2026年03月アーカイブ

2026年03月03日

もう一度のひなまつり

今年のひなまつりは、少し特別でした。

孫のために、新しいお雛様を用意しました。
箱を開けたときの、あのやわらかな木の匂いと、静かな華やかさ。

娘たちが小さかった頃、
私はいつも時間に追われていました。

飾らなきゃ、と思いながらも、
仕事、家事、日々のあれこれに流されて、
心からゆったり眺める余裕はなかった気がします。

でも今回は違いました。

前日からお子さま用のちらし寿司の支度をしたり
御雛様が飾ってあるケーキを買ってきたりしながら
私自身がウキウキしていました。

まだ小さなお孫ちゃんは
ケースの中のひな人形をじっくり見ながら
ひなまつりの歌を首をフリフリしながら歌ってくれたり
「お姫ちゃま。きれいね」
と少しお話しができるようになった
そんな声を聞きながら、
こんなにも穏やかな時間が来るとは思わずにいたので
あー、人生はこうやって巡っているのだなと思ったりしました。

ひなまつりは、女の子の行事だけではなく
“願いを形にする日”なのかもしれません。

健やかに。
幸せに。
その子らしく生きられますように。

親のときは必死で、その時間を取ることもしなかったけれど
祖母になるとこんなにもゆっくりと優しく穏やかな気持ちで
小さな手を握りながら祈れること

役割が変わると、心の位置も変わるものですね。

母としてできなかったことを、
祖母として、そっと手渡せることもある。

それは後悔の埋め合わせではなく、
人生がくれた優しい続編のように思います。

お雛様の穏やかな表情を見ながら、
私はそっと願いました。

どうかこの子が、
誰かと比べることなく、
自分の光で生きていけますように。

そして私自身も、
過去を責めるのではなく、
今できる愛を、丁寧に差し出せますように。

ひなまつりは、
女の子の幸せを祈る日。

でも同時に、
私たち大人の心をも、
やさしく整えてくれる日なのかもしれません。
やわらかな一日となりました。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:56 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

月別アーカイブ

カレンダー

2026年3月
« 2月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

オススメ