2019年05月アーカイブ

2019年05月23日

人生のドラマ

誰にもあやまちはあります。

夫婦のことであったり
親子間のことであったり
その他の人間関係であったりの中で、
相手に刺さる暴言をしてしまったり
強迫や管理をしてしまったり
大きな裏切りであったり
人には言えない隠し事であったりもします。

ここでのカウンセリングでは、
様々なあやまちが織りなす人生のドラマがあります。

私は、裁判官ではありませんので、
過ちを過ちとして話してくれた方に
耳を傾けて聴きたいと思っています。

人は、誰もが、
あやまちを心に秘めていたいかもしれません。
人には言いたくないかもしれません。
あやまちを認めたくないかもしれません。
それは、人間であるがゆえの
無意識であっても
意識的であっても
当たり前にある行動で、
自分を守るための防衛本能でもあります。

ただ、人生のドラマの結末のあり方を
決められるのは
主人公であるその人自身なのだと
思っております。

素直に謝る方向に向かうのか
相手の責任にするのか
自分は悪くないと思っていくのか・・・

あなたは、どんな人生のドラマを
創っていきたいですか?
どんな主人公でありたいですか?

投稿者 椎名 あつ子 : 16:06 

2019年05月16日

「ゆがんだ愛 それから」のそれから

昔々、私はアラブの国に住んでおりまして、
その時感じた砂漠のことを
私の本「ゆがんだ愛 それから」の
はじめに書きました。
あの光景のすべては
私の原点でもあり、
私にとってはカウンセラー人生の
きっかけでもありました。

今年で、横浜心理ケアセンターを開設して
20年が経とうとしているこの時に、
1つの区切りとして
再びアラブのあの砂漠の地に
原点を求めて行ってきました。

あの頃感じた
砂漠の香り、形、色、
太陽の光と影の2つの顔、
無の世界の中からの叫び
などの数々を
もう一度観て感じて
私の魂を呼び起こしたかったのでした。

あれから30年・・・
砂漠はたくさんの観光客にあふれ、
何もなかった砂には
ジープのタイヤの跡が
模様のようにかたどられていて、
ところどころ大きな草が生えていました。

私が昔感じた
極限の存在でも、
残酷な世界でもなく、
あの頃のような
月の光も星の光も
見えにくくなっていました。

私は、あまりの変化を受け止められず、
受け入れられない切なさでいっぱいの感情を
押し殺しながら
ずっと砂漠を見つめていました。

「あの頃のあなたはどこへ行ったの?」
と心の中でささやきながら、
砂を両手でつかみ
さらさらと指の間からこぼれて
地面に落ちていく砂を
見ていました。

太陽が少しずつ砂漠の向こう側に
ゆっくりと落ち始め
あたりが一面、
オレンジ色に輝き始めたとき・・・
たくさんのツアーの人たちが
いっせいに写真を撮り始めました。

私はとにかく1人になりたくて、
砂の丘の丘を
一生懸命走って登って登って
誰もいない空間を探して、
その上に立ちました。
そこには昔と変わらない
やわらかなオレンジの太陽の光と
純粋な砂の姿が
確かに、存在していました。
「おかえりなさい」
そんな声が聞こえた気がしました。
太陽の光も、
砂のひとつぶひとつぶも
変らない世界が
そこにはありました。
変ったのは、
砂漠がたくさんの人々を
受け入れたことでした。
誰も寄せ付けない
すべての生命さえも受け入れない世界
だったけれど、
ほんの少し受け入れ始めていたのでした。

ただ砂漠のもっともっと奥には、
誰も入れない世界は残されていて、
砂漠は本当は何も、
何一つとして変わっていないのだと
思いました。
ただ、自分の存在を知ってもらうために
ほんの少し受け入れる覚悟をしたのだと
思いました。

あれから30年の月日の中で、
あたりまえに私も歳をとりました。
ただ今でも
私の中で変わらないことは、
果てしない自然の世界を求めていて
無である美しさと
凛とした砂漠の姿が
私には原点であるということでした。

光があるから影がある
喜びがあるから悲しみがあり
安定があるから不安があり
真実があるから偽りがあり
愛があるから絶望がある
その意味をこれからも
生きていく中で
大切にしていきたいと
心から、思ったのでした。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:50 

2019年05月09日

GW明けの体と心の状態について

10連休が終わり、
現実の生活が始まりました。
大人も子どもも、元の生活に
不安を抱えている状態ではあります。
「学校に行きたくない」
「仕事に行くことが憂うつでつらい」などで、
大人も子どもも同じで
連休で気持ちがゆるみ、
ほっとした後の
現実の生活に
体も心も切り替えがうまくできず、
体調を崩したり
精神的にもダメージを受けている人たちが
多くいらっしゃいます。

4月からスタートの新学期の緊張や
新しい職場の環境に
やっと慣れたところで
10日間の休みが訪れ
ほっとしたのも束の間で、
また、元の緊張状況に身を置くことは、
誰でも、大人でも子どもでも
大変な環境なのです。

この時期は、
とにかく焦らずに無理せず、
体や心が少しずつ慣れるまで
見守っていく気持ちが大切です。
子どもに対しては
親御さんはおだやかに
どんとかまえた気持ちで
「無理しなくていいよ」「大丈夫よ」といった
言葉かけも必要だと思います。

また、大人の場合は、
連休も明けたのだから
しっかりしないとといった
自分を追い込むような感覚よりも
連休中の楽しかったことなどを思いだしながら
焦らずに過ごしていただきたいと
思っています。

ただ、連休前から抱えている問題があり、
連休中は考えないでよかったけれど
また現実の生活の問題が
再び浮上してきてしまった場合は、
悩んでいる様々な問題の中で
今、自分で対応できることは何なのか、
また何からなら始められるのかを
たとえ小さな事でもいいので
悩むことより、まず考えて、
探してみることも
大切な一歩である気が致します。

それでもうまく1人では考えつかない場合は、
専門家などの意見を聞いてみることも
必要であると思っております。
自分1人では考えつかなかったような
違った見方や方向性が見つかることも
あると思います。

今は、優しく
自分を、そして子どもを
見守ってみてください。

投稿者 椎名 あつ子 : 12:41 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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