2025年01月アーカイブ

2025年01月29日

愛の詩集

本箱の中の
たくさんの本の中から
昔呼んだ古い詩集を取り出して読んでみました。

それは、私が高校生の頃大切にしていた物で
たくさん詩人の愛の詩を集めた本でした。

全体に茶色になっていて
ところどころにシミの跡があったり
ページの下を折った跡があったりしていて
遠い昔の「私」の存在を感じたりしました。

あの頃、
学校には通っていましたが
特別仲のいい友達も居なくて
1人でいる時間は
本が私の大切な友達だったようにおもいます。

まだ、愛など分からなかった時代に
様々な詩人達の愛に触れて
苦しくなったり、混乱したり、切なくなったり、
夢見てときめいたり、どきどきしたりしていたことを
思い出していました。
その風景は
私の中にセピア色のぼんやりした形として残っているようにおもえました。

詩は様々な比喩の中で
愛があたかも手で触れるように、声が聞こえてくるように
目で見れるように表現され

その若き日の詩人達の純粋な生き方や、
不滅のかがやきに満ちた美しい言葉が
私の中に素直に優しくしみこんで
何故かほっと、救われた気持ちになりました。

「素敵な言葉は沢山あるけれど
愛の詩集

頼もしい言葉も沢山あるけれど
私が初めて聞いた 優しい言葉・・・

ぼくがやってあげるから

春の嵐が吹くたびに
私は その言葉を想い出します

そのひとの お嫁さんになりたかった
幼い私を想い出します」
(集英社 愛の詩集 内山登美子から)

この詩は昔の「私」には時別であったようで
ページの上を折っていました。

そして
「ぼくがやってあげるから」
この言葉は今の私にも
じんわりと優しくて、切ない言葉でもありました。

そしてまた今の自分は
「私がやってあげるから」
という言葉をかけてあげたいと
まだ小さい孫達の事を想い出した日でもありました。

時の流れと私の歴史をしみじみと受け止めながら
静かに緩やかな気持ちとなっていました。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:52 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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