に馬がかわいいから、
乗馬が上達することも目標だけど、
「好きだから」
という素直な気持ちに誠実でありたいと
心から今日、そう思った。
彼はもういないけれど、
でも、また新しい気持ちで
楽しく、好きで馬に乗る時間を
大切にしたいと思った。
そして私は、言い訳をしたことで
失うものの大きさを、
彼が、命をかけて
私に教えてくれたのだと思っている。
あなたは天国で、
広い広い草原を自由に走っているのよね。
心からありがとう。
私はあなたを忘れない。
初めて、一体感を感じた
あの喜びを、あの感動を。
そして、あの自由な風を。
本当に忘れない。
I love you, Holister.
プロフィール
2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
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