2026年03月31日

京都で受け取った静かなメッセージ

先日、京都を訪れ、東寺の桜を観てきました。

その時に一枚の紙を手に取りました。
そこに書かれていたのは、

お大師様のお言葉

「色は空に異ならず 空は色に異ならず」

色(形ある物)の実態は空である。
この世は空であるから、何でも生れて
何でも消えていく。
自分も空であるから実体はない。
自分というものは天気のようにコロコロ変わる現象である。
自分を固めてしまってはいけない。
それが苦の原因である。
決まった自分はない。
            東寺No.184より

目に見えるものと、見えないもの

「色」とは、形あるもの、現実、出来事。
「空」とは、実体のないもの、移ろいゆくもの、本質。

つまりこの言葉は、

目に見える現実も、実は固定されたものではなく、
すべては移り変わり、執着するものではない

ということを伝えているとのことです。

自分という存在もまた「空」

紙の中には、こんな言葉もありました。
自分というものは天気のようにコロコロ変わる現象である

とても深い一文です。

私たちは「これが自分」と思い込んでしまいがちですが、
実際には気分も、考えも、価値観も、日々揺れ動いています。

カウンセリングの現場でもよく感じるのは、
「変わってしまう自分」に苦しむ方が多いということです。

でも、本当は、

変わること自体が自然であり、
そこに良い・悪いはないのかもしれません。

苦しみは「囲い込むこと」から生まれる

この紙には、さらにこう書かれていました。

自分を囲ってしまってはいけない
それが苦の原因である

これはとても大切な視点だと思いました。

「こうでなければいけない自分」

「こう思われたい自分」

「過去の自分」

そういったものに自分を閉じ込めるほど、
心は苦しくなっていきます。

京都で受け取った、小さな気づき

旅先で出会う言葉は、
不思議とその時の自分に必要なものが与えられているように感じられました。

今回のこの言葉は、

「そのままでいい」でもなく
「変わりなさい」でもなく

ただ、

「すべては流れている」

という静かな事実を教えてくれたように感じました。

人間関係や人生の中で、
「どうにもならない」と感じることがある時。

無理に答えを出そうとせず、
少しだけ立ち止まって、

「これは変わっていくものかもしれない」

そう思えるだけで、
心は少し軽くなることがあります。

京都の静かな空気の中で出会ったこの言葉は、
今の私にとって、とてもやさしい処方箋でした。

東寺の桜もまた、
今回久しぶりに京都で出会えた姿でした。

毎年この時期に行くようにしていますが
ちょうどいい具合に綺麗に咲いている桜には出会えない事が多かったのでした。

今年は私には必要な景色でした。

いろいろな事を手放しながらも
新しい事を受け入れて、
優しく穏やかに
変わりゆく時を見つめながら
感謝しながら手を何度も合わせて祈りを捧げてきました。

短いながらも深く尊い時間でした。

投稿者 椎名 あつ子 : 15:49

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

2000年から横浜市中区で開設しているカウンセリングルームです。
多種医療・弁護士などとの協力体制のもと、心理カウンセリングを行っています。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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