2015年01月アーカイブ

2015年01月27日

過去の私と今の私

ある女性に

「先生のブログを読み返してみました。」

と言われた。

 

彼女は奥深い気品を持っていて、

笑顔がとてもかわいい人だと

いつも思う。

その彼女に忘れていた私の過去を

読まれたことを知り

正直、とても恥ずかしくなった。

 

たしか、もう10年ぐらい前からの

ブログだと思う。

一度も過去の自分のブログを

よみかえしたことはなかったし、

今も読みたいとは思っていない。

 

でも目の前にそのことを

知っている人がいることは

(ホームページに載せているので

当たり前なんだけど)

恐怖に近い気分だった。

 

どんなことを書いていたんだっけ…?

彼女は言った。

「本当に先生はエネルギッシュを

みんなに与えていたのですね。

今の先生はホッとして大好きだけど

あの頃の先生にも会いたい」と。

 

10年前の私は、当たり前だけど若かったし、

根拠がないのに自信もあったし、

人生をとにかく楽しんでいた気がする。

 

でも、仕事の不安をいつも

人には見せないけど抱えていて

それを打ち消すために

何かをひたすら追いかけて、

いつもアンテナを張って、情報を収集して

必死だったような気がする。

 

三浦の家にも週末は毎週のように通い、

海が大好きで、カヤックに乗ったり、

よくシュノーケルをして

仲間とアウトドアを楽しんで過ごした。

 

よくパーティーもしたし、

人が集まることも、一人でいることも

大好きだった。

夏になると日焼けも、しみも気にせず

いつも黒かった。

 

仕事も本当に大変で、

夜中の電話も取っていたし

毎日がいつもフルオーバーだった。

「情熱」と言う言葉がすべてだった

時代があった。

 

今の私は、子育てが完全に終わり

娘たちは独立をし、

彼女たちと対等となり

私は娘たちから、

いいか、悪いか別にして

一人の女性として見られるようになった。

解放の自由とそして孤独を

考えるようになった。

 

あの10年前の少しでも若く見えたいとか

かっこよくいたいとか、

とことん頑張るために闘うとか、ではなく

今は、過去の失敗や、悲しみや絶望や、

はしゃぎや、喜びなどの

さまざまなおびただしい時間を

一つ一つ大切な経験として

私の心の中の引き出しに

きちんと整理して並べている

最中のような気がする。

 

時に出したくなったら見ればいいし、

見たくないならしまっておけばいい。

それが今の私の自由の選択と

なっていると思う。

 

「ありのまま」とよく言うけれど、

やっと、人の目を気にせず

評価を気にせず、年齢を気にせず、

過去を気にせず、

今の私のありのままを受け入れられて、

カウンセラーと言う仕事と、

カウンセラーでいられる自分を

本当に、幸せだと思えるようになった。

 

それはエネルギッシュとは違って

穏やかな安定と、継続する意味と

そして受け止めるという意味。

それはあきらめでも、

許すことだけでもなく、

とにかく、すべてすべて受け入れて

受け止める。

ゆっくりと、やさしく、

そして凛として。

 

今は、それが私の目標かな。

 

笑顔のかわいい人に

教えてもらった日だった。

 

投稿者 椎名 あつ子 : 13:24 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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