2024年07月02日

左様ならば

「さよならだけが人生だ」

中国唐時代の詩人の于武陵(う・ぶりょう)が作った詩を
井伏鱒二が翻訳した言葉です。

人生は別れの連続だということを言っていると、とらえることもできるし
人生とは嵐の前に散ってしまう花のように
はかないものだともとらえることができるそうです。

最近、仕事でも、私生活でも
よくある出来事の小さなさよならを経験して
ふと、このフレーズを思い出したのでした。

さよならの語源は

「左様ならば」
に由来して
そのようであるのなら
そうであるのなら
という意味で

別れる運命を受け入れていく寂しさの中にも覚悟のようなニュアンスを感じます。

また、英語であれば

Goodbye
「God be with you
神があなたとともにあれ」
ということになります。

相手への思いやりを感じる言葉でもあると思います。

生きている中でどれだけの「さよなら」を人は経験するのでしょうか。

それはもちろん悲しすぎる絶望に近い別れもあれば、
愛着のある物品も含め、場所との別れなどもあると思います。

誰しも数えきれない出会いと別れを繰り返していると思います。

「さようなら」はもともと接続詞で、「だから」や「しかし」のように、文と文、語と語 をつなぐ役割を持つものです。

「そうであるなら」に続くのはネガティブな文章とは限りません。

「今日も一生懸命働いて充実した一日だった。さようなら(そうであるなら) 、明日も頑張りましょう」という文脈もあります。

「今まで通っていた大好きなお店だけど。そうならばまた、新しい場所を探そう」

「お互い努力して向き合ってきたと思いますので、新しいそれぞれの道に進む考えもありますね」
などたくさんあります。

「これまで」と「これから」をつなぐ「さようなら」。
別れは定めかもしれませんが、この接続詞の後に続くのはできれば肯定的な文章にしたいとも思った日でもありました。

最近経験した様々な私の「さよなら」にはそう感じています。

そして、
日本語の「さよなら」が
なんて切なくて美しい響きの言葉なのだろうと
柔らかな雨のしずくに触れながら思ったのでした。

投稿者 椎名 あつ子 : 13:46

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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