2009年04月アーカイブ

2009年04月09日

タクシードライバー

友人と、魚料理の居酒屋で
食事をしたあと、
軽く酔っていたことと、
雨が降っていたこともあり、
短い距離にもかかわらず
タクシーを拾った。

個人タクシーで、
運転手の方は、年老いた人だった。

彼は、穏やかに、
野球のWBCの話をし始めた。
韓国と日本の試合で、
韓国にも勝たせてあげたいと
思えた試合だったと
話していた。

普通、日本を応援し、
日本が勝ったことを喜ぶ人の多い中、
彼は、あの時代に生きた
年老いた日本人なのに、
韓国のことを考える優しさに
驚いたとともに、感動した。
一生懸命頑張った人たちへの
平等の想いが伝わってきた。
人の、差別や国境を越えた優しさを、
感じた瞬間だった。

彼は、私が降りるとき、
ワンメーターの距離710円を、

700円でいいです

と言った。

いいえ、良い話を聞かせてもらえたので、
おつりはいいです

と、1000円を払った私たちは、
その日、何故かとても
良い気分になれた。
それを共感できた友人がいることも
嬉しかった。

小さなつながりが、私の中で、
人生の大きな歴史のひとつとなった。
私は、あのタクシードライバーさんを
きっと忘れないだろう。

野球が、そろそろシーズンとなる中で、
スタジアムで応援するたび、
WBCのことを想い出すだろう。
そして、あの、
白髪のタクシードライバーさんを。

投稿者 椎名 あつ子 : 19:33 

2009年04月06日

今、このとき

薄紅色の桜の花が満開となり、
たくさんの人が
それぞれの幸せの時を
過ごそうとしているとき、
北朝鮮ミサイル発射の情報が
入ってきた。

今まで普通に生活してきた時間に、
ある日、突然、
その人の人生を狂わせる情報が
入るときがある。
そして、入ってきた情報を疑うことなく、
受け入れて、考える。
どうしたらいいのか悩み、
そして、本当に考える。

ある日突然、仕事を辞めさせられた
サラリーマンの夫。
突然、実は好きな人がいると言われ、
夫に出て行かれた妻。
病院の先生に、がん告知された母親、

それはみんな、ミサイルのように、
突然、自分に向かってきて、
打ちのめされる。

ひとつひとつの花が
まあるくなって、
たくさんの形を作って、
風になびきながら、
桜の香りを街中に振りまいて、
そんな中、空を見上げながら、
お弁当をほおばった。

今、この時間が、
本当にすべてなんだと。

桜はふわふわと、少しずつ散りながら、

「そうなのよ。
私も同じ。
だから、今なの。」

と言っているように思えた。

あたたかい春の日曜日。

投稿者 椎名 あつ子 : 17:56 

2009年04月03日

白いクッション

事務所の待合室のテーブルクロスを
春色に変えた。
白いクッションも買いそろえた。
ただそれだけなのに、
部屋の中が明るくなった。
新しい空気が流れ込んできた。
これでいいと思った。

夜のニュースで、
崩壊したドバイやダッカを
立て直すため、
人生に迷いながら、
新たな将来に向かって
お金を稼ぐことに
必死になっている人たちが出ていた。
マネーゲームは、
世界のお金持ちの投資家の中で、
もう始まっているらしい。

欲望と矛盾と希望を胸にと、
ニュースキャスターが目を輝かせて
堂々と訴えていた。

テーブルクロスを変えたことで
新しく、また幸せな気分に
なれたと思っていたはずなのに、
世界の動きについていけない、
テレビのニュースに入れない自分に、
少しとまどった。

私はきっと変わらず、
ここにこれからも小さくいるけれど、
世界はどこへ、
そして社会は何を、
しようとしているのだろう。

もうこれ以上、マネーゲームに
携わった人たちの失敗で、
小さく生きている人たちが苦しむことは
やめてほしい。
責任を考えず、
そして、責任を取ることなく、
まだ、自分の欲望のため、
世界を動かそうとするのかな。

資本主義社会…

私は、本当によく分からない。

投稿者 椎名 あつ子 : 14:28 

プロフィール

横浜心理ケアセンター

『横浜心理ケアセンター』

横浜市中区に開設している女性のための心のカウンセリングルームです。
このブログでは、センターの代表である私が、一人の人間として、一人の女性として、またカウンセラーとして、日々の生活の中で感じた様々な出来事などをエッセイ風にみなさんにお伝えしていきたいと思います。

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