2024年07月19日

優しい休日

私のお誕生日に
両親がピンクの胡蝶蘭を贈ってくれるようになって
5年以上が経ちます。

「来年はもう贈れないかもしれないから」と
いいながらも両親は90歳と88歳という年齢になりました。

毎年、娘の私の為に二人でデパートに行って
元気が出て幸せな気分になるようにと
華やかな大輪のピンクの胡蝶蘭を探して送ってくれます。

その胡蝶蘭の花が先日、咲き終わりました。

花が咲き終わることは当たり前なのに
今年はとても悲しくて、苦しくて
そしてとても怖くなりました。

胡蝶蘭の花が終わりに近づくときは

気付かないうちにそっとテーブルの上に
綺麗なまま花びらが落ちているので
その姿が切なすぎて
たまらなく辛く感じたのでした。

今回は花が終わった胡蝶蘭の後のお手入れをする事にしました。

風通しのいい素焼きの小さめの植木鉢や
胡蝶蘭用の土や水苔なども買いました。
植え替えの方法をたくさん調べて
二つの植木鉢に新しく植え替えました。

カーテン越しに
新しく生まれ変わった胡蝶蘭の花茎を並べていると
両親の私への深い想いを
再び感じることができました。

短く切った花茎から
花芽が伸びて二度咲きが訪れることを
心待ちにしている自分がいました。

それはまるで
小さい頃の私がお留守番をしていて
両親が帰ってくるのを待っているような気分でもありました。

そんな気持ちにさせてくれた
ささやかな温かい時間が
とても愛おしく、大切な事でもありました。

過去のおびただしい
両親への機能不全に感じていた感情や
あきらめていた親子の関係や
そんな遠い昔の自分を
今になっても忘れられない中で

それでも
私は
確かに疑いなく愛されてきたのだと

深い大きな愛に支えられ守られてきたのだと

終わりに近づいてきて
やっと、やっと分かることが
あらためて在るのだと
胸の上に手を置きながら
込み上げてくる物を感じながら

ゆっくりと深く深く息を吸い
ゆっくりと息を吐くことをしていたら

身体の奥深いところから
湧き出てくる泉のような流れに身を任せていたら
ふっと力が抜けていきました。

愛の形は長い時間と共に形を変えて
しずかに満ちていくのだと
そんな事を知れた
優しい休日となりました。

投稿者 椎名 あつ子 : 11:45

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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